土曜日の起き掛け、スイッチを入れると「佐和子の朝」に生物学者が出ていた。長沼毅?初めて見る顔。広島大学の生物学者らしい。生物の進化について語っていた。「生物は突然変異でランダムに進化する」。阿川佐和子は熱心に聞き入っていた。
実は、広島大学には、私の進化論について聞いてもらおうと、某助手を訪ねたことが有る。全く受け入れて貰えなかった。他の訪問先は慶応大学、広島市立大学など。生物研究者はどなたも教科書に書いてある通りの発言をする。長沼毅も一緒。
お聞きしたいのだが、もし、DNAがランダムに変化したらどうなるだろうか?一般の人には分かりにくいか。従来説ではDNAは設計図だ。DNAは常に宇宙線とか過酷な環境にさらされ傷ついたり変化している。
計算機解析の手法としてランダムシミュレーションが有る。例えば、DNAの場合、乱数を発生させ、乱数で生物のDNAの場所選択と変化を起こさせる。簡単なプログラムだが、このケースの結果はやらなくても見える。やればやるほど生命のDNAが壊れ無意味なタンパク質配列になってしまう。
生物学者は自分で計算機演算する機会が少なかったと思う。工学部ではこのような数値演算は常識だ。もっと分かりやすい例を示そう。
例えば、おもちゃ自動車の設計図のランダムな変化を考える。大雑把に①ボディー、②タイヤ、③駆動系が有る。ボディーの形が多少変化したぐらいだと影響のない場合も有る。ところが、タイヤや駆動系が少しでも変わったら大変だ。
タイヤのうちどれか一つの形や径が変わったらどうなるか。四角形や楕円になったら、一つだけ径が変わったら、走れないか、ひどいことになるだろうね。ギアやシャフトの一部が変化したら動かなくなる可能性大だ。
支障を起こさないような秩序ある変化ではないのか?タイヤの径が一つ変わると、全部のタイヤが同じ径になる?
動物の例:キリンは首が長くなったので血圧が人間の2倍以上になった。これに対してキリンの血管や心臓や組織がこの血圧に耐え、機能するように変化している。実はこのような変化(全体協調)はランダムとは言えない。
同時に、生物学者は獲得形質(経験から形や機能などが変化し遺伝する事)を否定している。私は獲得形質について、その一部を証明する証拠を電気学会で報告した。(何で電気学会か?遡ってブログを見てください)
明らかに生物は環境や目的に合わせて、創造的に進化しているのですよ。ランダムに変化して、強いものが生き残るとは確かに説得力があるが、もし、本当にランダムな変化が起きたら、進化の前に生体システムが壊れてしまう。
もし、長沼毅の言うように、生物がランダムに進化したと仮定しよう。地球にはランダムに発達した、とんでもない生物が存在するはずだが、全体を通して大変秩序あり継続的な進化を遂げていることが分かるのである。
タツノオトシゴには目が頭に二つついている。実は魚も、クジラも同様である。海の生物だけではない、カエルもトンボも鳥も人間も目が二つ頭についている。皮膚の一部が変化して出来た目が位置も一緒で、機能が連続的に向上し、人間に至っている。他の器官も同様だ。
ハード(身体)とソフト(体の動かし方)の関係についても触れておこう。ロボット(自分で動ける)でもそうだが、ハードだけでは動けない。動かすソフトが有るからこそ、動けるのであり、さらに言えば、これが私の進化論の核だが、評価するシステムが有る。
従来の進化論は設計図とハードの関係を述べているだけである。設計図さえあれば、体が出来て、動き始め、子孫を残し、いつか進化するらしい。少年・少女の夢物語のようでほのぼのとはしている。何となくピノキオを連想しますね。
ロボットのような単純なシステムでも、バランスだとか目標地点到達の判断だとか様々な評価システムが働いている。
様々な経験値やソフトが従来ジャンク(屑)と言われていたDNAに記録されているとするのが、これも私の仮説の一つ。設計部分のDNAは全体のわずか2%、これに対して残りの圧倒的多数が従来はジャンクと呼ばれていた。
生命体には変化をシミュレーションし、より良い変化(経験などに基づく)を選択できる評価システムが有るからこそ、創造的で、理にかなった、しかも発展を目指した一方向の進化が実現したのである。
◆◆本日、長沼毅准教授ご本人からコメントが届き驚きました。原文をそのままご紹介します。率直で温かい人との印象を受けます。お差し支えなければ、一度、お伺いし、意見交換させて頂ければ幸いです。
私が進化論を阻んでいるのでしたら、それは謝りますし、自分の誤りを正しますので、御教示ください。遺伝子の突然変異はランダムですが、それが表現型として発現される前に「個体発生」しない、つまり、生まれてこないこともありますし、たとえ生まれたとしても、後に環境圧による淘汰を受けることなどで、もともとランダムだったところに方向性が付けられてくる、というのが私の理解です。
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