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巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

自民党が道路特定財源を死守する理由

2008年02月02日 14時49分51秒 | 思考空間

 自民党にとって、ゼネコンや土木関係業者は強力な選挙マシンである。自民党の国政選挙でハチマキ姿で先頭を走っているオジサン達はゼネコン・土木関係者と思って間違いない。金、人、車あらゆるものが総動員され、ゼネコン・土木関係者は選挙一色モードになる。しかも、積み上げたノウハウを駆使し、統制がとれており、無駄が無い。選挙運動は重要な仕事なのだ。

 ゼネコンや土木業者を動かすには、十分な利益を与えることが重要であるから道路工事費用はとてつもなく高いものになる。どう考えても、3倍ぐらいのコストがかかっている。余分なコストがゼネコンや土木業者に入り、そして政治献金やパーティー券として政治家にバックされる。力ある政治家は強引に我が選挙区に道路を持ってくる。道路の経済効果は、工事が決まった後、官僚が鉛筆を舐め舐め作文するらしい。道路が必要かどうかは関係ない。自民党系の国会議員が当選するために必要なのだ

 広島の人間としては言いにくいことだが、尾道と今治を結ぶ「しまなみハイウエイ」は、田中派の新人議員が、田中角栄に尾道・今治ルートを頼みに行ったところ、田中角栄が扇子を仰ぎながら「よっしゃ、よっしゃ」と言い、決まったということだ。何で四国に3ルートの橋が必要なのかは理解不能だ。瀬戸大橋(坂出ルート)は当時、香川県出身の大平さんが首相だったことが影響していると思われる。私が首相だったら、明石ルートと佐田岬半島から九州宮崎に抜けるルートを結び、関西、四国、九州を結ぶ新幹線を通す。四国は九州東部を結ぶ拠点として、流通基地として飛躍的な発展を得たことであろう。

 ある国会議員候補を手弁当で応援したとき、最初は保守系ということで、派手な活気のある事務所となった。物量や人の動員がすごい。事務所には大きな酒だるや、様々な商品が運び込まれ、毎日のように応援団がバスでやって来る。食事が出る、酒が出るでどんちゃん騒ぎだった。ゼネコン・土木関係者がリードし支える。楽に当選した。次の機会は野党の立場だった。事務所はがらんとし、応援団も来ない。その差は歴然で、あえなく落選してしまった。話は飛ぶが公明党の力はものすごく、昨年、民主党が公明党に支えられた自民党を参院選で勝利したことは奇跡のようにも感じられる。

 これも私の経験だが、主な大手ゼネコンにさる市会議員候補への協力を依頼すると、どの企業も二つ返事で快諾してくれた。当日、受付に到着すると、車内に放送が流れる。「皆様、〇◆候補が来られたので、全員最上階の広間に集まってください」 勤務中に!案内に従って、最上階大広間に候補者と一緒に行くと、全員が広間いっぱいに直立して待機している。私語一つない。候補者はやや緊張気味に挨拶と演説をぶつ。そこに、実にタイムリーに拍手が入る。候補者は気持ちよく、引き上げることになる。あまりにもできすぎている。多分利害関係が一致しなければ、一票も入らないだろう。

 道路は自民党議員にとって大きな利権だ。自分が予算を分捕ってくるのだから、誰よりも早いし、確実な情報である。いち早く、親類や仲間が道路の開通する予定地および周辺を買占め、あるいは商売用の立地を進める。自らの名前を表に出さずに巨万の富を得ることができる。勿論、有力者や選挙民に対しても自分の手柄をアッピールできる。国土交通省には1142の天下り法人があるという。この、費用も莫大であり、天下りで懐にがっぽがっぽと大金を入れる官僚もいる。道路利権は文字通り、政管業の癒着の構造を象徴している。

 美味しい、美味しい道路財源を手放すわけにはいかない。だから、恥も外聞も無く、予算を確保する。社会人をやっているとこれらの実態も薄々は分かっているはずだが、分かっていて、貧乏な人までがこぞって自民党を応援してきた。全員が既得権のおこぼれにあずかりたいのか。日本というのは不思議な国だ。

 民主党の思惑通り、ガソリン税が下がるかどうかは予断を許さない。ガソリン代下げを旗印に掲げる作戦もどうかとは思うが、とりあえず、25円もガソリン代が下がるのは助かる。経済効果も期待できる。財源の問題があるのなら、目的のはっきりした税金を新たに考えるべきだろう。民主党が政権を取りたいなら、相手が小泉氏ではないのだから、下手な動きをせず清く正しくを徹底したら良い。

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