宇宙・生命・日本 1000年後のあなたに語りかけたい

巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

債権などの回収

2009年11月03日 18時48分55秒 | 思考空間

 理工系の人間には債権などの回収をどうするのか、まるで別世界の話だが、例えば、お金を返してもらいたい時には現実的な問題になる。今回、契約金を返済しない企業を提訴して、地裁(一審)で勝訴し、仮執行がついた。裁判で勝つことも大変、そこへ持ってきてお金の回収はさらに大変。

 被告は、有力地方自治体が設置を認めていない生ごみ処理機であることを告げずに売りつけようとし(公共企業が購入希望していたこともあり代理店契約)、建築基準法の問題もあったにも関わらず、解約に応じず、裁判せざるを得なくなった。被告の経営者は若いがよほど自信があり、乗り切れると思ったようだ。提訴する前に、会社がもぬけの殻になっていた。逃げ切れると思ったのだろう。しかし、いくつかの政府機関に訴えていたところから、そのルートで営業を引き継いだ新しい会社が見つかった。

 当方は元会社と新会社の2社を訴えた。裁判中に分かったのだが、何と、元会社の経営者は勝手に1000万円を引き出し、新会社の資本金としていた。そこで、元会社が新会社の経営者個人を提訴するという複雑なことになった。そちらはまだ裁判中。当方の裁判では、元会社と新会社が連帯して、当社に払えとの判決を下した。多分、新会社は、控訴するだろう。しかし、通常、2審でひっくり返る可能性は少ない。

 裁判は実に大変だった。相手方の管轄する裁判所で戦わなければばならない。(合意管轄)悪質で無茶な会社だから、自分に都合の良い嘘をどんどん並べてくる。当方の弁護士は、腰が引けてしまった。仕方ない、出張して、情報を集め、証拠を固め、有利な論理を組み立てる。相手が間違っているのだから、事実を究明するほど有利になる。決定的だったのは地方自治体の意見書。当方の主張を追認するような内容になった。しかも、絶対的で誰も覆しようがない。

 世の中には債権などの回収屋さんがいることを最近知った。これには金額や種類などに応じてレベルがある。債権回収企業とは実は銀行系で、最低金額が10億円だったりする。我々庶民には縁が無い。(書籍によると一般人向け銀行債権回収の企業もあるようだ。)次に弁護士、司法書士、業者が組んだグループ。最後に、ちょっと怪しげな業者である。

 裁判をやる前なら、回収屋さんも良いが、裁判をスタートさせたらまずは裁判に勝つこと。仮執行は、実は強制執行でもある。普通なら、弁護士に任せる。ところが、回収に強い弁護士は少ない。しかも、弁護士に回収を委託すれば、ものすごい金を取られる。結論として、自分でやることになった。

 債権「など」としたのは、強制執行できるのは、動産、不動産、債権があるからだ。一般的に動産、不動産は意味が無いとされる。動産は押えても保管料がかかり合わない場合が多い。不動産は普通は担保などで先に押さえられている。残るは債権だが、相手の銀行口座をどうして知るかは通常、かなり難物。

 調べた範囲では、回収は通常、ハードルが高すぎて、難しい。ほとんど泣き寝入り。特に、本当に相手が金を持っていない場合には、どうしようもない。回収の専門家によれば金が無い人間ほど強いものはないというわけだ。ところが、今回は被告企業が、今後も全国的にビジネスを展開しようとしているので、選択できる手段は多い。

 どの程度回収できるか、あるいは徒労に終わるかは全く見えないが、完全に締め上げることはできる。何故なら、強制執行の期間は10年間が与えられ、種類や回数の制限が無い。加えて、判決文がある。国家の力を借りて、強制執行ができ、信用第一のビジネスで、違法行為を取引相手に明確に示すことができるのだ。

 それにつけても、今回の裁判長、ならびに二人の裁判官には感謝せざるを得ない。非常に複雑な事件を理路整然と整理し、論理構成し、判決させて正義を守ったのだ。判決文は何と28ページになった。読んで感激する。ありがとうございました。