従来進化説・開始点の拠り所は、RNAワールド説だった。RNAワールドは科学雑誌だけでなく、様々な媒体を通じて紹介され、支持されてきた。最初にRNAワールドが無ければ、遺伝子の突然変異が進化を生むとするそもそもの始まりが成立しない。RNAワールドの後にタンパク質が生まれる物語だ。
ところが、RNAワールドが、自然界で生まれ、あるいは実験で確認されたという報告は聞いたことが無い。生化学の専門家である池原健二博士(GADV仮説提唱者)もRNAが自然界で発生し、また維持されるするのは難しいと仰っている。
僕は、原始海にタンパク質工場が出現し、タンパク質製造が容易になったとする仮説を発表したが、はやぶさ2が持ち帰ったサンプルで20種類のアミノ酸が発見された事は、更にMY仮説を強力に支援した。原始海に、アミノ酸が豊富に存在し、タンパク質工場でアミノ酸を原料とした各種タンパク質が安定的に製造供給されたのだ。
高度なタンパク質は電磁波により(特に磁波だろうね)、タンパク質間で、あるいは分子と疑似通信できる。これらの通信ネットワークが評価機能を生み、より有利な組み合わせやシステムを選択できるのである(今年度の電気学会で発表した)。従来説の言う自然選択は、要は自然現象であって、何ら機能を持たない。
タンパク質が記憶装置としてゲノムを選んだが、これも果たしてRNAが先か、DNAが先かは論理的に見て、今のところ何とも言えない。
進化の基本メカニズムは最初の細胞が生まれるプロセスで創られている。この創成期の進化に比べれば、その後、人間に至った進化は僅かな事だ。