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路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【株式】:NYダウ終値、162ドル高…3日連続で上昇

2019-01-18 06:34:30 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【株式】:NYダウ終値、162ドル高…3日連続で上昇

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【株式】:NYダウ終値、162ドル高…3日連続で上昇

 【ニューヨーク=有光裕】17日のニューヨーク株式市場で、ダウ平均株価(30種)の終値は3日連続で上昇し、前日比162・94ドル高の2万4370・10ドルだった。

 情報技術(IT)企業の銘柄が多いナスダック店頭市場の総合指数の終値は、49・77ポイント高の7084・46だった。

 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 経済 【金融・マーケット】  2019年01月18日  06:34:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【社説①】:勤労統計不正 及び腰は許されない

2019-01-18 06:10:55 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【社説①】:勤労統計不正 及び腰は許されない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:勤労統計不正 及び腰は許されない 

 毎月勤労統計の不正な調査問題に対応するため政府は新たな予算案を閣議決定する。予算の修正によるやり直しは異例だ。政府は事の重大性を認識すべきだ。及び腰の対応は許されない。

 本来受けられる雇用保険や労災保険の給付を受けられなかった人への未支給分の支給は、迅速に確実に実施すべきだ。同時になぜずさんな調査が長年放置されたのかの解明も安倍政権の責務なのは言うまでもない。

 問題は事務費やシステム改修に約二百億円が必要なことだ。労働者や企業が負担した保険料から新たに支払われることにならないか。この額で済むのか。本来は労働者の給付に充てる財源で、政府の不祥事の後始末に使われることは理解し難い。丁寧な説明を尽くすことは当然である。

 さらに、未支給分の給付も難題だ。延べ約二千万人の対象者のうち約一千万人の住所が把握できない。既に死亡した人もいるだろう。

 雇用保険の給付は失業している人や育児休業中の人などが受ける。労災保険の給付は仕事でけがや病気となり働けない人への支援だ。労災には障害を負った人や、労働者が亡くなった際に遺族に払われる年金もある。

 年金は一人当たり平均九万円が未支給だ。最も苦境に直面している人へこの仕打ちはないだろう。安倍晋三首相は働きやすい環境整備をすすめる「働き方改革」を掲げているが、そうなら逆行する。

 二〇〇七年に約五千万件もの年金記録の持ち主が分からない不祥事が発覚した際、首相は「最後の一人、最後の一円まで年金を支払う」と繰り返した。だが、持ち主が判明したのは約六割にとどまった。しかも、その解明費用に約四千億円が投じられた。今回も、この再来になるのではと危惧する。

 勤労統計不正への疑問も解消していない。誰が何のために始めたのか、昨年一月からなぜ手法を変えたのか、組織的な関与や隠蔽(いんぺい)はないのかなど全体像はなんら解明されていない。

 厚生労働省が特別監察委員会を設置したが、当事者の官庁に設置してどこまで独立性が保てるのか疑問が残る。年金記録問題の際、総務省に年金行政を監視する第三者委員会が設置された。今回も公的統計を管理する総務省に設置するやり方もあるのではないか。解明には国会の役割も大きい。

 菅義偉官房長官は法令違反との認識を示している。そうなら政権には責任ある対応を求める。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年01月18日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説②】:阪神大震災24年 ボランティアの継承を

2019-01-18 06:10:50 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【社説②】:阪神大震災24年 ボランティアの継承を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:阪神大震災24年 ボランティアの継承を 

 阪神大震災から二十四年。大勢の市民が現地入りして復旧を手伝い、震災が起きた一九九五年は「ボランティア元年」と呼ばれる。あれから四半世紀。継承が風化を防ぐことにもなる。

 「なぜ“阪神”がボランティア元年に?」には明確な答えは示されていない。家がつぶれ、炎が燃え盛り、高速道路がなぎ倒された現場や、肩寄せ合って立ち尽くす現地の人たちの画像や映像を見て自然に人を動かした側面はあるだろう。

 ボランティアには二種類ある。まず「個人」の立場で現地入りする人たち。昨年八月に山口県で行方不明の男児を救出した尾畠春夫さんは、その中でのスーパーボランティアといえる。二つ目は、医療や福祉などの専門知識を持った「団体」の人たち。

