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巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

餃子への毒薬注入は簡単

2008年02月11日 15時33分03秒 | 思考空間

 中国の毒入り餃子の報道がそろそろ下火かと思っていたが、徳島生協で微量のジクロルボスが検出されたとの報道がまた大きく取り上げられ、決着がつくまではテレビの報道も続きそうな感じ。先週、包装の内部からジクロルボスが発見されたことから、中国クロ説が強まっている。実は、中国政府はとっくの昔に犯人を特定しているはずだが、発表するかどうか、発表するとしたらどのような内容にするかで相当悩んでいるはず。出来れば、うやむやに終わらせたい。しかし、日本側の検査結果により次々、新たな事実が突き付けられる。落とし所を模索している。

 私は、1990年代初めから機械の新規事業を立ち上げていたが、そのメインターゲットが食品業界だった。A社には、餃子焼きラインを納品した。餃子を作り、ロボットが餃子をつかみ、バッタ液をつけ、電気焼きラインに乗せ、焼きあげ、自動でトレーに移すという自動ラインだ。A社が製法特許を出願しており、A社以外で大量に自動で焼き上げるラインは無い。共同開発だったが、A社が製法特許を出すのであれば、当方が機械特許を出す意味がなかった。

 テレビを見ていても、関係者は喋っていない。何故ならば、下手に口を開けば、言い訳のように聞こえて消費者の不安心理を増すことになるからだ。私は、日本の製造工程で今回のような事件が起こるとは考えていない。まるで工場内の状況が異なる。中国天洋の工場内が何度か紹介された。一般の人から見ると、徹底した異物混入対策、安全対策が採用されているように見える。アルコール液による洗浄、帽子からブーツまでのきれいな作業服、エアーシャワールーム・・など。ところが、例えば、手作業が多すぎる、食品に触る人がフイルム手袋をしていない、部屋が狭くて暗いなど気になる点がある。

 もっと問題なのはテレビカメラが捕えていない管理システムだ。検視、検品、材料の検査・洗浄、人の出入り、人事管理が十分かどうか。日本国内では殆どが自動化されており、作業員の手が入るチャンスが極めて少ない、目視検査に加えて、サンプル調査、重量検査、画像処理による検査、1ミクロンオーダーの金属検知は当たり前で、包装のピンホール検査、エックス線監視(小さな石や爪など)も普及しつつある。(難しいのは髪の毛の検知) 日本食品メーカーの管理は厳重で徹底している。私の経験でも、商品に含まれていた金属粉とその原因を指摘され、参りましたとラインを一部作り直したこともあった。対象となる食品は、異物が有ろうが有るまいが、ロットが全て廃棄される。損害賠償にも応じた。

 前置きが長くなったが、もし従業員の中に悪意を抱く者がいて、計画を立て餃子製造ラインに毒物を混ぜることは、中国の管理体制ではそう難しい問題ではない。何故なら、上から下まで作業服を着、ポケットが無くても、中は自分の服である。例えば、原子炉に入るにはパンツ一枚になるが、そこまで徹底されていない。作業服の内部にしのばせ、取り出し、ちょっと関係者の注意をそらさせれば、毒や農薬を入れるチャンスはある。目立たない色の、細かい粉末、あるいは液体であれば、検視でも気付かれず、検知器にもひっかからない。しかし、日本国内でこのような犯罪行為を実施すれば、詳細な管理データがあり、たちどころに犯人が特定されてしまう。

 日本としては、ひたすら地道な調査分析で事実を重ね、誰が考えても納得せざるを得ない結論に導くべきだ。そして、食品は自国で製造する、あるいは自分で作るという本来の姿をち取り戻すべきであろう。

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