Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

図学すなわち画法幾何学

2019-04-23 09:46:21 | 科学
展覧会の絵で影の付け方がおかしいことが多い.おかしいのも芸術のうち,と言われればそれまでだが.

数学的におかしくない影の描き方は ?
かって大学で「図学」を履修した.正式には三次元画法幾何学というらしい.
当時の教科書が Amazon で1円だったので購入.ただし支払ったのは 301 円で,送料と Amazon の手数料だそうだ.汚い本だが文句は言えない.
奥付を見たら昭和 26 年刊行で,履修の10年近く前である.薄い本なのに定価 390 円はずいぶん高い.ネットによれば,そば・うどん1杯 15 円,コーヒー 30 円の時代であった.

sin, cos は使わず,もっぱら定規とコンパスで,ヘンテコな物体にあらぬ方向から光線が当たったときに,平面・局面にできる影を図示せよというような,パズル・頭の体操の連続であった.図はその一例.壺の上にできる影と壺が机 (のような平面) に作る影の作図である.

今ではこのような作図は計算機に全部やらせることができる.

大学最初の2年4学期のうちこの本の著者,幸田先生の担当は3学期までで,4学期目は工学部への進学者は実用的な JIS 製図の演習をうけることになったと思う.文字・数字の書き方や線の太さも細かく決まっている.ロットリングや烏口を用いる.紙を汚したり,少しでも掠れた線があったりすると,キ印すなわち汚いというしるしをつけて返却されるのだった.
こうした技術も努力も計算機の発達とともに消えてしまった.
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