【政界地獄耳・12.19】:トランプの理屈がまかり通れば世論調査はフェイク扱いになりかねない
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・12.19】:トランプの理屈がまかり通れば世論調査はフェイク扱いになりかねない
★次期米大統領、ドナルド・トランプが多用するSNS「トゥルース・ソーシャル」は、トランプ自身が設立した「トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ」のひとつで、21年1月6日に起きた支持者による連邦議会議事堂襲撃事件の後、フェイスブック、今は蜜月のX(旧ツイッター)、ユーチューブがトランプのアカウントを凍結してからこちらを使っている。ここでは投稿することをトゥルース(Truths)と呼ぶ。「真実」という印象も与えられる。トゥルースで多用されるワードがある。「私の語る真実は隠されている」「主流メディアは私たちを操作している」「フェイクニュースだ」。
★まさに兵庫県知事選挙で同様のことが起こり放送倫理・番組向上機構(BPO)には「前知事ひとりを集中的に批判していて公平性を欠いていると感じる。個人攻撃、ネガティブキャンペーンのように見える」「マスコミ各社の報道とネットのサイトやSNS上の情報との隔たりが大きすぎて、何を信じたらいいのか分からなくなってしまう」という声が寄せられたという。各メディアの報道によれば16日、先月の大統領選挙で投票日の直前に民主党のハリス候補がトランプを3ポイントリードしたという世論調査の結果を報じた中西部アイオワ州の有力紙「デモイン・レジスター」、同紙の親会社「ガネット」、著名な世論調査員のアン・セルザーに対し「選挙妨害だ」「選挙干渉に当たる」、調査は「詐欺」などとして損害賠償を求める訴えを起こした。
★選挙に勝ったからトゥルースの言う通りだということを印象付けるための訴えにも感じるが、負けていたらすべてに提訴するのだろうか。メディアは信用できず真実は当の本人が言うのだから間違いないという言質を取りたいのだろうが、そこに公正や中立はない。この理屈がまかり通れば日本でも選挙報道での情勢調査、世論調査はフェイク扱いになりかねない。世界中が目を覚まさなくてはいけない。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2024年12月19日 08:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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