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ハルモニの容体が急変しました。
緊急手術が行われました。
でも、意識が戻りません。
ハルモニは以前から、延命措置を拒否するよう意思表示していたようです。だから、意識がある一定期間戻らなければ、人工呼吸の装置を外すことになっていたのです。
ガンドゥは、突然の別れを突きつけられて混乱しました。
ハルモニの意思に関わらず、どんな方法を使ってでも生かせと主治医に叫びました。
呼吸器を外すなと暴れるガンドゥ。
職員に連れ出されても、暴れるガンドゥを、ムンスが抑え、ようやく静かになりました。
ガンドゥはハルモニに最期の挨拶をしました。
いつかあの世で会ったら、知らん顔せず、俺の事を叱ってくれ。俺を忘れるな・・・。
泣きながらハルモニの身体に触れ、思いを伝えました。
ハルモニは亡くなりました。
ガンドゥはお葬式が終わるまで一睡もせず、乗り切りました。
そして、その後、死んだように眠り続けたのです。
心配する周囲の者たち。
ムンスも、様子を見に来ましたが、そのまま眠らせてあげました。
ジュウォンはムンスに追悼公園の設計を任せました。慰霊碑も含めて。
資格も無いし・・・とムンスは怯みました。一人では荷が重すぎると思ったのです。
でも、ジュウォンは自分もフォローするからと言いました。
そして、犠牲者が設計した追悼公園だと会社側は発表するつもりだと言いました。ムンスの立場を利用するということですね。
遺族の反発を回避するためでもあるようです。
「負担だろう。でも、窮地に立つほど、良い結果が出る。」
と、ジュウォンは言ったのです。ガンドゥの言葉ですね。
ある日、ガンドゥの姿が消えました。
ムンスは心当たりの場所を探しましたが、見つかりません。
マリを訪ねて行ったムンスは、不安を訴えました。
が、マリは、そんな心配は無用だと言いました。ガンドゥはそんなに弱く無いと。
ムンスは待つ事にしました。
今、ガンドゥの傍にいたら、ガンドゥは悲しみや苦しみを我慢して強がってしまうから・・・とワンジンに言いました。
「今は悲しむ時よ。傷を癒すために。」
ガンドゥは、ハルモニの遺言を実行していたのです。
ハルモニは財産をガンドゥに残していました。仕事の後始末もガンドゥがするよう、詳細に書き残してあったのです。
それを、一つ一つこなしていくガンドゥ。
その中に、ジュウォンやムンスたちが関わっている事故現場跡の再開発の土地も含まれていました。地主だったんですね。
ハルモニの家に行ったガンドゥなんですが、中には入れませんでした。居なくなったことを嫌でも認めなくてはいけなくなりますからね。
そのまま家に帰ろうとしたら、途中でムンスを見かけました。
そっと後をついて行きました。
ムンスは食べ物をあれこれ買って、ガンドゥの家に行きました。ドアを開けず、電話をかけ始めたので、ガンドゥは自分にかけていると思い、携帯を取り出しました。
が、かけた相手はサンマンでした。
サンマンに買った物を渡し、そのまま帰って行きました。
それで分かりました。
サンマンやサンマンの母が準備してくれていた食べ物は、ムンスが買って届けてくれていたのだと。
会わずにいたけど、いつも自分の事を見守っていてくれたことを。
だけど、ガンドゥは意地になっていました。
ムンスと離れなくては・・・とね。
だから、持ってきてくれた食べ物を、掴んで、ムンスの後を追いました。
そして、突き返したのです。
「もう二度と来るな。」
ある日、ガンドゥがジュウォンの事務所にやって来ました。
追悼公園の計画を確認しに来たのです。
帰ろうとした時、ムンス前に立ちはだかりました。ガンドゥがいくら酷い言葉でムンスを拒絶しようと、ムンスは全く気にしませんでした。
この時も、偶然来たユジンと、さも約束があったように振る舞い、出て行ったのですが。
それが芝居だとムンスにはばればれ。
だって、目が笑ってなかったもの・・・とムンス。
この後、ユジンが、言うのです。こんなやり方じゃムンスさんを騙せないわ・・・と。
そしたら、ガンドゥが言いました。
こうでもしなきゃ、事務所から出て来れなかった・・・と。ムンスを連れ出すところだった・・・なんてね
そんなガンドゥを見て、ユジンは、言いました。魅力を自覚してないのも、あなたの魅力ねって。うんうん
ガンドゥはユテクと再開発地域の土地の売買の交渉をしました。
ハルモニが亡くなったことは知っていましたが、生前に誰かに譲渡したと聞いていましてね。新しい地主が誰なのか、ユテクたちはまだ知らなかったのです。
ガンドゥだと知って、悪縁だ・・・と思いました。
ガンドゥは、売買契約書を破り、再交渉したのです。
金額が問題ではありませんでした。追悼公園の計画に条件をつけたのでしょう。
ユテクはそれを受け入れなければ、莫大な損害が発生するのは目に見えています。条件を了承したのでしょうね。
ガンドゥは、ハルモニの遺言をほぼやり遂げました。
でも、まだ抜け殻のようです。
悲しみは彼の体を満たしたままでした。
「これからは人の目を気にしておじ気づかずに自分勝手に生きなさい。これは助言ではなく、命令よ。」
ハルモニは入院する前、ガンドゥにそう言いました。
ハルモニの店に座って、ぼんやりとしていたら、そこに次々とハルモニを慕っていた人たちがやって来ました。
ムンス、マリ、サンマン、そして、外国人労働者の男性。ジェヨンも・・・。
皆でハルモニの思い出話に興じました。
でも、ガンドゥだけは、何も語らず、ただ黙って座っているだけでした。ムンスはそれが気になりました。
ジェヨンは先輩医師から、ガンドゥの体調について気になる事を聞いていました。
一度、精密検査をした方がよいのでは?・・・と。
直接聞いても、何も話さないのは分かっているので、ムンスに聞きました。でも、ムンスも何も知りませんでした。
ただ、ハルモニから鎮痛剤を常用しているという事は聞いていたので、それをジェヨンに話しました。
飲んでいる薬を持ってきてほしい・・・とジェヨンは言いました。
崩落事故の話を兄にしないでほしい・・・とジェヨンはムンスに言いました。
遺体と数日間一緒にいたらしいから・・・と。それがムンスの恋人チェ・ソンジェだったんですね。
救出された時、ガンドゥは救急隊に、まだ人がいる・・・と告げました。生きている人のような言い方でした。助けてほしい・・・と。
でもね、既に亡くなって時間が経っていたのです。
だから、ガンドゥ、今でもソンジェの幻覚を見てしまっているのですね。
その夜、またガンドゥは苦しみました。幻覚なのか、痛みなのか・・・。
そして、ハルモニから渡された鎮痛剤を飲んだのです。
だけど、パニックは収まりません。
そこに、ムンスが戻って来ました。
どうしてもガンドゥが気になったからです。
「帰れ。」
と、ガンドゥは言いました。
でも、嫌だとムンスは拒否。
頭を撫でようとしたムンスの手を掴んだガンドゥ。
「俺は帰れと言った。今帰らないなら、二度と離さない。」
少しずつ崩落事故をはじめとした過去の出来事や感情が明らかになって来ます。
そう言う事があったから、このセリフなんだ・・・と、理解が進みます。
多分、現実はこうなんだろうと思わせてくれるスローな展開です。
だけど、決してまどろっこしくはなく、ドラマティックな設定ではあるけど、現実離れしてはいない。
その加減がとても私好みです。