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夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

夢枕ばく著「黒塚」集英社文庫

2006-11-29 15:53:08 | 本と雑誌

夢枕ばく著「黒塚」集英社文庫
奥州の山に その家はあった

黒髪も美しい妙齢の女人が棲む

一夜でも長くいても構いませんが ねやだけは覗かないで下さいまし

けれど 遂に男は覗き秘密を知る

それから幾度も繰り返される惨劇

それでも{生きる}

生き続ける 時の果てまでも

著者は手塚治虫先生の「安達が原」が頭にあったと言う

小谷真理女史の解説に詳しいが 古典とSFの融合 これを目指し 更には伝奇小説の部分も合わせ持つ作品に仕上げている

血と恋と裏切りと・・・夥しい死

あなたを死なせはしない

それだけが女の希(ねがい)

わたしを一人にしないで

それもまた夢


姉小路祐著「司法改革」講談社文庫

2006-11-29 11:54:23 | 本と雑誌

姉小路祐著「司法改革」講談社文庫
司法改革の必要性をテレビ生放送番組で熱弁する作家・矢崎 そこへ最高裁事務総局の裁判官・小宮田から電話が入り 二人は番組で議論を戦わすことに

一度目は矢崎が勝った形になり 二度目の討議中 それは起こった

ある女性の声が入ったテープを 矢崎から受け取ろうとした小宮田が死んだのだ

毒殺であった

逮捕された矢崎

だが番組のディレクター新藤は ひっかかるものを感じ 調査を始める

しかし新藤もまた殺された

新藤の恋人で番組の進行も務めていた香苗は矢崎の弁護士と共に命を賭けた告発を始める

読後 この香苗も弁護士も謎の組織により 事故死にみせかけて殺されるのではないか

そんな不安な暗い重さが残ります

小宮田を操り死においやった漆すら 死ななくてはいけない

詰め腹を切らなくてはいけない

司法改革について考えてほしい 現状を知ってほしい

願いもこめられた作品です

解説も作品ができる余話といったものが 書かれており興味深いです