 九五年の阪神大震災では「個人」が中心だった。全国から一年間で延べ百三十七万人が神戸市などに入り、復旧に働いた。しかし、初めての大規模なボランティア受け入れに自治体が戸惑い、「統一的な窓口」はできなかった。

 この後、災害のたびに、自治体などは運営の経験を重ねていった。二〇〇四年の新潟県中越地震では、地元の社会福祉協議会が「個人」向けに「災害ボランティアセンター」を開設。〇七年の能登半島地震と新潟県中越沖地震には「個人」のほか「団体」の人たちも多数参加。多様化が進んだ。

 一一年の東日本大震災では、延べ五百五十万人が東北地方の現地で懸命に働いた。「災害ボランティアセンター」は各地に開設された。でも、被災地が広範なこともあって、専門性豊かな「団体」の組織を束ねる機能が弱く、支援に濃淡ができた。

 こうした反省から、専門知識を持つ「団体」同士がまとまり、連携を図る組織の準備が進んだ。全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD=ジェイボアード)がそれで、一六年の設立直前に発生した熊本地震で連携が実現。専門性を生かした支援を長期間行えた。正会員は二十四団体にのぼる。

 とはいえ、まだ課題は山積だ。三十年以内に南海トラフ地震は70~80%、首都直下地震は70%の確率で起きるとされている。人口密集地や、広い地域で大きな地震が起きた場合、ボランティアをどう機能させるか。十五~二十一日は、国が制定した「防災とボランティア週間」。進化を続けるボランティア活動への認識を深め、今後の課題を考える機会にもしたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年01月18日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【筆洗】:江戸幕府の老中、田沼意次(おきつぐ)は将軍の不興を買って失脚したのちに、

2019-01-18 06:10:45 | 【事件・未解決・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・オウム事件・旧統一教会を巡る事件他】

【筆洗】:江戸幕府の老中、田沼意次(おきつぐ)は将軍の不興を買って失脚したのちに、神仏にあてた「上奏文」を書いて、身の潔白を誓っている。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:江戸幕府の老中、田沼意次(おきつぐ)は将軍の不興を買って失脚したのちに、神仏にあてた「上奏文」を書いて、身の潔白を誓っている。

 <あえてご不審をこうむるべきこと、身に覚えなし>。藤田覚著『田沼意次』などに学んだ▼賄賂好きの腐敗政治家の代名詞として長く語られてきた。半面、悪評は後世の脚色であって、清廉な人物だったとする見方や研究がある。実像を描くには意次本人が書いたものが少ないそうだが、家名に関わる問題で評価が揺れると分かっていれば、神仏以外にも言葉を尽くしただろうか▼「捜査に全面協力することを通じて潔白を証明していく」。日本オリンピック委員会の竹田恒和(つねかず)会長である。東京五輪招致を巡り再燃した贈賄疑惑について先日、記者会見した。身の潔白を主張したのはいい。質問を受けず、約七分で切り上げたのはどういうことか▼潔白と言われても、説得力に欠けていよう。捜査は長期化する可能性もあるという。五輪本番まで一年半でのイメージダウンだ。フランス当局の捜査を考慮したそうだが、言葉を尽くし、疑問に答えるところではなかったか▼招致のために二億円超が海外の会社に支払われていて、一部に賄賂の疑いがあるらしい。その高額の意味も知りたい▼家名ならぬ日本の名誉に関わる問題である。不審が晴れず、悪評が残る中で開幕を迎える事態にならなければいい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2019年01月18日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【首相の一日】:1月17日(木)

2019-01-18 06:10:40 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・優生訴訟・年収「103万円」の壁】

【首相の一日】:1月17日(木)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【首相の一日】:1月17日(木) 

 【午前】9時17分、官邸。20分、石川正一郎拉致問題対策本部事務局長。41分、内閣府の山崎重孝事務次官、多田明弘、田和宏両政策統括官。10時1分、皇位継承に伴う一連の儀式の詳細を検討する式典委員会。25分、外務省の冨田浩司金融・世界経済に関する首脳会合担当大使、鈴木秀生地球規模課題審議官、飯田祐二経済産業省産業技術環境局長、森本英香環境事務次官。45分、山口泰明自民党組織運動本部長。59分、高橋憲一防衛事務次官。11時47分、茨城県つくば市の五十嵐立青市長、「筑波山梅まつり」関係者らの表敬。西村康稔官房副長官同席。

