路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①】:五輪贈賄疑惑 招致のあり方問い直せ

2019-01-16 06:10:50 | 【事件・未解決・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・オウム事件・旧統一教会を巡る事件他】

【社説①】:五輪贈賄疑惑 招致のあり方問い直せ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:五輪贈賄疑惑 招致のあり方問い直せ 

 日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が、二〇二〇年東京五輪・パラリンピック招致に絡む贈賄疑惑をあらためて否定した。説明はもちろん、招致のあり方にも一石を投じている。

 フランス当局が捜査を続ける一連の疑惑は、五輪・パラリンピック招致のあり方自体が問われる問題と考えた方が、いいのではなかろうか。

 JOCの竹田会長は十五日の会見でも、自身が理事長を務めていた東京五輪招致委員会が一三年にシンガポールのコンサルタント会社ブラックタイディングス(BT)社に支払った計百八十万ユーロ(約二億二千万円)について、適切なコンサルタントの対価であったことを主張し、贈賄を否定した。

 その経緯についてはJOCもいま一度、しっかり調査するべきだ。ただ、それほど高価なコンサルタント料を許容してしまう招致のシステムにも問題はある。

 BT社にコンサルタントを依頼した経緯について、一六年五月の衆院予算委員会で当時の馳浩文部科学相は「コンサル業務に関しては、招致委員会のメンバーはプロではありませんので」として、大手広告代理店からの勧めがあって決めたと答弁している。

 一六年五輪・パラリンピックで開催地に立候補しながらリオデジャネイロに敗れた招致委は、今回の招致活動にも約八十九億円の経費を費やした。それを再び無駄にすることが許されない状況下で、高額を払ってでも推薦されたBT社に委ねることを決めたと受け取れる。

 国際オリンピック委員会(IOC)は、IOC委員の五輪・パラリンピック立候補都市への自由な訪問や個別接触を、買収などの不正につながるとして禁止している。そのことがIOC委員とつながりを持つコンサルタントの需要増加につながり、高額なコンサルタント料が動く図式になったのだとすれば、皮肉なことだ。

 五輪・パラリンピックのたびに贈収賄疑惑が浮上する現状を鑑みれば、IOC委員の投票で開催地を決定する現在の方法に限界があることは否定できない。

 公開性を高めるため、開催地にふさわしい都市であるかを各条件ごとにポイントをつけ、その総合点で決めるなどの方法もある。そのような、密室性を差し挟む余地がないようなシステムの構築を検討した方がいいのではなかろうか。一考を促したい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年01月16日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:梅原猛さん死去 「反戦の知」受け継いで

2019-01-16 06:10:40 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【社説②】:梅原猛さん死去 「反戦の知」受け継いで

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:梅原猛さん死去 「反戦の知」受け継いで 

 哲学者の梅原猛さんが私たちにのこした大きなものの一つは「反戦の知」ではなかったか。歴史や文学、宗教などを統合して築いた「梅原日本学」の根底にあったのは、生きることを尊ぶことだ。

 十二日、肺炎のため亡くなった。九十三歳。

 戦時中、動員の工場で空襲に遭うなど強烈な戦争体験を持つ。戦後は西洋哲学を軸に研究生活に入るが「自分自身の生きるよすがにならない」と感じ、人に生きる希望を与える「笑いの哲学」の創造を発意。「ノートを手に演芸場に通う学者」として有名になった。

 法隆寺が聖徳太子の鎮魂を目的に建てられたとする「隠された十字架」など古代三部作で「梅原日本学」とされる学風を確立した。

 従来の学説を根本から否定する刺激的な論考。実証性が問われ、時に「神がかり」とも批判されたが「神がかりになる、すなわちインスピレーションに導かれて書かれないような作品はろくなものではない」と反論。本紙に四半世紀にわたり執筆した随筆「思うままに」の最終回(二〇一七年十二月)でも、独創的な哲学の確立を志す心境をつづった。

 同時代に向けて盛んに発言し、行動した。国際日本文化研究センターの創設や「ものつくり大学」の開学に貢献する一方、長良川河口堰(かこうぜき)の建設や名古屋・藤前干潟の埋め立て、諫早湾の潮受け堤防の閉め切りなど、自然環境に影響を及ぼす事業を厳しく批判。脳死に関しては、人間の死として認めない論陣を張るなど、伝統的な死生観に即した視座を保ち続けた。

 原発についても「思うままに」では一九九〇年代から「危険であるばかりか、その廃棄物は少なくとも今の科学の発展段階では、現在及び未来の人類の生存に対して脅威」と何度も廃止を説いた。

 特筆されるのは二〇〇四年、護憲の立場から「九条の会」設立の呼びかけ人になったこと。人や動物だけではなく、植物や鉱物にも仏性が宿るという思想を尊ぶ立場から、生命を問答無用で奪う戦争には終生を通じて反対した。

 「日本人のほとんど全部が戦争を始めることに賛成しても、最後まで反対する人間の一人が私であることは間違いない」(「思うままに」〇三年四月)

 他国の脅威を口実に「戦争のできる国づくり」が進む今、この知の巨人が身をもって訴え続けた反戦と生命尊重の思想を、次の時代へしっかり受け継ぎたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年01月16日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:「寒いだろうなあ」。吹雪の中に姿を消した脱走兵の身の上を心配する・・・

2019-01-16 06:10:30 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【筆洗】:「寒いだろうなあ」。吹雪の中に姿を消した脱走兵の身の上を心配する女の短いせりふ。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:「寒いだろうなあ」。吹雪の中に姿を消した脱走兵の身の上を心配する女の短いせりふ。

