【話題の焦点】:双子ベビーカー乗車拒否で炎上…子連れの親が自己チューなのか、世の中が不寛容なのか
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【話題の焦点】:双子ベビーカー乗車拒否で炎上…子連れの親が自己チューなのか、世の中が不寛容なのか
小さな子連れをめぐる話題が立て続けにネット上で“炎上”した。
ひとつは、ゼロ歳児を抱えて新幹線に乗車したら、隣席の若い女性から「最悪」「ハズレだ」とぼやかれたという話。
もうひとつは元バレーボール日本代表の大山加奈さんが、双子のベビーカーでバスに乗車できなかったという話。
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子育ては大変(写真はイメージ)
顛末は省くが、ネット世論は大きく3つに分かれた。《子連れなら何でも許されると思って自己チューすぎる》《世の中が不寛容すぎる》、そして《どっちもどっち》。元バス運転手が言う。
■「正直どっちもどっちと思う」
「双子となるとなおさらベビーカーを乗せるのは大変だし、時間の遅れも気になりますが、公共交通機関ですからね。乗車拒否はしない。ただ、周囲が気遣ってもお礼のひと言もなかったり、子供が騒いでも注意しない親もいる。その一方で、子連れにあからさまな嫌みを言う乗客もいる。正直どっちもどっちと思うこともあります」
もちろん周囲に配慮する親もいるし、子育て世代を温かい目で見守る乗客だっている。
「お互いに《ご迷惑をかけてすみません》《ありがとうございます》《大丈夫ですよ》《気にしないで》のひと言があるだけでトラブルも減るはずですが、それができないケースが目につくのは、優越意識をコントロールできない人が増えているからでしょう」と、米心理学博士で医学博士の鈴木丈織氏は指摘する。
人間には本来、自分は他人より優れている、特別な存在だと思いたがる性質があるという。「セレブ」と呼ばれる人たちが分かりやすくて、何かをしてもらっても当然と考えたり、《なぜ自分が譲らなければならないのか》と傲慢になりがちだ。
「それが今は、大差ない一般の人同士でも優越意識をむき出しにしたりします。悪びれもしないし譲り合えないから、事態がこじれる。そんな無駄な優越意識にブレーキをかけられるようになるためには、子供の頃からの教育が鍵になりますが、なおざりにされてきたのでしょう。武道の《礼に始まり礼に終わる》ではありませんが、お互いに優越意識を抑え、たったひと言、礼を尽くすだけで、人間関係のトラブルの大半は解決するように思います」
マウントを取り合うような人たちは、“教育の失敗”の典型例なのかもしれない。
元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・連載「話題の焦点」】 2022年11月15日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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