 【午後】1時45分、東京・春日の文京シビックセンター。大ホールで交通安全国民運動中央大会に出席し、あいさつ。2時53分、官邸。3時14分、河野太郎外相、谷内正太郎国家安全保障局長、外務省の秋葉剛男事務次官、森健良外務審議官、正木靖欧州局長。4時5分、谷内国家安全保障局長、外務省の秋葉事務次官、森外務審議官、正木欧州局長。40分、森、山崎和之両外務審議官、寺沢達也経済産業審議官。5時7分、リチャードソン米海軍作戦部長の表敬。43分、東京・二番町の表千家東京稽古場。昭恵夫人、母親の洋子さん、弟の岸信夫自民党衆院議員、斎藤十朗元参院議長らと共に「初釜」に出席。6時32分、東京・六本木の日本料理店「しゃぶ禅 六本木店」。俳優の中井貴一さんらと会食。9時57分、東京・富ケ谷の私邸。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2019年01月18日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:稀勢の里引退 綱の重みをかみしめる

2019-01-18 06:10:35 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【社説①】:稀勢の里引退 綱の重みをかみしめる

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:稀勢の里引退 綱の重みをかみしめる 

 大相撲の横綱稀勢の里が現役引退を決めた。二年前に十九年ぶりの日本出身横綱となり、期待を一身に集めたが、けがなどで横綱在位十二場所の短命に終わり、綱の重みをあらためて知らしめた。

 三十六勝三十六敗。横綱在位十二場所で、稀勢の里が残した記録だ。勝ち星、勝率(五割)とも、年六場所制となった一九五八年以降に昇進した横綱の中では最悪だった。

 先代師匠の元横綱隆の里(故人)は糖尿病に苦しみながら戦う姿に「おしん横綱」と名付けられ、ファンの心をつかんだ。その不屈の闘志を受け継ぎ、遅咲きの三十歳九カ月で横綱に上り詰めた。しかし先代師匠が在位十五場所で挙げた九十五勝に届かないまま、土俵を去ることになった。

 昇進が決まった二年前の初場所後、私たちは十九年ぶりに誕生した日本出身横綱に「横綱の重圧を楽しめ」と、本欄で期待を込めた。後戻りがきかず、力が衰えたら引退の二文字しかない横綱の重みは、背負った者にしか分からないといわれる。計り知れない責任感に押しつぶされることなく、思い切りのいい相撲で見る人に勇気を与えてほしいという、願いからだった。

 大関昇進後は綱取りにあと一歩まで迫りながら、平幕相手に何度も星を取りこぼした。「精神的に弱い」という声も聞こえ、本人ももがき苦しんだ。

 それでも苦悩の日々を送る中で気持ちの切り替えが大切であることなどを学び、頂点に上り詰めた。しかし、新横綱として逆転優勝を決めた二〇一七年春場所の十三日目に左上腕や左大胸筋のけがを負い、長引く後遺症から復活を果たすことはできなかった。

 一般的にスポーツ選手は、けがが原因で現役を退くことを最も後悔するという。けがさえ治れば、かつての力を発揮できると本人も周囲も思うからだ。稀勢の里も引退を決意するまでには、激しい葛藤があったことだろう。だが、黒星が重なる中で土俵にこれ以上立ち続けることは、横綱の立場としては許されなかった。

 絶大な人気があり、唯一の日本出身横綱の土俵での姿が見られない。寂しく感じる人は多いことだろう。

 ただ、今場所も貴景勝や御嶽海ら、新たな魅力ある力士たちが躍進し、土俵を盛り上げている。耐え抜いて横綱となった経験、苦い思いなどを後進に伝え、今後も大相撲を支えてもらいたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年01月17日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【社説②】:EU離脱案否決 民意を再度見定めたい

2019-01-18 06:10:30 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説②】:EU離脱案否決 民意を再度見定めたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:EU離脱案否決 民意を再度見定めたい 

 英下院は、政府と欧州連合(EU)との離脱合意案を大差で否決した。大きな混乱を招く「合意なき離脱」回避を最優先に、必要なら離脱期限を延長し、もう一度、民意を見定めてはどうか。

 十五日の採決では、離脱案への反対四百三十二票で、賛成二百二票に倍以上の差をつけた。

 離脱案は、かつて紛争があった英領北アイルランドと、地続きのEU加盟国アイルランドとの国境管理をどうするかが決まるまで、英国はEUの関税同盟にとどまる「安全策」を盛り込んだ。

