
トラクターで耕したばかりの畑が緑色に変わった。
草の生命力です。土の下で休眠していた種が、表面近くに浮かぶと発芽する。

右奥に緑色の屋根の一軒家。
もうとうに亡くなってしまったが、遠縁の男性が建て「栗林荘」と名付けていた。

管理をしていた娘婿も亡くなり、もう誰も使うことは無いだろう。
栗林を頭にした名前は、50年以上も前に一帯に栗栽培の計画があったから。

その栗栽培の団地化に伴い交換分合が行われ、道路も新設された。
交換分合により我が家の畑は、ここから先の山の崖際になったのでした。

広域農道から、分かれた細い道はスベルべも含む利用者たちの手になる舗装。
右の杉林沿いに細い道があり、山を歩いて登りその細い道を歩いてここにあった畑まで来た。
畑は専ら母の仕事。父はプロドライバーとして盆暮れしか休めないような暮らしだった。
華奢な母ではあったが、自分でノコギリ、鉈で木を伐り出し、小屋を掛けていた。
休憩でその粗末な小屋に入り、身体を横にして休んだり、雨から逃げたりしていた。
ここを通るたびに森山良子さんの歌を思い出す。「思いでのグリーングラス」です。
女の子が4人続いた後に出来た、初めての男子だったスベルベは母に可愛がられた。
スベルべも小学生、いやそれ以前から母の尻に着いて歩いていた。仕事にキノコ採りに思い出は尽きない。