NHK大河ドラマ・ストーリー 篤姫 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー) 宮尾 登美子,田渕 久美子 日本放送出版協会 このアイテムの詳細を見る |
今回は、いつもに増して泣かせてくれました
大河ドラマは、意外に、じ~ん・・・とくるシーンがあるものなんですが、今年の「篤姫」は、そんなシーンが多いですね。
やはり女性が主人公で、同性として心情的に理解できるところが多い所為でしょうか・・・
徳川幕府の将軍で、家定は印象が薄い人物です。
あ・・・、あくまでも私にとってはと言う事ですが。
暗愚で身体虚弱・・・という情報しか持っていませんでした。
だから、篤姫が輿入れしても、ただただ政治的意味合いばかりで、決して女性として、妻としての幸せは得られなかったんだと、思っていました。
まぁ、現実がどーだったかはわかりませんが、この作品を観ると、
”本当に家定が、あのような、”うつけ”を装っていたんじゃないか”
と思えますね。
いや、
”思いたい”
・・・と言うのが、本音。
そうじゃなきゃ、篤姫が余りにも哀れだと思うから・・・。
この時期、徳川の時代は円熟期を過ぎて、爛熟と言ってよい時代であったと思います。
もう、果実で言うと、熟しきって落ちる寸前・・・という状態。
それを、食い止めようとするのか、或いは、いっそのこと、落として新しい果実を実らせようとするのか・・・。
そんな困難な時代に、それも頂点である将軍と、その妻として生きなければならなかった二人。
普通の幸せは望めなかったんでしょうね。
輿入れ自体が、使命を帯びて・・・の事でしたし、もしかしたら、篤姫は”夫婦になる”と言うより”戦いに臨む”とでも言った方が近い感情だったんじゃないでしょうか。
それが、家定を知り、彼の”うつけの振り”を知り、彼の真の姿を見ているうちに、夫婦本来の感情が芽生えてきたのでしょう。
それは、彼女も女性として成長したという事です。
同じ事が、家定にも言えます。
うつけの振りをして、何事からも逃げてきたわけですが、篤姫と話をするうちに、自分の意見を言い、それを聞いてくれる相手が居ると言う幸せを知ったのです。
誰も信用できる人が居なかった、孤独な人生を彼女が変えてくれたのですから。
この二人の、お互いへの愛情が微笑ましく、それでいて切ないですねぇ。
「以前、生まれ変わったら鳥になりたいと言ったが、やっぱり、鳥はつまらない。私は私になりたいと思う。あなたに出会えたから。」
・・・と、家定が言います。
いやぁ~っ、ここで・・・ですわ。
それにしても、この作品の衣装、すっごく美しいですね
ただ豪華絢爛・・・というのじゃなく、それぞれに似合った衣装ですし
大奥に入った後、宮崎あおいさんの化粧が濃くなったのに、最初は慣れませんでしたが、今では、ま~ったく違和感無し
来週が待ち遠しいんですが、来週に限っては、号泣しそうで・・・