 最大野党労働党の反対に加え、与党保守党内の強硬離脱派が「EUに永久に縛られる」と反発。EU側は「安全策は一時的」と強調する文書を出したが、議会の不信感を払拭(ふっしょく)することはできなかった。メイ英首相は二十一日までに今後の対応方針を示す。

 離脱期限は三月二十九日に迫る。EUと合意のないまま漂流すれば、EUの通関手続きや関税復活で、人の往来や物流は滞って医薬品や食料の供給など身近な生活にまで不安が広がり、約千社の日本企業の部品調達などもスムーズにはいかなくなる。

 ここまでこじれたのはそもそも、その前身時代も含め四十六年もの間加盟し一体化してきたEUから、短期間に離脱すること自体に無理があったからではないか。

 ここは「合意なき離脱」回避を最優先に考えるべきだろう。まずは離脱期限を延長し、議会でじっくり議論し直してはどうか。EU側も柔軟に対応してほしい。

 離脱の是非を問う二回目の国民投票を、メイ氏は「政治の清廉を取り返しがつかないほど傷つける」としてきっぱりと否定する。しかし、二年半前の投票時には予想できなかった離脱に伴う問題や困難が次々と明らかになっている。国民投票の「もろ刃の剣」に気付いた国民も多いはずだ。

 最新の世論調査では、残留支持46%、離脱支持39%、残りが未定などだった。ブレア元首相は昨年末、「他の方法が尽くされたのなら、再投票こそ論理的だ。(EUと)三十カ月交渉しても危機の渦中にいる。再投票すべき本当の理由だ」と訴えた。EU司法裁判所は、英国が離脱方針を一方的に撤回できる、との判断を示している。

 熟議の結果、合意が得られれば、再度の国民投票を視野に入れてもいいのではないか。議会制民主主義のお手本の国として、最良の道を見せてほしい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年01月17日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【筆洗】:古今集にある春の歌である。<ことならば咲かずやはあらぬ桜花(さくらばな)

2019-01-18 06:10:25 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【筆洗】:古今集にある春の歌である。<ことならば咲かずやはあらぬ桜花(さくらばな)見る我(われ)さへに静心(しづごころ)なし>紀貫之。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:古今集にある春の歌である。<ことならば咲かずやはあらぬ桜花(さくらばな)見る我(われ)さへに静心(しづごころ)なし>紀貫之。

 散ってしまうなら、いっそ咲かなければいいのに、なまじ咲くから心が乱れるではないか▼花の盛りの美しさと散る寂しさは、いつの世も表裏一体であろう。遅咲きの鮮やかな大輪で、人を大いに楽しませ、その見事な咲き方ゆえに、散る切なさを多くの人の心にもたらした。そんな横綱ではなかったか。稀勢の里関が昨日、引退を表明した▼二年前の興奮が忘れられない。十九年ぶりの日本出身の横綱誕生である。正攻法の取り口もいちずさを感じさせる土俵への向き合い方も、待ち望んできた横綱の姿に思えた▼周囲が寄せる期待と自身の使命感の大きさは、おそらく短命に終わった理由の一つだろう。角界の顔に、けがをした体をじっくり回復させるだけの余裕はなかったはずだ。横綱にならなければ、長く相撲を取る道もあっただろう▼休場明けで、もがき苦しむ姿は、決して美しくはなかったが、切なくも懸命なところ。この人らしい散り際を思わせた▼天皇賜杯が忘れられないと話した。他の競技にも賜杯はあるが、優勝して「抱く」と言うのは大相撲の力士だけだろう。太い腕とたっぷりした胸、優しさがにじむ顔立ち。抱く姿がもっとも似合った力士ではないか。その強さ、切なくも奮闘した姿とともに忘れられない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2019年01月17日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【首相の一日】:1月16日(水)

2019-01-18 06:10:20 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・優生訴訟・年収「103万円」の壁】

【首相の一日】:1月16日(水)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【首相の一日】:1月16日(水) 

