アメリカの予備選挙が盛り上がり、日本でも報道が熱を帯びてきた。次の大統領選では民主党が有利と予想され、その中でもヒラリーは前大統領ビルクリントンの支援、および豊富な組織力・資金力で有利とされ、同じ民主党候補で接線のオバマ氏を振り切るとの見方がある。対岸のこととて、我々は注意深く見守るしかないが、誰が大統領になるかは、日本にとって大きな問題である。
女性がアメリカの大統領になることは差し支えない。ただし、ヒラリーだけは絶対に勘弁してほしい。何しろ、夫の前大統領ビル・クリントンは、世界の工場を日本から中国にシフトさせただけでなく、日本を利用して自国の繁栄を図りつつ、同時に日本を叩いてきた張本人である。ビル・クリントンは中国をハイスピードで成長させるため、政府筋に圧力をかけて日本の製造業を中国に立地させた。日本の製造業という製造業が中国に工場を建てた。中国はありがとうと言っている。中国各地には笑顔のビルクリントンと一緒に撮影した中国人の写真がたくさん残っている。
グローバルな観点でもアメリカは世紀の大失敗をした。それは共産体制のままで中国の経済発展を強力に支援したことだ。中国は大気汚染をばら撒き、毒物商品を世界に輸出つしつつ経済成長を驀進している。その成長は連続で11%を上回るという、かつての日本を上回る驚異である。おそらく、その経済成長を上回る速度で軍事力の増強を進めており、軍事力増強に関しては闇の中だ。中国のミサイルは日本の全ての主要都市に向けてセットされているとも報道されている。中国は2013年にはGDPで日本を上回り、早晩アメリカのGDPを、加えてアメリカの軍事力をも上回るであろう。
ヒラリーは演説で、中国との協力関係を強調している。勿論日本という言葉は演説のどこにも出てこない。もし、ヒラリーが大統領になれば、アメリカは再び中国の経済成長を強力に支援し、日本は叩かれ孤立することになる。サブプライムローンの問題はアメリカのいかさま経済戦略が破たんしたことを示し、アメリカの凋落が現実のものとなっているが、ヒラリーの大統領就任は、さらにアメリカの凋落を決定的なものとし、それ以上に日本の没落を加速するであろう。