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2019年。
麓ではいつもと変わらない穏やかな日常がありましたが、山の奥深く、山頂近くでは雨が降り出していたのです。
ヤン・グンタクたちとキム元所長たちを案内して渓谷にいたイルへは、危険を察知し、避難を大声で呼びかけました。
その直後、警報がけたたましく鳴り響いたのです。
渓谷や川で遊んでいた人たちは、警報と職員の指示で一斉に川から上がり、避難しました。
イガンも警報を聞き、急いで分所に戻ろうとしました。
ところが、途中の道でがけ崩れに遭い、引き返すしかありませんでした。
あちこちで取り残された登山客がいると言う報告がもたらされました。
現地本部には、レンジャー、警察、消防等が参集。
手分けして救助に向かいました。
イガンとヒョンジョは、ヤン・グンタクとキム元所長の救出に向かいました。がけ崩れに巻き込まれ、ヤン・グンタクが負傷、キム元所長と二人、取り残されてしまっていたのです。
救助に向かう途中で、ヒョンジョがイガンに言いました。
「被害者は皆1995年の水害と関係しています。犯人はあの水害と関係があるようです。心当たりはありますか?犯人が何故ここまでするのか。」
イガンの脳裏に、当時の事が浮かびました。
両親を失っただけでも相当な衝撃なのに、その死がもしかしたら自殺だったかもしれないと保険会社の人に言われた時、イガンはショックと同時に、罪悪感も感じたのかもしれません。
実は、イガンの父は、他人の借金の保証人になったせいで財産の全てを奪われてしまって、祖母の住む実家に戻って来たようです。
イガンは、突然学校や友人から切り離されて馴染みのないこの地に来るしかなかったわけです。
父に対して反発する原因がそこにありました。
そのせいで、両親は保険金目当てで自殺したのではないか、それで自分に対して遺言を残さなかったのではないか・・・そう考えたのかもしれません。
イガンがその事故に関して関わることを一切拒否するのは、大きな悲しみを思い出したくないのと共に、それを引き起こした自分への怒りもあるのかもしれません。
あの日山にいたのは、運が悪かっただけ・・・と、イガンはヒョンジョに言いました。
「今日も一緒よ。何が起こるかは予見できない。」
イガンとヒョンジョは、キム元所長とヤン・グンタクを発見。
ヤン・グンタクは折れた木で腹部を怪我していました。
ヒョンジョが背負い、キム元所長と共に下山。
イガンはもう一人の足を怪我した遭難者と共にその場に残る事になりました。急いで下山しなくてはヤン・グンタクの容体が危険になると言うので、慣れていない人には却って危険だとキム元所長が判断したのです。
イガンは、遭難者を洞窟に連れて行き、怪我の応急手当をしました。
その時になっても遭難者は、一刻も早く下山しなくちゃ命が危ないんじゃないかと、動揺しまくり。
その理由が分かりました。
なんと、その遭難者、1995年の水害の時、イガン両親が流された建物に一緒に避難していて、途中で出て行った一行の一人だったのです。
当時の自分の判断が正しかったから、今自分は生きているんだと言う意識があったのです。
イガンは、遭難者の話から、すぐに事情を察しました。
遭難者は、イガンの制止を振り切って、洞窟を出て行きました。
イガンは必死に後を追い、引き留めました。
「彼らは残ったから死んだんじゃありません。運の悪い選択をしただけです。」
それでも、遭難者は、イガンを突き飛ばし、行こうとしました。
イガンは転んで意識を失ってしまいました。
イガンの意識が戻った時、傍に居たのは遭難者でした。
イガンを洞窟まで運んでくれていたのです。
済みませんでした・・・と遭難者が謝りました。
と言うのは、イガンが指摘した通り、崖くずれが起こっていたのです。我を通して下山していたら、自分の命は無かったと分かったのです。
遭難者は、死ぬために山に来たと言いました。事業に失敗して家族も失ったと。
しかし、智異山に来て、また生きたいと思った・・・と言いました。
この遭難者、1995年の水害の時の大学生の1人だったのです。
当時の思い出話をしました。出会って話をした相手が、イガン父でした。イガンはそれに気づきました。
イガンの両親は、積石のところで一生懸命祈りを捧げていたようです。自分の失敗を告白し、家族さえ一緒なら立ち直れると言ったようです。おそらく自分自身に言い聞かせていたのでしょう。
イガンはやっと両親があの日山に行った理由を知ることが出来ました。
両親は、家族と一緒に立ち直ろうとしていたということです。
決して保険金を残すために死にに行ったんじゃないと言う事を、イガンはやっと確信出来ました。
生きて帰るつもりだから、遺言を残さなかったんだと分かりました。
他人にそう陰口をたたかれて反発しても、心のどこかで信じてしまう自分がいて・・・。イガンはそれが自分のせいかもしれないと言う罪悪感に苛まれ続けて来たのです。
だから、水害のことを忘れてしまいたかったのです。
でも忘れるなんてこと出来る筈ありません。
会いたい、お母さんとお父さんに会いたい・・・と初めて泣きました。
ヒョンジョは、そっと肩に手を乗せました。
グヨンたち一行が、助けを求めている女性を発見。宝くじを捜していた女性ヒウォンでした。
偶然、探していた宝くじを発見したのもつかの間、嵐で崖の上に孤立してしまったのです。
しかし、グヨンたちはその崖にたどり着く事は出来ない位置にいました。
その旨本部に連絡しました。
その時点で救助に割ける人員は残っていませんでした。
ヤンソンが名乗りを挙げました。
ずっと、グヨンに訓練してもらっていたからと。
チョ分所長は、迷った挙句、もう一人のレンジャーと共に救助に向かわせる決心をしたのです。
雨が止みました。
救助はほぼ終了しました。
イガン祖母たちが、活動をねぎらうために、食べ物を持ってやってきました。
ヒョンジョは、遭難者に1995年の水害の時の話を聞かせてくれと言いました。
しかし、彼の記憶は曖昧で、民間消防隊のメンバーに関しても、さほどの記憶は無さそうです。
争いとか、何か無かったかとヒョンジョが聞きましたが、生きるか死ぬかの状況だったので覚えていないと言いました。
ホントちょっと引っ掛かります。
ヤンソンたちは、ヒウォンを対岸に発見しました。
川の中州のような場所です。
ロープを銃で撃ち、木に結んで張り、それを伝わって救助しようとしました。
その様子は、無線で本部にも聞こえていました。
グヨンは、嬉しそうに聞いていました。
皆嬉しそうに、ヤンソンの初出動を聞いていました。
しかし、その直後、悲鳴が