レビュー一覧は、こちらから。
まさか・・・という空気が捜査陣を支配していました。
検察側の人間、それも、特任チームのメンバーでしたからね。犯人が捜査に加わっていたのですから・・・。
シモクも信じられない思いだったでしょう。信じたくないと言った方が正解かもしれません。
これまで、ユン課長は仕事のできる仲間としてチーム員全員の信頼を得て来ました。その人が殺人犯と言うのですから、ハン刑事であっても、呆然としてしまいました。
でも、ユン課長の部屋からは、殺人の証拠物件が次々と発見されたのです。動かしようの無い事実がそこにありました。
取調室で、ユン課長の前に座ったシモクは、しばらく言葉が出ませんでした。
何故殺したのですか・・・とまず、聞きました。
「殺すべき奴だからです。」
ユン課長は、動機を話しました。
彼の息子は、人災とも言える交通事故で亡くなっていました。まだ6歳でした。
整備不良等でパス会社や運転士の責任が問われるべきなのに、結果は、軽微な刑で処理されました。
その裏では、バス会社と安全性を無視した部品会社とをつなげるブローカーとしてパク・ムソンの存在がありました。公務員に賄賂を送り、事件を縮小させてもいました。
パク・ムソンの殺害には、濡れ衣を着せられる役のカン・ジンソプも、シモクも計画に含まれていたとユン課長は言いました。
ただ、カン・ジンソプの死は想定外だった・・・と。
キム・ガヨンはやはり見せしめで、殺すつもりは無かったようです。
目覚めた時、ガヨンの口から、接待を受けた人物の名前とかが明らかになる筈だからと。
全て一人で計画したのですか?・・・とシモクは問いました。
あまりにも綿密に計画、準備された犯行ですからね。
長い間、ずっと頭の中で考えて来たものだから・・・とユン課長は単独犯を主張しました。
パク・ムソンやキム・ガヨンについては、動機は明白でした。
ならば、ヨン検事は?・・・と聞くと、ヨン検事は自分の犯行ではないと否認。
その後、ユン課長は黙秘をし始めたのです。
殺してすっきりしましたか?・・・と最後にシモクが聞きました。
「心が空っぽでした、息子が死んでから。でも、恐怖が満たしてくれました。」
死んでいく者が自分を見る目、姿、血が・・・と。
だから、ヨン検事の両親には、娘の遺体を見せない方が良いと言ったのですね。忘れられなくなるから・・・。
ユン課長の供述から、事故当時の元検事長ぺ・サンウクに捜査が入る事になりました。
イ首席秘書官は、妻のヨンジェを娘の留学先に行かせる手配をしていました。
すぐに公職者の資産が公開されるので、しばらく韓国を離れた方が良いと言いました。
突然の話に、ヨンジェはすぐには納得しませんでしたが、夫の真剣な態度は自分を心から想ってくれていると信じられたので、受け入れました。
ヨンジェを空港で見送った後、イ首席秘書官は行動を開始しました。
ヨンジェに、財産の一部を財団に移す書類にサインさせ、処理しました。その他にもいろいろ動いています。全てイ・ユンボムには内緒で。
でもね、関係者は、皆、イ・ユンボムの方を重要視しているので、動きはすぐに報告されてしまうんです。
イ・ユンボムは、婿が何を考えているのか、分からなくなっていました。
ただ、愉快な話ではないと言う事だけは分かりました。
ソ検事は、ヨン検事が死んでから、至極真っ当な考え方に戻ったようです。
ちょこちょこ動いて秘密を探りだそうというのは変わりありませんが、検事としての正義を改めて意識するようになったようです。
表情から‘悪’の雰囲気が消えたように思います。
だからか、シモクもヨン検事が持って出たであろうイ・ユンボムの脱税データの話をしました。
そんな時、イルジェがやって来ました。ユン課長に会わせてほしいと言って。
でも、ユン課長は面会を拒否していました。
シモクは、データの内容を聞きました。
イルジェも、こうなった今、ようやく詳細を語ったのです。
イ・ユンボムが法律を悪用して、財産を子供たち名義に書き換える方法で脱税を繰り返してきたようです。
そのまま捜査が進めば、イ・ユンボムも娘のヨンジェも脱税の罪で拘束されるのは免れない状況でした。
そんな時、イ首席秘書官が、イルジェを訪ねて来て、何も言わずにただただ跪いて泣いたんだそうです。彼にとっては、イルジェを裏切るか妻を拘束するかの辛いニ者選択を迫られる事になったからです。
だから、イルジェはユン課長の後ろにイ・ユンボムがいるのではないかと思って、聞きたかったのです。
「ファン・シモクは韓国一信じられる検事です。任せましょう。」
ソ検事が、イルジェの手を取って言いました。
ソ検事から、こんな言葉が出るとはね。改心したものだわ
シモクは、空港でのユン課長の行動を監視カメラの映像で確認しました。
そして確信したのです。
ユン課長は、高跳びするために空港に行ったのではなく、誰かを探すために行ったのだ・・・と。
ヨン検事を殺し、ユン課長の仕業に見せかけ、高跳びしようとしている人物を捕まえに・・・。
でも、ユン課長は、それを認めません。
単独犯だと主張するばかりです。
シモクは、例の傘の男だと察しました。
そして、それは、イ・ユンボムの秘書ウ室長だと。
顔は、ソ検事が確認しました。
でもね、既に出国した後なんです。
シモクは、これまでわかった様々な事実を考え合わせ、ユン課長の後ろに居る人物を特定しました。
イ首席秘書官だ・・・と。
いよいよ最終話です。