【公正取引委員会】:日産が下請けに減額を強要、勧告へ…部品30社以上で計30億円
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【公正取引委員会】:日産が下請けに減額を強要、勧告へ…部品30社以上で計30億円
自動車部品を製造する下請け業者への納入代金を一方的に引き下げたとして、公正取引委員会が近く、日産自動車(横浜市)に対して下請法違反(減額の禁止)を認定し、再発防止などを求める勧告を行う方針を固めたことがわかった。違法な減額は過去数年間で30社以上に対して計約30億円に上り、1956年の下請法施行以来、最高額になる見通し。日産は違反を認め、業者側に減額分を支払ったという。
政府は現在、物価高に対応し、経済の好循環を生み出すため、サプライチェーン(供給網)全体でコスト上昇分の価格転嫁を進める方向性を打ち出している。こうした中、公取委も大企業と下請け業者との取引が適正に行われているか、監視を強めていた。
関係者によると、日産は遅くとも数年前から、タイヤホイールなどの部品を製造する30社以上の下請け業者に納入代金を支払う際、事前に取り決めた金額から支払い分を数%減らしていた。減額率は日産側が一方的に決め、10億円超を減額された業者もあったという。
日産は前年度の納入価格を基に減額割合の目標値を設定し、目標の達成状況もチェックしていたとされる。コストダウンによる収益の向上が目的だったとみられ、不当な減額は数十年にわたって続いていた可能性もある。業者側は取引の打ち切りを恐れ、減額を拒否できなかったという。
日産は取材に「事実関係の詳細を確認中だ」としている。
下請法は発注時に決定した納入代金について、不良品の製造や納品の遅れなど下請け業者側に原因がある場合を除き、決定後に減額することを禁じている。下請法違反が認定された過去の減額の最高額は、2012年9月に勧告を受けた日本生活協同組合連合会の計約25億6330万円だった。
公取委は近年、下請け業者との取引を巡って、年間7000~8000件の指導を行うとともに数件の勧告を実施。22年12月には、下請け業者と協議せずに取引価格を据え置くなどの不適切な事例があったとして、13の企業や団体の公表にも踏み切っており、「『下請けいじめ』には厳正に対処する」としていた。
元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社会 【話題・公正取引委員会・日産自動車(横浜市)に対して下請法違反(減額の禁止)を認定】 2024年03月02日 05:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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