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今回は泣けましたね~ いやもう、悔し泣き、歯がゆさゆえの涙・・・等々。
民が試験場に入って来た時、まず拒否したのは、両班の受験生たち。追い出してくれ・・・とソンに迫りました。
この時、彼らを止めたのはべクサンでした。
平民を追いだしたいのなら、自分の知識、能力を示せ・・・と言ったのです。平民等に、学問は無理だと思い知らせろ・・・とね。べクサン自身も、その期待が大きかった・・・と言うより、そうすることがソンにも現実を受け入れさせる理由になると思ったのでしょう。
ソンは勿論、ウソプも父の言葉を嬉しそうに聞いていました。
試験が始まりました。
英祖は、この知らせを受けて激怒。すぐさま、ホン氏を呼び、兵をもって試験を中止させ、民を追い出せと命じたのです。
「では、世子様は?」
・・・とホン氏。彼にとっては、世子の事の方が大事ですからね。
それを一蹴し、とにかく試験は中止だと命令した英祖でした。
この一件は、老論派はもとより、少論派にも衝撃を与えました。
老論派は、世子が仕組んだ事に違いないと断定し、こうなったら、世子の座から降ろすしかないと息巻きました。
少論派のチョ・ジェホはこれで納得出来た事がありました。と言うのは、前日、イ・ジョンソンが自分の家を訪ねて来て、今生の別れを意味するような言葉を残して行ったからです。そして、何度も何度も若い世子を守ってくれと頼んでいたのです。
チョ・ジェホには、この時すでに今日の計画があって、ジョンソンは訪ねてきたのだと言葉の意味を理解したのです。
ホン氏が兵と共に試験場にやってきました。
門前にいた多くの民は、試験を中断させまいと、彼らに必死で縋りつき、門の中に入れないようにしました。
ジョンソンも、その場に居て、老体に鞭打って、兵を止めようとしたのです。が、跳ね飛ばされてしまいましたよ。
門の外の騒動は、中にも聞こえてきました。
平民たちは、動揺し、試験どころじゃなくなりました。
ソンは、彼らの前に出て言いました。
「集中しろ。何が起っても動揺するな。今日までの長く遠い道のりで自分が何を乗り越えて来たか、それだけを考えよ。このまま諦めて良いか、自分に問え。」
その言葉で、平民の受験生たちは冷静さを取り戻しました。
門の外には、ナ・チョルジュたちが触れて回った事で、民が大勢押し掛けていました。兵を止めようとした人たちです。
ジェゴンも駆け付け、ホン氏を説得。
このままでは暴動が起ってしまう・・・と。
ホン氏は、兵を止めました。
試験は無事終わり、結果の発表が行われました。
なんと、チャン内官の弟が首席で合格。イ・ダルソン他、平民からは合わせて4名が合格したのです。
両班からは、2名だけでした。
そして、めでたく平民4人に韓服が手渡されたのです。
英祖は、そこまで進んでしまった事に衝撃を受けました。
イ・ジョンソンを処罰し、平民から韓服を取り挙げろ・・・とソンに命じました。
そうしなければ、世子の座を取り上げる・・・と。
口ではそう言うけど、英祖も息子を守りたい気持ちが無いわけじゃないのです。全てをジョンソンの責任にし、ソンは仕方なくしたことだと言う事で事を収めたかったのです。なのに、ソンは、その親の気持ちが分からなくてね。
自分の思いを押し通そうとするばかりでした。
挙句の果てに、世子の座など要らない…なんて事まで口にしてしまいましたよ。
「世子の座などいらない。」
と、ソンが口にした時、英祖の目から一筋涙がこぼれたのが、ソンには見えなかったのかしら・・・。
すぐにジェゴンが英祖に会いに行き、ソンを説得してみせると言いました。
失敗した時は、自分の命を英祖に察し出す・・・とまで。
また、イ・ジョンソンは自らの足で牢に入り、ソンに自分を助けるつもりなら、自害して果てる・・・と伝えました。
英祖には、ソンの何が彼らをこうまで惹きつけるのか、分かりませんでした。
自分の命を捨ててまでソンを守ろうとするのが・・・。
そして、生粋の老論派のべクサンですら、ソンの意向を深く知ったら味方をするようになってしまったし・・・とね。
「世子には得体のしれない政治力がある。その正体は何なのだ。」
そう、英祖は呟きました。
自分とはまるで違う政治をしようとしているソン。これまで自分が築いてきた国がまともに引き継がれるのか不安でたまらない英祖なのです。
「そこまで不安に思うのなら、何故ジェゴンに説得を頼んだのですか?」
と、キム内官は聞きました。
「息子だから。」
しかし、最後まで考えを変えないと言うのなら、私は息子を捨てなければならない、国のために・・・と英祖。
「だが、今では無い。廃位するのは危険だ。」
それによって後継者争いが激化するのは容易に想像がつきましたからね。
ソンの元に、イ・ジョンソンの手紙が届きました。
このまま意を通そうとすれば、全てを失ってしまう・・・。これまでの努力が乱心者の奇行に終わってしまう・・・とね。
ジェゴンも、やってきました。
ジェゴンは、ソンが弟ならば、殴りつけてやる・・・と言い、率直な意見を述べました。
平民を登用するのには、時期尚早だ・・・と。
そして、この秘密の部屋を作り上げたソンの臣下たちは、命をかけていた筈だと。そんな彼らのためにも、一度引くべきで、将来王となった時、自分の思うままの治世を行う事こそが大事なのだ・・・と。
「屈辱にまみれても、今は生き残るべきです。」
ミン・べクサンが辞表を提出しました。
英祖から命じられたようですが、あっさりと提出しました。彼も、言われなくても出すつもりだったようです。
両班は平民より優れているべきだと言う信念を持っていたのに、それが揺らいでしまった・・・とべクサン。だから、退くべきだと。
ソンは、英祖の言葉に従うと返答しました。
イ・ジョンソンは、へき地に流刑となりました。
彼を涙ながらに見送ったソンを待っていたのは、合格した平民4人でした。皆、韓服を脱いで手に捧げ持っていました。
実は、ソンが世子の座を奪われるかもしれないと知ったチャン内官が、弟に頼みこんでいたのです。
勿論、平民の彼らだって、官吏として活躍したかったでしょう。
でも、その道を開いてくれた世子ソンが、座を奪われるような事になっては、元も子もありません。
ソンに、韓服を預かっていてもらおうと決めたのです。
いつか王になった日、また、採用してくれれば・・・と。そしたら、一生ソンに忠誠を尽くす・・・とね。
いやぁ・・・泣けましたよ、ほんと