宇宙・生命・日本 1000年後のあなたに語りかけたい

巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

オバマ大統領は絶対広島に来ない

2009年08月01日 10時01分55秒 | 思考空間

 20世紀、アメリカは重大な間違いをたくさん犯し、そのために、アメリカの衰退とトップ地位の中国への明け渡しは決定的なものとなっている。戦略面での最大のミスは、共産党体制下の中国を世界の工場とすることを決定し、日本を徹底的に利用したことだ。アメリカは日本政府に圧力をかけ、日本の製造企業の大半を中国に誘致させた。今や、中国はアメリカ国債の最大の保有国であり、中国の意思でアメリカの盛衰を決定できるようになった。

 そしていつの日か中国の経済力がアメリカを上回り、それ以上に中国の軍事力がアメリカを上回るようになる。中国は没落するアメリカに代わって世界を支配するのだ。

 原爆の投下はアメリカが世界一の軍事大国として君臨し、軍事力を背景に経済を拡大し軍事力を支えるための最高戦略だった。日本に投下された原子爆弾は20万人以上の民間人を中心とした罪のない人々の命を奪ったのであるが、本来の目的は表に出せない。表向きは、あくまでパールハーバーを急襲した日本を懲らしめるためだ。原子爆弾は日本の降伏を早め、軍事的な犠牲を最小限度にとどめたのだから、アメリカは正しかったとの主張がなされている。

 これらを裏付けるものとして、戦後広島に来たアメリカ関係者は医薬品を持ち込まず、原子爆弾投下の調査に終始した。つまり、アメリカから調査団が大挙して広島に来たが、被爆した人々を救済せず、原子爆弾の医学的影響力を生身の人間を通じて調査した。そのことにより核兵器を持つ軍事的な絶対優位を証明したのだ。かくして、アメリカは数1000発に及ぶ核爆弾を量産し、相手国に対して睨みをきかすことになった。

 オバマ大統領自身は広島に来たいと思っているかもしれない。広島に来て、「私は過去のわだかまりを捨てて今広島にきた。どうか世界中の人々よ、核軍縮を推進し、平和の世界を実現しようではないか」と宣言すれば良い。ところがアメリカの大統領が広島を訪れれば、慰霊碑の前で頭を下げることになる。これは、アメリカが間違いを認めたことになると考えるアメリカの実力者たちは多い。これでは、アメリカが築いてきた、あるいはアメリカを支えてきた自由主義理念、メンタリティーが崩壊してしまうと考えられている。

 アメリカは日本軍に対してではなく、民間人を大量殺傷することと、その破壊力や人体への影響を検証する目的で、原子爆弾を投下したのであって、20世紀のアメリカの最も大きな犯罪行為だ。日本がパールハーバーを突然攻撃し、騙しうちしたと言うが、日本をあれほど追いつめれば、日本が動くことは十分予想できたし、参戦して日本を叩きたかった当時のアメリカにとって、願ってもない、絶好のチャンスをアメリカに与えた。客観的に見て、パールハーバーは確かに騙し打ちで悪かったが、原爆はその10倍以上悪質である。

 アメリカ人も時間が経過し、冷静になればなるほど、自分達の過ちに気付くことになる。取り分け、ニューヨークの9.11以降は、自分達が被害者になることで被爆者の苦しみを共感した人々とも多かったに違いない。しかし、残念ながらオバマは少なくとも自らが大統領である間は、アメリカの正義を失わないために広島に来ることはできないのだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする