ルイス・キャロル, トーべ・ヤンソン (イラスト), 穂村 弘 訳, 集英社 (2014/10)
Amazon の内容紹介*****
その姿を見た者は消えてしまうと言われている、怪物スナーク。
そのスナークを捕まえようと、船長ベルマンのもとに集まったのは、靴磨き、帽子屋、弁護士、ブローカー、ビリヤード・マーカー、パン屋、肉屋、
銀行家、そしてビーバー。真っ白な海図を持って出航した総勢9人と一匹だが・・・
噂が想像を増幅させ、極限の恐怖に支配される中で起こる驚愕の結末!?
謎の怪物スナークは、いたのか? いないのか?
「アリス」シリーズの作者ルイス・キャロルによる奇想天外な物語の世界にシンクロする絵を描いたのは、ムーミンでおなじみのトーベ・ヤンソン。
このノンセンスな冒険奇譚を、歌人・穂村弘ならではのスタイルで日本語に変換した『スナーク狩り』。その魅力的な一冊は、必見・必読! です。****
図書館で借用.
宮部みゆきの小説ではなく,そこから遡ったところにあるルイス・キャロルの長い長い連続四行詩.この本に魅力を感じたのは,キャロルだからではなく,トーベ・ヤンソンだからでもなく,翻訳が「ニューウェーブ短歌の旗手」穂村弘だったから.訳者としてのご苦労は縷々あとがきに書いてある.
「不思議の国のアリス」を初めて読んだときに,なに・これ!と思ったものだ.そしてこの本でもあの感覚を期待したが,そのとおりになった.
上の2葉の右のような「スナーク狩り」出版時のヘンリー・ホリディの挿画入りの河合 祥一郎訳版も新書館から出版されている (2007/7/24).Amazon では中身を垣間見ることができて,穂村訳と比較すると面白い.ホリディの挿画では care, hope が擬人化されている.美女は「希望」らしい.
また左は,トーペ・ヤンソンの描いた不思議の国のアリスのイラスト.正直言うと,ヤンソンは好みではないが,このアリスは可愛い.