夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

「バトンをどうぞ」

2018-10-22 20:33:02 | 自作の小説
{信号待ちで停まると車の何処からかカタカタと言う音がするような気がする
そうなると運転中も気になって

この音は何処からー

車の底から聞こえるよう

でもまさか 車の下ーなんて

気のせいと思いこもうとした

それが帰宅が遅くなった夜 丁度 周りは田んぼばっかしーそんな場所を通っている時
信号待ちしてても対向車も全然来ない 
後続車も居ない

早く信号が青に変わるといいーと思いながらの信号待ち
そんな時に限って信号はなかなか変わらない


カタカタ カタカタ
コンコン コン

まるでノックするような音に変わり

それらは全部 車の下から聞こえる


ーそして

助手席の側の底がベリリと浮いた

そこから入ってきたのは 黒い男だった
目も鼻もどんな形か分からない
口ばかりが動く顔

男は言った「ずうっと入れてくれて合図してたやないか」

前も見ずに運転者はアクセルを踏み込んだー}


車のラジオもCDデッキも調子が悪くなり助手席に乗せた女に眠気覚ましの話を頼んだ
すると女は「つまんない話でいいなら」と話し始めた

それが これだ

あんまり気持ちが良くない

「ああ その話はもういい!気持ち悪いじゃないか」

そう女に言ったら
「でも この話はまだ続きがあるの 中途半端はよくないわ
最後まで聞いた方がいいわよ」


そう言って続けようとする

「なんでだよ」


「だって黒い男に出会ってしまった運転中の女がどうなったか知りたくない」

「ちっ 勝手にしろ」

「事故を起こして絶命寸前の女に 黒い男はこう言ったの

さあ これで交替だ  次のバトンを渡すとアンタも楽になれるさ


で バトンを渡された女は考えたのよ
実体が無いとはいえ 黒い男みたいに車の底に張り付くのは面倒だなって

女は何しろ美人だったから 男ならひっかけやすいって
特に馬鹿でスケベそうな男なら

はい わかったでしょ」

そう言って女は微笑んだ
いたずらっぽく俺を見る

女の顔が たぶん事故で大怪我して絶命したであろう時の血塗れの顔に変わる
その顔で言った

「次は あなたの番よ」


ああ 思い出した
俺は この女を墓地近くの交差点で車に乗せたんだ


茫然とした俺は踏切の真ん中でブレーキを踏んで 車が動かなくなった


そこへ ひどくまばゆい光

物凄い音


ああ 俺は どうやら俺は

バトンを受け取ってしまったようだ

「ショウコミ 22 2018年11月5日号」 (小学館)

2018-10-22 20:15:05 | 本と雑誌
Sho-Comi 2018年22号(2018年10月20日発売) [雑誌]
Sho-Comi編集部
小学館



篠原千絵先生の「天は赤い河のほとり」~宿敵~ (エジプトのラムセス氏メインの番外編)が読みたいばっかりに買ってしまった一冊

連載はずうっと昔に終了

それが宝塚歌劇団により舞台化されて宙組が上演

ウセル・ラムセス役を宙組の二番手男役スターの芹香斗亜さんが演じたことからも再び「天は赤い河のほとり」の人気が高まりました

ラムセス再びー






けれど漫画の内容はーやはり主役のユーリが愛するカイル王子には勝てず(気の毒な役回り)

↓こちらがヒッタイトのカイル王子




う~~~ん 32頁じゃ本領発揮とはいかなかったかな^^;


篠原千絵先生 原画展もあるそうです







他にコミックナタリーにて Sho-Comi50周年特集 第6回 篠原千絵先生へのインタビュ―公開されています↓

https://natalie.mu/comic/pp/sho-comi50th_06

「闇のパープルアイ」 「海の闇、月の影」 「蒼の封印」「水に棲む花」「夢の雫 黄金の鳥籠」
これまでの作品 連載時の想い出などについて語っておられます