路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説①】:虐殺防止命令 ガザ停戦へ転機とせよ

2024-02-05 06:47:50 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・G7サミット・G20】

【社説①】:虐殺防止命令 ガザ停戦へ転機とせよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:虐殺防止命令 ガザ停戦へ転機とせよ

 パレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡り、国連の司法機関、国際司法裁判所(ICJ)がイスラエルにジェノサイド(民族大量虐殺)防止を命じる仮処分を出した。

 ガザの犠牲者は2万7千人を超え、子どもや女性など民間人の多さが際立つ。これ以上、多くの命が失われないよう、国際社会は停戦への圧力を強めるべきだ。
 
 仮処分は、ジェノサイドを防ぐ「あらゆる措置」を講じることやガザでの人道支援にアクセスを確保するよう求めた。法的拘束力があり、イスラエルには講じた措置を1カ月以内に報告する義務があるが、ジェノサイドか否かの認定にはなお時間を要する見通し。
 
 ICJは国家間の紛争解決が役割。南アフリカはイスラエルのガザ攻撃を巡り、民間人の犠牲を伴う爆撃は自衛の範囲を超え、民族抹殺を禁じたジェノサイド条約に違反していると指摘し、暫定的な停戦を求めて提訴した。
 
 南アには黒人を差別したアパルトヘイト(人種隔離)の歴史があり、パレスチナに対する同情論が強いことも提訴の背景にある。
 
 イスラエルは南アの訴えに、ガザの民間施設にあるハマスの拠点に対する攻撃であり、民族抹殺の意図はないと反論している。
 
 ジェノサイド条約はナチスによるホロコースト(ユダヤ人大量殺害)をきっかけに制定された。ICJがホロコースト被害を訴えてきたイスラエルにジェノサイド防止を求めたことは、国の存立基盤を問われる事態でもある。
 
 ただ、仮処分は停戦には言及していない。ウクライナの提訴を受けて一昨年3月、ロシアに軍事行動を即時停止するよう命じたのとは対照的で、踏み込んだ決定をしなかったことには疑問が残る。
 
 親イスラエルのロビー圧力が強い米国や、ユダヤ人迫害の歴史に負い目を持つ欧州は、イスラエル寄りの姿勢が顕著ではある。
 
 しかし、停戦に向けた交渉はカタールやエジプトなどの仲介で進んでおり、中東、アジア、南米などでは南アの提訴を支持する国も多い。イスラエル国内でも、戦闘よりも人質解放を優先すべきだとの声が出ている。
 
 仮処分を局面転換の好機ととらえ、国際社会は停戦の早期実現とガザの非人道的状況の改善に向けてさらに努力すべきだ。停戦を求める私たち一人一人の声も国際社会を動かす力になると信じる。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年02月05日  06:47:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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