 【午前】9時55分、皇居。歌会始の儀に出席。

 【午後】0時7分、官邸。1時24分、吉田博美自民党参院幹事長。2時5分、鈴木宗男元衆院議員。30分、森喜朗日本ラグビー協会名誉会長、嶋津昭2019年ラグビーワールドカップ日本大会組織委員会事務総長。3時12分、谷内正太郎国家安全保障局長、北村滋内閣情報官、鈴木哲外務省総合外交政策局長、河野克俊防衛省統合幕僚長。37分、河野太郎外相、谷内国家安全保障局長、外務省の秋葉剛男事務次官、森健良外務審議官、正木靖欧州局長。4時45分、麻生太郎副総理兼財務相、財務省の岡本薫明事務次官、可部哲生理財局長。5時13分、麻生副総理兼財務相。33分、連合の神津里季生会長、逢見直人会長代行、相原康伸事務局長。衛藤晟一首相補佐官、森英介自民党労政局長同席。6時53分、東京・池之端の中国料理店「東天紅 上野本店」。秘書官と食事。8時23分、東京・上野公園の上野の森美術館。「フェルメール展」を視察。57分、報道各社のインタビュー。9時27分、東京・富ケ谷の私邸。

 <メモ> 首相は鈴木宗男元衆院議員との面会で、プーチン・ロシア大統領との会談を前に、北方領土問題を含む平和条約締結交渉について「今年が大事な時期だ。スピード感を持ってやらなくてはいけない」と述べました。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2019年01月17日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:①NHK予算 事業効率化に手を尽くしたか

2019-01-18 06:05:55 | 【新聞社・報道・テレビ・ラジオ・NHKの功罪・マスコミ・雑誌・著作権】

【社説】:①NHK予算 事業効率化に手を尽くしたか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:①NHK予算 事業効率化に手を尽くしたか 

 質の高い番組を提供しつつ、公共放送として一定の節度を守ることが重要だ。事業効率化の徹底が欠かせない。 

 NHKは、2019年度の収支予算と事業計画を石田総務相に提出した。

 収入の大半を占める受信料収入は、前年度比36億円増の7032億円を見込む。支出が7277億円と149億円増えることから、9年ぶりの赤字予算となった。

 支出増は、参院選や統一地方選を控え、報道取材費が16%増えて過去最高の245億円になるのが大きい。高精細の4K・8K衛星放送の制作費も膨らんだ。

 NHKは、業務全般を見直して経費削減に努めたと主張している。視聴者の理解を得るには、さらなる業務改革が必要になる。

 今回注目されたのは、インターネット活用業務の予算だ。

 本業はあくまで放送であり、ネット業務はその補完にすぎない。このため、費用は「受信料収入の2・5%を上限とする」と定められている。際限のない規模拡大を防ぐ狙いがある。

 ネット業務の19年度予算は169億円で、受信料収入の2・4%に収めたが、安心はできない。

 NHKは、番組を放送と同時にネットに流す「常時同時配信」の実現を目指している。その意向を踏まえ、総務省は放送法改正案を通常国会に提出する予定だ。

 今回の予算には、常時同時配信の費用は含まれていない。19年度中に実現しても上限を守る、とNHKは説明している。

 しかし、常時同時配信が本格的に始まる20年度は2・5%を超える可能性が高まろう。

 NHKは視聴者から徴収する受信料収入で支えられている。上限がなし崩し的に引き上げられれば、肥大化が加速しかねない。現行の上限を維持すべきである。

 災害や大きなニュースについては番組の同時配信が認められている。常時同時配信に切り替える必要性がどれほどあるのか、NHKは丁寧に説明してもらいたい。

 現行の受信料制度との整合性も課題になる。テレビを保有しない世帯から受信料を徴収するのかを含めて、検討が急がれる。

 ネット事業の会計区分を放送事業とは明確に分けて、経理の透明化を図っていくことも大切だ。

 NHKは、今年10月の消費増税時には受信料を据え置き、20年10月から2・5%引き下げる。

 視聴者に対する負担軽減策がこれで十分なのか。不断に検討することが求められる。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年01月18日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説】:②稀勢の里引退 惜しまれる横綱昇進後のけが

2019-01-18 06:05:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【社説】:②稀勢の里引退 惜しまれる横綱昇進後のけが

