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巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

アメリカは広島長崎原爆投下で超大国となった

2009年02月15日 20時03分22秒 | 思考空間

 あらかじめ断わっておくが、日本にとってアメリカが今後も非常に重要な国であることにかわりなく、その認識が揺らぐことは無い。然しながら、歴史的事実として、一般市民を対象とした原爆投下は人類史上比類のない残虐行為であることは指摘しなければならない。アメリカには創造をベースにした強力なパワー、および勇気・おおらかさ・リーダーシップがある反面、いかさまや残虐行為を安易に実行できる悪魔の2面性が有る。 

 アメリカは第二次世界大戦中にいち早く原爆を開発したが、生身の人間を対象に実験し現実の力を証明する必要が有った。そのため、敗戦が決定的であったにも拘らず特攻隊や竹槍で徹底抗戦する日本は格好の実験場となった。終戦で広島に乗り込んだアメリカ軍が最優先したのは、被爆者の救済ではなく、被爆者の被爆影響に関するデータ収集だった。彼等は、大がかりな調査を行ったのだが被爆者救済を目的とした医薬品や手術機器などは持ち込まなかった。パールハーバーで騙しうちした日本人だから、助ける必要はないというのが彼等の主張である。

 アメリカは日本・ドイツ・イタリアを打ち負かしただけではない。広島長崎に原爆を投下し、核の威力と人体への影響を科学データとして取得し、核の大量所有による決定的な軍事的優位性を築いた。アメリカは軍事的優位性と経済力をバックに、ソビエトの軍事的挑戦、日本の経済的挑戦を退け、世界で唯一の超大国となった。

 1980年代の日本はバブルに狂喜し、勝ち誇り、カードローンで借金を続けるアメリカ人を冷笑した。しかし、この時点でもアメリカの経済力は世界NO1であり、世界に大量の軍事力を展開していた。アメリカはその巨大なパワーゆえに歴史を変えうるスイッチを持っていた。冷戦を終了させるスイッチ、世界の工場を日本から中国にシフトするスイッチなど。

 アメリカの優位は圧倒的で将来にわたって何者も脅かすことが無いように思われた。しかしながら、この圧倒的優位性も揺らぎつつある。それは、がむしゃらに経済成長を推進させ、ひたすらアメリカの後を追ってきた中国の存在である。

 日本はアメリカの逆鱗に触れてしまったが、中国はしたたかでアメリカを懐柔しながら、核保有、ミサイルや原子力潜水艦の製造と配備など、ひたすら軍事力を強化し、その軍事力をバックに経済成長を続けてきた。更にその驚異的な経済成長率以上に、軍事力を増強し、軍事と経済の相乗効果で比類なき発展を実現しつつある。軍事力のおかげで、共産体制下において世界の経済や技術を呼び込み、為替レートを固定させ、成長システムを安定化できる。そしてこのたび、6万トンの原子力空母を2隻建設することになったという。私の予想より早くその本性を現してきた。この原子力空母はアメリカに対抗するためである。

 かつて、アメリカは中国が台湾に軍事的な脅威を与えた時に、原子力空母を台湾海峡に通過させて中国をけん制した。今後はそうはいかない。アメリカの原子力空母が台湾海峡に現れると、対抗して中国の原子力空母が姿を現すことになる。さて、将来、中国がアメリカを経済でも軍事でも圧倒した時、どのように対抗するのであろうか?