 だが、その女優が口にすると本物の吹雪に巻き込まれたようなぞっとする効果があった。「私はしばらくあっけにとられてしまったものである」▼一九六四年、作家の安部公房は一人の女優についてそう書いた。「彼女は自分で光りだす。ぼうっと妖しく内側から乳色の光をあふれさせる、不思議な発光体なのだ」。乳色の光が遠ざかっていく。その女優、市原悦子さんが亡くなった。八十二歳。振り払おうとしても見る者の心にとどまる強い役者であった▼独特な声や口調を思い出し、「寒いだろうなあ」と頭の中で再生してみる。横なぐりの吹雪が浮かんでくるのである▼演じることについてこう書いている。「悪人と善人というのはない。人には美しい瞬間と醜い瞬間があるだけだ」。人を悪人か善人かで割り切らない。人は両方を抱え生きている。その複雑さと悲しさを意識していた。だから、その演技は深く、人間の臭いがした▼こだわりの人でもある。井上ひさしさんの台本が遅れに遅れた。初日は明日。「最後までどういう筋かわからないのにどう演(や)るんですか。一週間稽古がなかったらやりません」▼井上さんの初日を一週間延期させた女優はこの人だけという。才に加えた研究と稽古。それが「発光体」の正体だったのだろう。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2019年01月16日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【私設・論説室から】:羽生さんの挑戦を見たい

2019-01-16 06:10:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【私設・論説室から】:羽生さんの挑戦を見たい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【私設・論説室から】:羽生さんの挑戦を見たい 

 古い例えで恐縮だが、記憶に残る野球選手と言えば長嶋茂雄さん。記録なら王貞治さん。では、将棋界で羽生善治さんと言うと、この偉大な二人を合わせたような存在ではないだろうか。

 記録の方は言うまでもない。史上最多のタイトル九十九期に永世七冠。しかし、ファンの脳裏に刻まれた記憶も随一だろう。

 「NHK杯戦史上に残る大逆転」。加藤一二三(ひふみ)元名人がこう解説した対局を、偶然テレビで見ていた。二〇〇七年秋。必敗の局面から一瞬で流れを変え、加藤さんが「あれ、あれ、あれれ? おかしいですよ。ひゃー、ぴったり詰んでる!」。「ひゃー」という奇声が全視聴者の驚きを代弁していた。

 ヘボ将棋の分際で気が引けるが、この人の指し手でこんなドラマが起きる。世に言う「羽生マジック」。プロをも興奮させる妙手はどこから生まれるのか。羽生さんが著書などで繰り返し語るのが、未知の場面でリスクを恐れず、挑戦することの大切さだ。

 「自分自身を守りたいとか、大事にしたいという気持ちも大切ですが(中略)できるだけ、そういう思いを頭の中から取り払うようにしていました」(朝日新聞出版「将棋から学んできたこと」)

 二十七年ぶりの無冠を、ご本人はさほど気にしていないかもしれない。文字通り「挑戦者」となる今後が楽しみだ。 (臼井康兆)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【私設・論説室から】  2019年01月16日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【首相の一日】:1月15日(火)

2019-01-16 06:10:10 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【首相の一日】:1月15日(火)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【首相の一日】:1月15日(火) 

 【午前】9時15分、自民党本部。31分、同党役員会。57分、官邸。10時4分、閣議。11時13分、藤村和広駐キューバ大使、松田邦紀駐パキスタン大使らの新任のあいさつ。49分、粟井理菜しまね観光大使らから松江市大根島産ボタンの贈呈。

 【午後】0時2分、細田博之自民党細田派会長。10分、政府与党連絡会議。2時3分、河内隆前内閣府事務次官。33分、河井克行自民党総裁外交特別補佐。3時39分、鈴木英敬三重県知事。4時13分、谷内正太郎国家安全保障局長、北村滋内閣情報官。20分、北村内閣情報官。49分、谷内国家安全保障局長、秋葉剛男外務事務次官。5時10分、金杉憲治外務省アジア大洋州局長加わる。30分、根本匠厚生労働相、古谷一之官房副長官補、太田充財務省主計局長、厚労省の鈴木俊彦事務次官、宮川晃厚労審議官。58分、法務省の辻裕教、黒川弘務新旧事務次官、川原隆司、小山太士新旧官房長。6時、稲田朋美自民党筆頭副幹事長。45分、東京・宇田川町の焼き肉店「ゆうじ」。長谷川栄一首相補佐官、大石吉彦警察庁次期警備局長、秘書官と食事。10時15分、東京・富ケ谷の私邸。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2019年01月16日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【01月16日 今日は?】:新しい皇室典範が公布

2019-01-16 00:01:30 | 【皇室・天皇・褒章・皇后・皇太子・元号・宮家・皇室財産・皇族の戦争責任】...

【01月16日 今日は?】:新しい皇室典範が公布

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【01月16日 今日は?】:新しい皇室典範が公布

 ■1月16日=今日はどんな日  

  イラク復興支援特措法に基づく陸自先遣隊約30人がサマワ出発(2004)

 ◆出来事

  ▼皇位継承や皇族の範囲を定めた新しい皇室典範が公布。憲法とともに5月3日施行(1947)▼5人が死亡した天竜川の川下り船事故で元船頭主任ら3人に有罪判決(2017)

 ◆誕生日

  ▼池上季実子(59年=女優)▼ダンディ坂野(67年=タレント)▼木下隆行(72年=TKO)▼宮前真樹(73年=タレント)▼重岡謙作(77年=ラフ・コントロール)▼大岩永徳(78年=俳優)▼賀集利樹(79年=俳優)▼松下恵(81年=女優)   

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2019年01月16日  00:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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