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:②稀勢の里引退 惜しまれる横綱昇進後のけが 

 多くのファンから愛された日本人横綱が、力を存分に発揮できないまま土俵を去った。惜しまれる引退である。 

 大相撲の横綱稀勢の里が、現役生活を終えた。初場所で初日から3連敗を喫した。不戦敗を除いて8連敗という横綱のワースト記録となり、決断した。

 先場所後、横綱審議委員会からは、奮起を促す異例の「激励」決議を受けていた。進退を懸けた今場所では、結果を残すしか、現役続行の道はなかった。

 横綱の重みを考えれば、引退はやむを得まい。稀勢の里は記者会見で、「私の土俵人生、一片の悔いもありません。やり切った気持ち」と振り返った。

 一昨年の春場所中の大けがが、結果として引退を早めた。新横綱として逆転優勝を果たしたものの、左胸周辺を痛め、得意の左からの攻めが困難になった。翌場所から、4度の全休を含む8場所連続の休場を余儀なくされた。

 万全でない状態で出場しては、途中休場を繰り返す。土俵に上がらねばという責任感が、かえって力士生命を縮めたのではないか。完治してから出場していればもっと活躍できたのではと、残念に思うファンも多いだろう。

 19年ぶりに誕生した日本出身の横綱として、角界を盛り上げた功績はたたえたい。

 15歳で初土俵を踏んだ後、17歳で十両昇進、18歳で新入幕を果たすなど素質は折り紙付きだった。猛稽古をこなし、ひたむきに相撲に取り組む姿勢は、好感を持たれた。小細工をしない真っ向勝負の取り口も人気を博した。

 大一番で勝てないという精神的な脆もろさを克服し、30歳でようやく横綱に昇進した。優勝は2回にとどまるが、幾つもの記憶に残る対戦を繰り広げた。

 前頭筆頭で横綱白鵬の連勝記録を63で止めた一番などは、今後も語り継がれよう。

 稀勢の里の引退により、大相撲は再び、日本人横綱不在の時代を迎える。モンゴル出身の白鵬、鶴竜の両横綱はともに33歳で、全盛期を過ぎたとの声も聞かれる。

 高安、貴景勝、御嶽海といった力士が台頭してきたのは、明るい話題だ。若い世代は一層精進し、場所を活気づけてほしい。

 大相撲は昨年、元横綱の貴乃花親方の退職や元幕内力士の暴力事件など残念な出来事が続いた。それでも高い人気を保っている。

 ファンの期待を裏切らぬ充実した土俵を見せ、「国技」をしっかりと担っていってもらいたい。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年01月18日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【社説】:①EU離脱案否決 英議会は超党派で代案を探れ

2019-01-18 06:05:45 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説】:①EU離脱案否決 英議会は超党派で代案を探れ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:①EU離脱案否決 英議会は超党派で代案を探れ 

 英国の欧州連合(EU)離脱の行方がさらに不透明になったと言えよう。「合意なき離脱」を回避するため、英議会は超党派で打開策を探らなければならない。 

 離脱条件などを定めたEUとの協定案が、英下院で否決された。賛成202、反対432で230票もの差がつき、英歴代政権でも記録的な大敗となった。

 野党の反対に加え、与党・保守党からも、所属議員の4割弱という大量の造反票が出た。党内は、強硬離脱派、穏健離脱派、EU残留派の三つに分かれ、強硬派と残留派が反対した。

 与党の分裂に有効な手を打てなかったメイ首相の責任は重い。

 昨年12月の採決を延期し、世論を味方に付けて反対議員を翻意させるという戦術は、功を奏さなかった。「協定案が否決されれば、合意なき離脱か離脱の撤回になる」という発言も、「脅している」との反発を招くだけだった。

 メイ氏は否決後の声明で、与野党の幹部と協議し、21日までに代替案を提示する考えを表明した。求心力の低下がここまで露呈したなかで、指導力を発揮し、過半数の支持を得る案をまとめられるのか。疑問を抱かざるを得ない。

 メイ政権とEUが合意した協定案は、3月29日の離脱後も「移行期間」を設け、2020年末まで現状の通商関係を維持する。

 その間に、懸案となっている英領北アイルランドとアイルランドの国境管理問題について、解決を図るという内容だ。

 強硬離脱派は、協定案では英国の主権を完全に回復できない、との主張を変えていない。最大野党の労働党は、離脱の具体策を示さないまま、「メイ降ろし」による総選挙と政権交代を目指す。

