田植え休み、稲刈り休み(その1)
今の人たち、若い人たちに、昔は「田植え休み、稲刈り休み」があったなどと言うと「いつの時代の話ですか」と不思議そうに聞かれるに相違ない。そうです、昔と呼んでも良いかも知れない、昭和三十年代の半ばまでは、子供たちの労力さえ頼りにされるような時代だったのです。
我が家はもともと自作農だったらしいが、事情で水田は手放して、畑作だけの兼業農家でした。そのために忙しさが集中する、田植え、稲刈りなどの水田作業、稲作とは縁がなかった。でも、田舎の学校で稲作農家が大半の存在は、稲作をしない少数者だって差別して登校させることなどなくて、全員がその休みに入ったのでした。
手持ち無沙汰気味の私を可哀そうに思ったのか、それても猫の手ほどの力にはなると思ったのか、近所の優しい親父さんの農家から田植えの手伝いを頼まれ、田植えの真似事も経験させてもらえた。
そうです。不器用な私は真似事としか言いようの無い仕事下手。何せ幅、植える条数を人の半分にしても、なおかつ大きく遅れて、皆さんに置いてきぼりにされてしまう。楽しそうな会話もよく聞き取れないほど話されてしまうのですから。
(続く)