Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

パルス列から連続音へ

2015-08-16 20:53:32 | 新音律


2年以上前の「パルスと連続音の間 - シュトックハウゼン」の続き.

音を一定時間鳴らし,一定時間休むことを一周期として,この周期を次第に短くして行く.周期が長ければ,われわれの耳にはもとの高さを持つ音のパルス列と聞こえる.しかし周期があるしきい値を超えて短くなると,連続音に聞こえる.パルス列の周波数が音の高さとして聞こえるはずだ.

256Hz の純音 (中央 C よりやや低い) をデューティ比 50% でオン・オフする.図のようにパルス周期を 1/2s, 1/4s, 1/8s と縮めていくと,周期が長いうちはたしかに 256Hz 音が断続的に聞こえるが,1/32s より短くなるあたりからブザー音に聞こえるようになり,周期 1/64s あたりから音程感が出てくる.しかしその高さは?

講演用に作った ppt だが,時間切れで使う機会がなかったので,Youtube にアップした.
なぜ最後に示したスペクトルが得られるかは,期末試験問題としては難しすぎるかな.レポートなら良いかも,



最初は実際の音楽演奏の時間軸を圧縮したら...と考え,申し訳ないけれどこの瀬川順子さんの「熊蜂の飛行」を,カラオケソフトを用い,ピッチはそのままにしてテンポを速めてみた.結果は説明に使うには要領を得ないものであった.物理現象として抽出するには,単周波数音を用いパルス列も周波数とデューティを一定にするなどの単純化が必要だ.
しかし面白さという点では,実演奏の早回しが勝る.ヒト様の演奏を加工するのは申し訳ないから,そのうち自分の演奏で遊んでみよう.ちなみにシュトックハウゼンの電子音楽では単周波数音に加え,ノイズも使っていた.

この動画では,最初のリムスキー・コルサコフのは8分音符を 8Hz 以上でたたいておられるようだ.
それはそれとして,ここでは後半のバンブル・ブギが面白い.瀬川順子&孟暁亮 中国マリンバフェスティバルin北京とのこと
ディズニーのアニメもあります
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花野に眠る 秋葉図書館の四季

2015-08-16 09:06:47 | 読書

森谷明子,東京創元社(2014/11).

図書館ミステリを図書館で借用.
登場人物に悪人なし,日常の謎もので,多少は知的満足も満たしたいと期待して,およそ満足された.やはり東京創元社である.
「穀雨」「芒種」「小暑」「白露」「寒露」という章立てで,一話完結を目指して書き始めたのかもしれないが,途中でそれは崩れる.最初のほうの伏線が「白露」「寒露」で活きる.初めはビブリア・ミステリみたいだが,数十年前の白骨死体が現れてから,横溝正史的・因果もの的転回を見せる.しかし全然おどろおどろしくない.

田舎が舞台だからおばあさんが何人も登場し,斜め読みをしていると混乱する.
図書館の新米司書の視点で語られ,彼女の先輩の男性司書が探偵役.しかしこの探偵の個性がイマイチはっきりしないのが不満.

エリノア・ファージョン著「町かどのジム」という児童書の,訳者がおなじふたつの版で挿画が違い,しかもどちらにもテキストには登場しない犬が描かれているのだそうだ (これ,ささやかだがネタバレである).優秀な司書さんは,そんなことにまで心を配るのだろうか.

巻末に「登場した本リスト」.
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reading

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