【天風録・11.21】:深夜のサイクリング
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・11.21】:深夜のサイクリング
中国の内陸部河南省の若者に、深夜のサイクリングが大流行している。発端は大学生グループ。夜中に約50キロ離れた都市に自転車で行き、スープ入り肉まんを食べて帰る様子を6月にSNSへ投稿すると、まねる人が相次いだ
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▲今月は10万人規模の参加者が、4車線を埋め尽くす日も。本紙セレクトに載った写真は、イベントを楽しむようで、一風変わったデモにも見える。政府には目障りだろう。当局が主要道路の自転車通行を禁じた理由は、安全の確保だけではあるまい
▲夜更けの遠出には不思議な魅力がある。日常のしがらみからの解放感に、異世界のような高揚感。若者は胸のもやもやを吐き出す機会を求めているようだ
▲中国の若者は2年前、息詰まるコロナ対策に白い紙を掲げて抗議した。受験や就職の競争に嫌気が差し、無気力になる「寝そべり族」も広がる。一人っ子政策で大事に育てられた世代だ。激しい暴動は起こさないだろうが、募る不満は抑え切れない
▲サイクリングが規制されても、新たなはけ口を求める動きは続くはず。そのたび政府が締め付けるさまが目に浮かぶ。決して人ごとではない。若者が不満をため込む状況は、わが国も変わらない。
元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】 2024年11月21日 07:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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