 与野党ともに党利党略を排し、事態の打開へ動くべきだ。「合意なき離脱」を容認する議員が少数派である以上、妥協の余地はあるのではないか。

 EUとの一体性を保つ、より穏健な離脱案で残留派を取り込むことや、離脱の是非を問う国民投票の再実施が軸となろう。英EU双方を混乱させ、世界経済に悪影響を及ぼす「合意なき離脱」を回避することが重要だ。

 EUの執行機関・欧州委員会のユンカー委員長は、協定案が最善との立場を強調し、残された時間はほとんどないと警告した。

 英国は、EU側に3月29日の離脱の延期を求めることも視野に入れ、早急に対処方針を決定しなければならない。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年01月17日  06:11:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【社説】:②阪神大震災24年 次代の脅威に教訓を生かそう

2019-01-18 06:05:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【社説】:②阪神大震災24年 次代の脅威に教訓を生かそう

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:②阪神大震災24年 次代の脅威に教訓を生かそう 

 2度の大震災に見舞われた平成の教訓を次代に継承せねばならない。 

 東日本大震災とともに災害史に刻まれる阪神大震災から17日で24年がたった。6434人が犠牲になった経験は現在につながる災害対策のベースになっている。

 阪神大震災では、初動対応が批判された。首相官邸が具体的な被害を把握したのは、発生約6時間後だった。兵庫県は災害対応に追われて他の自治体からの応援を断り、知事による自衛隊の派遣要請まで4時間以上を要した。

 この反省から、官邸に危機管理センターが設置され、市区町村の相互応援も定着した。震災は、国や自治体に危機管理体制の整備を促す契機になったと言えよう。

 自衛隊への派遣要請も東日本大震災では発生6分後になった。

 迅速に被災地へ駆けつけ、多くの命を救うには、正確な情報が必要だ。平時から自治体や警察と連携を深めておかねばならない。

 行政による「公助」だけではなく、自らの手で自分を守る「自助」や、地域住民が助け合う「共助」の重要性にも気付かされた。

 住民が参画し、被災後の街づくりを前もって考える「事前復興」に取り組む地域が出てきた。速やかな復興を図る狙いがあり、国も昨年7月に指針を策定した。

 徳島県美波町の由岐湾内地区では住民が主体となり、復興計画を作った。南海トラフ巨大地震による津波に備え、「住宅の高台移転」を進める方針を盛り込んだ。

 あらかじめ復興の青写真を描くことは、災害に強い街づくりにもつながる。事前復興の取り組みをさらに広げていきたい。

 災害は昨年も相次ぎ、西日本豪雨では、住民に避難を促す難しさが改めて浮き彫りになった。

 中央防災会議は住民が取るべき行動を5段階に分け、避難のタイミングを明確化する報告書をまとめた。気象庁や自治体から多くの警報や勧告が出されたが、緊急性が分かりにくく、避難の判断に戸惑った人も多かったためだ。

 災害時に発信される情報の意味について、住民に日頃から周知しておくことが大切となる。

 読売新聞社の世論調査は、平成に起きた変化の中で社会に与えた影響が大きいものを複数回答で尋ねた。「東日本大震災や阪神大震災など相次ぐ大災害」が82%と最多で、災害に対する国民の意識の高まりを示唆している。

 こうした状況を生かして、不断に災害対策を見直し、将来の脅威に備えていくべきだ。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年01月17日  06:09:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【社説】:①北方領土 不法占拠の事実を歪めるな

2019-01-18 06:05:35 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【社説】:①北方領土 不法占拠の事実を歪めるな

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:①北方領土 不法占拠の事実を歪めるな 

 平和条約交渉の難しさを改めて浮き彫りにしたと言えよう。政府は揺さぶりに動じず、確固とした戦略に基づいて協議を進める必要がある。 

 日露外相会談がモスクワで開かれた。安倍首相とロシアのプーチン大統領が、河野、ラブロフ両外相を平和条約交渉の責任者に指名してから、初の協議だ。

 歯舞群島、色丹島の2島引き渡しを明記した日ソ共同宣言を「基礎」として交渉を加速する、というのが首脳間の合意である。両外相はこれを尊重し、着実に前進を図らねばならない。

 だが、ロシア側の交渉に臨む姿勢は、甚だ疑問である。

 ラブロフ氏は会談後、記者団に「第2次世界大戦の結果を日本が認めなければ、他の問題へ前進することは困難だ」と述べた。北方4島は合法的なロシア領であると認めるよう、求めたものだ。

