路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【HUNTER・01.07】:前途多難! 撤退した「都構想」にすがる日本維新の会

2025-01-09 07:01:10 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【HUNTER・01.07】:前途多難! 撤退した「都構想」にすがる日本維新の会

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・01.07】:前途多難! 撤退した「都構想」にすがる日本維新の会 

 「参議院選挙に東京都議選、時期は分からないがいずれ解散総選挙になる。それまでうちの党は存続しているだろうか?」。苦々しげにそう語るのは、日本維新の会のある国会議員だ。低迷する党勢、分裂含みの党内、売れない万博のチケット――維新を取り巻く状況は厳しさを増すばかり。そこに、撤退が宣言されたはずの「大阪都構想」が復活した。

 ■復活した「都構想」

 昨年12月の代表選で吉村洋文大阪府知事が代表に就任。吉村氏は地域政党である大阪維新の会の代表も兼ねる。その大阪維新の会が同月、記者会見を開き「大阪都構想」の検討チームを設置すると公表した。過去2度も住民投票で否決されている大阪都構想を再び持ち出し、低迷する党勢を立て直そうという魂胆が透けて見える。

 かつて維新が党としての“一丁目一番地”に位置付けた「大阪都構想」は、大阪市を廃止して現在24の区を4つの特別区に再編するというもの。「大阪府と市の二重行政を解消し行政運営を効率化する」と主張して2度の住民投票に挑んだが、いずれも否決されている。

 1回目は維新の創業者・橋下徹氏が先頭に立って推進したが否決。2回目は吉村知事が全面的に旗を振ったが再び否決。その際、吉村氏は「僕が政治家の間、再度、都構想を掲げることはありません」と“撤退”を明言している。撤退したはずの都構想を持ち出してきたのが、他らなぬ吉村氏なのだから呆れるしかない。維新の関係者がその背景を次のように解説する。

 「うち(維新)は昨年10月の衆議院選挙で負けました。ただ、大阪府内の小選挙区だけは全勝。党内から『やっぱり維新は大阪だ』『復活するには大阪を中心に出直すべき』という意見が多くあがりました。身を切る改革で党勢拡大してきた維新ですが、衆議院選挙やそれ以外の地方選挙ではその旗印がまったく通じなくなっています。他に思いつくのは大阪都構想しかない。というか、他に打ち出す看板政策がないというのが現状であり、うちのレベル。吉村知事も前言を翻すしかなかった。大阪の国会議員や地方議員は『維新はやっぱり大阪だ!』と勢いがいい。しかし、大阪以外の議員は『この党ではもうダメだ』と意気消沈しているのが現状でしょう」

 代表選の当選会見で吉村知事は、「野党一本化の予備選を実施すべき」と訴え、これまでの「全国政党化」を撤回するような発言を繰り返した。前出の国会議員は「吉村知事の全国政党化見合わせ発言で、正直分裂が見えてきました。大阪都構想が盛り上がるたびに維新は割れています。吉村知事もそれを理解しているはず。なのに、また党分裂でいいのでしょうかね」と懸念を示す。

 ■分裂の歴史

 維新は昨年、高額な「飲み食い」がバレたことや衆院選の敗北で馬場伸幸前代表が退陣に追い込まれた。吉村知事が国会議員の共同代表に指名したのは、旧民主党時代に閣僚経験もある前原誠司衆議院議員だ。前原氏が、国民民主党を離党し「教育無償化を実現する会」を結成したのは2023年。1年後の24年10月には維新に合流する。前出の国会議員はこう話す。

 「前原さんは馬場さんが代表になった時に維新に引き込んだ人物だ。維新は、馬場さんを中心にする旧執行部と、吉村知事を重んじる大阪組、それ以外の国会議員派と3つに別れている。旧執行部は基本的に大阪が地元の議員が多いのですぐには割れない。馬場さんが自民党から『新党を作って出ろ』と誘いを受けているようだが、今は自重している。国会派で勢力を伸ばしているのが、代表選に出馬して2位につけた松沢成文参議院議員と、元東京都知事の猪瀬直樹参議院議員。会議になると声の大きいこの2人の意見が通ってしまうことがよくある」

 2012年、維新は石原慎太郎氏の「太陽の党」と合併し、国政政党として大躍進。しかし14年に分裂した。直後、みんなの党から分かれた江田憲司衆議院議員の「結いの党」と合流したが、15年に「お家騒動」が勃発して再び分裂する。

 「大阪都構想の機運が盛り上がり、“それ住民投票だ”となるといつも維新は分裂する。大阪側が声高に『国政も大阪都構想に協力しろ』と求めるからです。国会は外交、安全保障、国家予算などを審議する場。大阪ローカルの政治課題である大阪都構想について『質問しろ』なんて指示が来るんです。大阪以外の国会議員、誰もいい気はしませんよ」――かつて維新に在籍した国会議員のAさんはそう当時を振り返り、平成26年4月17日に行われた衆議院総務委員会における上西小百合衆議院議員(当時)の質疑の議事録を見せてくれた。

上西:私ども日本維新の会は、先行して呱々の声を上げた大阪維新の会結党以来、一貫して、都道府県を市町村という、加えて国もそうですが、それぞれ階層が異なる行政府、自治体が重複して似たような事務をして行政コストが増大することを、二重行政の無駄、こういうふうに位置づけ、その解消策をさまざま提唱してまいりました。(中略)府と市がばらばらに進め、府と市の不一致でフシアワセ、こういったふうに揶揄されていた戦略や政策を一本化する大阪都構想実現は、私どもの至上命題だと確信をしておるところでございます」

新藤義孝総務相(当時):大阪都構想につきましては、その以前に大阪市の抱える問題という独自のものがあった、その地域固有の課題を解決するためにそのようなお考えで進め、それが、その地域住民の有権者の賛意を得て進めるべきかどうかとなっている。

 つまり、答弁した総務大臣が「大阪の問題だ」と指摘していたわけだ。前出のAさんが次のように警告を発する。

 「これ、国会でやるネタでしょうか。ローカル政党の至上命題なら地方議会でやればいい。上西さんは大阪選出だったのですが、関係ない議員にまで大阪都構想の質問をしろと上から目線でやっていた。しない議員には『維新スピリッツがない』と大阪の地方議員からクレームがくるほどでした。とにかく、大阪都構想となると周りが見えなくなり、大阪主導、上から目線。他の地域の議員は使われるだけ。またそれが繰り返されるのではないですか」

 馬場氏の旧執行部グループには、すでに自民党が手を伸ばしている可能性がある。そして、国会組の受け皿には旧民主党系の会派である「有志の会」がなるのではないかという情報もある。前出のAさんの予測はこうだ。

 「維新には、労組が最大の支援者となっている立民と国民には距離を置きたいという思いがある。維新内には旧民主党にいた国会議員も少なくなく、労組アレルギーがあるのは確かだ。すると有志の会が受け皿になりやすいのではないか。また、維新にはかなり右寄りの議員もいて、日本保守党という選択肢もあると聞いている」

 夏に予定される参院選の情勢はかなり厳しいとみられる維新。東京都議会での議席は現在たった一つだ。4月の開幕を控えた大阪・関西万博の前売りチケットは半分程度しか売れていない。維新にとっては、かなり厳しい年になりそうだ。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【政治ニュース・日本維新の会】  2025年01月07日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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