goo blog サービス終了のお知らせ 

Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

私の息子はサルだった

2016-10-04 08:19:34 | 読書
佐野洋子 新潮社 (2015/5).

衝撃のタイトルだが,中身は佐野洋子が,中学時代までの息子のことを書いた新発見原稿集.
たしかに,動物の観察日記のようでもある.母親から見た男の子とはそういうものなんだろう.

「あとがきのかわり」を書いている広瀬弦が,本にはケンとして登場する,その息子・当人らしい.
広瀬氏は「佐野洋子に頼むからもう自分のことは書かないでくれと怒った」のだそうだ.中学時代と推測する.
この発見された原稿はメモしたようなものではなく,原稿用紙に佐野洋子の字がひとつひとつ埋まっていて,「きっと誰かに読ませたかったのだ」.その内容は「僕 (=広瀬氏) の思い出に少しの大袈裟と嘘を勝手に散りばめている」.しかしこのあとがきのかわりは,「だけど何度か読んでいるうちに,僕から見た大袈裟と嘘が,彼女の中では全て真実なのかもしれない」と思い始めた...と続く.

タイトルもその息子さんがつけたのだろうか.読んでいると,そういう母もサルだったという気分にならないでもない.

広瀬氏は絵本作家.この本のカバーも広瀬氏によるものだ.本文には佐野洋子による,落書き風だがしょうしょう気味悪いイラストが多数.

Amazon による内容(「BOOK」データベースより)*****
私は疑いもなく子供を愛しているが、その愛が充分で、適切であるかどうか、うろたえる。誰が見てもいい子ではない。学校で一日五回も立たされる。ただ、大人になった時、愛する者を見守り、心に寄りそってやって欲しいと思う―。『シズコさん』で母を描いた著者は、子供のことも描いていた。感涙必至の物語エッセイ。*****

椎名誠の「岳物語」を思い出した.作家のこどももラクじゃないようだ.
図書館本.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

reading

/Users/ogataatsushi/Desktop/d291abed711d558e554bf7af66ee57d7.jpg