 第2次大戦末期、旧ソ連は日ソ中立条約を一方的に破って参戦した。その後、4島を不法に占拠した。歴史的事実を歪ゆがめるロシア側の主張は受け入れられない。

 ラブロフ氏は、共同宣言の履行を怠ったのは日本だ、とも主張した。日米安全保障条約の改定に反発し、「領土問題は解決済み」と変節したのは、ソ連である。

 河野氏は会談後、「日本の考えは明確に伝えた」と述べたが、会談内容の詳細は控えた。

 不当な主張には、毅然きぜんと反論することが大切だ。政府には、領土問題に関する正確な史実を内外に説明することが求められる。

 ラブロフ氏の発言には、交渉を優位に運ぶ狙いがあるのだろうが、過去の経緯を巡る議論を続けることは、不毛ではないか。

 両外相は平和条約に関し、島の返還の進め方や周辺海域の扱い、ロシア住民の処遇など、多岐にわたる課題について詰める必要がある。真摯しんしに協議し、一致点を見いださなければならない。

 日露両政府は近年、経済協力を深めつつある。

 日本はロシアの石油・天然ガスの開発計画に参画した。ロシアの産業振興を図るとともに、日本の安定的なエネルギー資源の確保につなげる意義は大きい。

 両国は企業の投資や事業活動を活発にするため、租税条約を改正し、課税の減免を実現した。

 欧米の制裁でロシア経済は低迷している。日本との経済関係の進展を望んでいよう。

 政府は、多面的に協力を積み重ね、領土問題解決の環境を整備することが重要である。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年01月16日  06:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【社説】:②五輪招致疑惑 説明尽くしイメージの挽回を

2019-01-18 06:05:30 | 【事件・未解決・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・オウム事件・旧統一教会を巡る事件他】

【社説】:②五輪招致疑惑 説明尽くしイメージの挽回を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:②五輪招致疑惑 説明尽くしイメージの挽回を 

 2020年東京五輪のイメージが損なわれた。極めて残念である。 

 東京五輪招致に絡む不正送金疑惑に関し、招致委員会理事長だった竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長が記者会見を行った。竹田氏は「疑うべき事情はない」と疑惑を全面否定した。

 この問題は16年、仏検察当局が捜査開始を公表して明らかになった。東京開催が決まる13年9月を挟んで、招致委がシンガポールのコンサルタント会社に2回にわたって支払った計2億3000万円が賄賂に当たると疑われた。

 竹田氏は、賄賂の支払いを許可したという疑いを持たれ、仏司法当局が昨年末、起訴に向けた「予審手続き」に入った。

 この時期に仏当局が予審を始めた理由は明らかではない。

 JOCは、16年に「国際オリンピック委員会(IOC)倫理規定への違反や違法性はなかった」とする調査報告書を公表済みだ。

 とはいえ、五輪招致に関する疑惑が払拭ふっしょくされていない以上、丁寧な事情説明が必要となる。

 相場よりかなり高いとされる、2億円余の支払いは適正だったのか。コンサル会社は、それに見合うどんな活動をしたのか。こうした疑問点について、16年の調査報告書は説明が不十分だった。より明確な回答が求められよう。

 それにもかかわらず、竹田氏の会見は、質問を受け付けず、書面を読み上げるだけで終わった。捜査中で詳細を語りにくい事情はあるにせよ、可能な限り質疑に応じるべきだったのではないか。

 招致を巡っては、02年のソルトレークシティー冬季五輪で買収疑惑が生じ、招致都市はIOC委員への接触が困難になった。

 招致活動の制約が厳しくなった結果、情報収集などを担うコンサルタントの有用性が増した。このため、彼らなしでは十分な招致活動ができない面もある。

 こうした実態も含め、竹田氏ら招致関係者は今後、情報開示に努めるべきだ。東京五輪に向けた盛り上がりに、疑惑が水を差すことがあってはなるまい。

 五輪開催は来年に迫っている。JOCが今回の疑惑への対応に手間取って、準備に支障をきたすような事態は避けねばならない。

 バッハIOC会長は昨年11月の来日時、「まだ2年前なのに、大会が成功する要素が全て備わっている」と日本の取り組みを評価した。JOCは大会組織委員会などとの連携を深め、五輪の成功に向けた体制作りに邁進まいしんすべきだ。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年01月16日  06:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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