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巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

真珠湾攻撃は重大な戦略ミスだった

2009年08月14日 16時09分48秒 | 思考空間

 1941年当時、イギリスのウィンストン・チャーチルはドイツとの戦いで劣勢に立たされていたため、アメリカをこの戦争に参加させるべく、日独伊3国同盟の一翼日本に対してABCD(米、英、蘭、中)包囲網を敷くべく画策したらしい。実際には、アメリカから日米通商航海条約を破棄され、石油や鉄が輸入できなくなった日本が追い詰められ、先制したのが海軍による真珠湾攻撃であった。

 この間の海軍事情も複雑である。海軍はアメリカとの戦争反対であったにも拘らず、自ら率先したのは、開戦を強行しようとする陸軍の行動を許せば、海軍は陸軍との間で従属的関係になることを恐れたという。

 真珠湾攻撃は、真珠湾に似た鹿児島椀などの訓練など周到な準備のもとに実行された。真珠湾の奇襲成功せりの暗号「トラ・トラ・トラ」は映画のタイトルにもなった。日本中が沸きかえり、勝った勝ったと全国で提灯行列が繰り返されたという。日本海軍は真珠湾を基地に展開するアメリカ軍の艦船に壊滅的な打撃を与えたという。果たして、これは大成功だったのだろうか?

 私は、二つの意味で大失敗だったと考える。一つは、これをきっかけにアメリカの大反撃を受けたことだ。実は、アメリカの戦略家は厭世気分のアメリカ国民を立ち上がらさせるために日本の先制攻撃を期待していたが、まさしく期待通りの展開となった。しかも騙し打ちだから、ルーズベルトが国民に向かって「にっくきジャップを叩き潰せ」とセンセーショナルに焚きつけ、その炎はガソリンへの引火のように燃え上がったのだ。ニューヨークの9.11事件の時も、アメリカ人は「パールハーバーだ」と叫んだ。アメリカ人が日本人を憎しとするその根源がここにある。

 アメリカが日本軍の暗号解読で先制攻撃を事前に知っていたとする説は、何とも言えない。その可能性は高いが、それ以上に、奇襲攻撃した後に、大使館員が宣戦布告書を提出したことが、アメリカとの間で決して消えることのない不信感の溝を作った。先制攻撃の少なくとも1時間前には宣戦布告書を出すべきだった。一体、日本の武士道は、侍魂はどこに消えてしまったのか。欧米の人々は決して騙されたことを忘れない。それは日本人の想像を超えている。将来の日米の関係にも影を落としているのである。

 私が、最も真珠湾攻撃の間違いとして指摘したいのは、何故、単発的な攻撃で引き揚げてしまったのかだ。言ってみれば、ライオンの子供を殺したようなものだ。あるいは、無防備でスズメバチの巣を壊したようなものだ。その後の展開が予想できないようでは戦略とは呼べない。私が海軍のトップなら、陸軍をなんとか説得し、陸海軍共同のハワイ進駐を考える。空母や戦艦を叩く一方、陸軍が上陸作戦を進め、ハワイ全島を制圧する。そこで、軍隊のみならず市民を捕虜とすることが要である。

 当然のことながら、綿密な計画と訓練のもとに石油基地は無傷で入手する。機材を運び込み、滑走路を整備し、修理工場も建設する。その後、アメリカ軍やハワイ市民を盾に、アメリカ本土を攻撃する手を模索しつつ、アメリカと石油や鉄に関して交渉する。実際、ハワイをベースにアメリカ本土を攻撃しても良い。アメリカの神経はハワイ、およびハワイの日本軍に集中し、反撃は抑制され限定的となり、日本本土には向かない。当然原爆も投下されなかったであろう。そこで、アメリカ人が日本を憎むかと言えば、そうはならないだろうというのは私の予想だ。

 いいですか?アメリカ軍は日本市民のせん滅を目的とし、二つの原爆投下、各地の空襲を繰り返していますよ。東京空襲でも、あめあられの爆弾としょうい弾で、町が全て焼き払われ、子供を含む多くの一般市民が焼け死んだという。アメリカは決してお人好しで優しいだけではない、残虐で執拗な面を持っているのだ。

 今回、クリントン元大統領が、韓国系アメリカ人を取り戻すために、北朝鮮に渡ったが、決して北朝鮮憎しが全面に出たわけではない。行い自体は問題があっても、アメリカの考える論理で解決すれば、割り切っている。欧米人はこれまで騙しを含め血みどろの戦いの歴史を刻んできたのだ。日本のやってきたこと、日本人の言動がアメリカ人には理解できず、その事が、憎しみを増長させているのだ。

コメント
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