夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

山本一力著「梅咲きぬ」潮出版社

2006-11-30 22:38:20 | 本と雑誌

山本一力著「梅咲きぬ」潮出版社
江戸屋四代目女将の回想 子供時代から母と その周囲の人々と

残念ながら 損料屋喜八郎の秀弥さんとは 別人 別の江戸ということになります 「あかね空」の秀弥さんとは矛盾なく年齢も合うのですが

玉枝と呼ばれた子供時代から図抜けた人間であり 美しい娘に育ち 想う人もでき しかし

深川の料亭 江戸屋

意地と誇り それは確かに受け継がれて


山本一力著「赤絵の桜」損料屋喜八郎始末控え

2006-11-30 10:30:11 | 本と雑誌

山本一力著「赤絵の桜」損料屋喜八郎始末控え
帯に作者の言葉として「私にとって、このシリーズは自分の原点でもあり、いちばん大事な作品です。 喜八郎という男を通して、粋な男を描きたいという思いを込めました。 今の時代は何事もお手軽です。 とくに恋愛においてそうです。 この作品では、簡単に添い遂げられない男女を、私自身もどうなるかわからずワクワクしながら描きました。」そう あります

前作「損料屋喜八郎始末控え」で互いに憎からず想っている喜八郎と江戸屋女将・秀弥

次々に起こる事件の中 周囲の方が先に二人の気持ちに気付いて・・・

最初は悪役として登場した伊勢屋が 次第に懐の広さを見せ くえない親父ぶりは変わらず 喜八郎を頼りにはし押さえつけたくもある米屋と謀って 月下氷人の真似事を

普段若いくせに落ち着き払っている喜八郎の泡食った顔が見たいもんさね という動機からにせよ 最後の「二人とも たいした人気だ」 レギュラーの座を獲得し 主人公の身内となり うるさい伯父貴あたりに落ち着きそうな 狸親父さんです

ともすれば主人公が迫力負けしそうな存在感ですから

この役を高橋英樹さんあたりがされると面白いかもしれません

主役の腕が立ち頭もきれる喜八郎には 窪んだ目と原作にあります 彫りの深い顔立ちの方が良いのでしょう

では秀弥さんは―どの女優さんで―と 登場人物を一人一人あれこれ配役妄想してみるのも 楽しいかもしれません 歌川豊広「観桜酒宴図」(太田記念美術館蔵)装丁 多田和博氏による本のカバーも大変に美しいです