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巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

円安はアメリカの対中国 対韓国への対抗策

2013年04月29日 11時17分55秒 | 社会・経済

 1990年代からアメリカが日本を利用し叩く武器の一つとして為替を使ってきたことは分かっていた。何度も何度もこのブログでは繰り返し主張してきたが、世界規模での戦争を展開できない状況では経済は戦略そのものであり、その経済の最もコアな武器が為替なのだ。特に日本に絡んでは有効に機能してきた。

 為替は、実は経済力のある国が制御する。アメリカは戦略的に、あるいはその時の都合によって円高や円安に誘導してきた。日本にとって円高になれば円高の戦略、円安になれば円安の戦略が有り得たが、日本(=馬鹿官僚)は出来なかった。そのため、為替の変動に振り回され、富やノウハウを喪失してきた。その喪失分は主にアメリカ、次いで中国、韓国へ流れた。

 日本の打つべき手段として、例えば80円を割るような超円高では、200兆円ぐらいを用意して海外の資源や有力企業を一気に買収すれば良かった。これをやられたら、アメリカやヨーロッパはたまらない。今回のソフトバンクのスプリント買収(2兆円規模)が円安に向かうきっかけの一つになったと言われているほど。アメリカや中国なら自国通貨が上がれば絶対にやる。日本はやらない。

 一方で、アメリカはソフトバンクの買収を阻止するため様々な手を打ってきている。

 話は変わるが、フォルクスワーゲンが日本勢が優位なハイブリッドや電気自動車などが世界最大の市場で普及しないようあらゆる手を打ったとあからさまに発言している。為替は市場のニーズで決まるなどと、平気で言い放つ官僚はその存在自体が世界の負け組なのだ。

 現在、1ドルが97円から99円のレンジを行き来している。いずれ110円まであって、100~105円に戻るのかなと思うが、この円安は中国や韓国には打撃になっている。円安はアベノミクス効果と誰もが思っている。ところが、為替制御はアメリカが承認しないと実現しない。ヨーロッパが円安に異を唱えようとして黙った。これはアメリカの戦略に同意したためだ。

 円安は日本経済を活気づかせている。今後の株主総会で史上最高の利益獲得などが相次ぐ。アメリカが自民党政権に期待するのは、日本の経済浮揚と引き換えに尖閣諸島を自分で守ることだ。経済成長をバブルと言う官僚と日銀職員は全員、尖閣諸島の守備隊として島流し。

 また、円安は中国と韓国の経済を叩いている。あれほど中国好きだったアメリカが何故、対中国で方向変換したのか?それは、中国が軍事力をバックに経済を引き上げ(アメリカに干渉させず元をドルとペッグなど)、膨張した経済以上に軍事力を拡大し、やがてアメリカを凌駕する意図が明確になったためだ。中国寄りだったオバマが白人層の支持を失い、方針を変えざるを得なくなった。

 アメリカが中国人を好きだった要因は、日本人嫌いの裏返しと、中国人が2000年の歴史で得た(権力者を誑し込む)ノウハウを駆使したからだ。加えるならば、日本人の理解し難い精神構造や不明確な言動だろう。アメリカも中国も端的に言えばいかさまどうし。プロの世界でお互い騙しあう。意図も目的も分かりやすい。日本人はアマチュアで、何をしたいのか何を考えているのか分からない。

 韓国の李前大統領は歴史に残るビジネスマンだった。世界中どこにでも出かけ、自国のビジネスを優位に展開させた。彼が今後10年大統領を続けていたら、日本と韓国の経済的地位がひっくり返る恐れも有った。その顕著な例がサムソン電子。今でもサムソンは関東に拠点を置いてヘッドハンティングなど日本の技術を吸い上げている。おかげで、日本の全電気企業が束になっても勝てない巨大企業に成長した。

 そのサムソン電子がアップルなどを脅かし始めたのでアメリカの怒りを買っている。ウォン高と円安がアメリカの答え。

 日本を見てきたアメリカの白人リーダー層が、日本を理解し始めた可能性が有る。東日本大震災も一つのきっかけではあった。

 日本人をアマチュアと言い切る根拠は、その交渉下手。営業は交渉の最たるものだが、日本企業は優秀な人材を営業に回さなかったし、営業を軽視してきた。トヨタは今でも多くが自己満足型で、おらの村の自動車を製造している。良い自動車が売れるのは当たり前と、その昔、トヨタが日産やマツダ(技術を誇り、営業が弱かった)を笑っていたその構図が裏返しとなり、世界からトヨタが笑われる立場になった。

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