立川談志,大和書房 (2006/03).
図書館で借用.
歌謡曲と流行歌手 (田端義夫,三橋美智也,春日八郎など) をネタにした与太話.著者 (1936-2011) とは まぁ同世代なので,曲も歌手もほとんど知っている.
小生はついこの間ジャズを題材にした市民講座を担当したばかりだが,題材が違うだけで,中身はこの談志本と似たようなものであった.
「歌謡曲に終わりが来るとは...」に続く3ページほどでは歌謡曲そのものの衰退を嘆き,「死んでいく,老けてくる,落ちていく」では人気歌手の老化と没落を嘆く.じつはこの本には 1990 年代以降の曲や歌手はほとんど登場しない.
著者は自認してはいないが,じぶんの感性が衰退し,新しい曲や歌手を受け入れることができなくなったという見方もできる.かくいう小生も 4 ビートのスタンダードにしがみついているので,談志のキモチはわかるつもり.
たしかに歌謡曲は今では NHK の「日本のうた」やのど自慢に生き残っているだけだ.しかしテレビにジャズの番組はないみたいだ.一方で大学にはジャズのサークルはあっても演歌研究会はないようだ...あるのに知らないだけかもしれないが.
落語家としての談志は好きではない.