愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

今日の「志位委員長の訴え」で飛躍はできるか!?共産党に問う!したたかさと機敏さ、柔軟さ!

2012-12-08 | 日記

「総選挙必勝 志位委員長の訴え」が、今日の「赤旗」に掲載されました。マスコミの世論調査や、この間の選挙戦を受けて、企画されたのだと思います。しかし、これを読んで「全党決起、全後援会決起の燃えるような状況をつくり」だすことができるかどうか、疑問に思いました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-12-08/2012120804_01_0.html

 一つには、政見放送を見て、有権者の心を捉えることができるだろうかということがあります。出演者と志位委員長の対話が芝居かかっていて、しかも力がありません。橋下氏の演説の方が、有権者を惹きつけるような気がします。やはり有権者の溜飲を下げるような迫力と語りが必要です。その点、ラジオに出ている市田書記局長の「語り」は説得力があるように思いました。

 二つ、メディアをとおして日々流されている争点づらし、争点隠しと日本共産党はずしにどう対応していくか、噛み合っていないように思います。

 いまメディアで  「政権の枠組み」報道 真の対決軸を覆い隠す 民意を自民型政治の枠内に 2012年12月7日(金)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-12-07/2012120704_01_1.html

4日の総選挙の公示を前後して、全国紙やNHKなどの巨大メディアがそろって、今回の選挙の焦点は「政権の枠組み」だと打ち出しています。 「政権枠組み焦点」(「朝日」4日付)、「政権枠組み焦点に」(「毎日」5日付)など、各紙ともほぼ同じ見出しを掲げ、民主党政権の継続か自公の政権復帰かが選挙の最大の焦点としています。そのうえで、「第三極の伸長カギ」(「朝日」4日付)、「第三極勢力の動向も焦点」(「毎日」4日付)と同じ構図を描きます。(引用ここまで)

 4日の各紙を紹介したのが、7日の「赤旗」です。遅すぎます!また、6日の各紙の世論調査結果に対応して、「選挙結果をきめるのはメディアではなく自らの奮闘 世論調査にまどわされることなく総決起を」との6日付けの「総選挙闘争本部」の訴えが出されたのが、7日の「赤旗」です。インターネットには6日には掲載されていません。

 刻一刻を争う選挙戦で、選挙事務所や候補者、支持者が情勢に機敏に反応していくためには、FAXなどもあるのかもしれませんが、情報伝達手段としては、どうしょうか?橋下氏がツィッターを駆使して全国に主張をたれ流し、それをマスコミが報道する、というサイクルにどう打ち勝っていくか、まさに試されているような気がします。

 さらに、争点隠しに対して、各党に公開質問状を出すとか、各紙の各テレビの報道に対して批判と提案をする、政権枠組み論に対しては、向こう4年間の限定的暫定政権構想を各党や個人に呼びかけるとか、その意味で山本太郎氏の立候補にどう対応するのか、などなど、日々刻々変わる情勢に機敏に対応する戦術というか、共産党側からの争点化が弱いように思います。

 「メディアの妨害に惑わされず、自力で躍進への道をひらこう」(志位委員長)は、格好良いかもしれませんが、草の根を持たぬ石原・橋下「日本維新の会」がメディアを使って躍起になって、マスコミや有権者を扇動していますが、それらの事実をただ批判的に眺めて、或いは批判しているだけではなく反面教師として捉えるならば、独自の風を吹かすためにも、メディアの振りまく偽りの争点、政見の枠組み論を逆手にとった「メディア」戦術と戦略が必要ではないでしょうか?

 しかし、「赤旗」を見ている限り、従来型の選挙戦の踏襲的対応で時間が推移しているように思います。こういう状態は、回ってくる候補者の演説や宣伝カーのスポット、テレビに出てくる候補者にも反映しています。

 例えば政党の値打ちを語る際に、以下の「主張」のなかの「綱領」「草の根」と言う言葉を使っている候補者もいます。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-12-04/2012120401_05_1.html

「しっかりした綱領と、不屈の歴史を持つ日本共産党は、逆流に立ち向かう力を持っています」「国民の「草の根」の力で支えられた日本共産党こそ、国民の利益が守りぬける党です」

 こうした言葉が有権者にとってどれだけの関心事か、疑問です。その点で、

「紋切り型でなく、自分の言葉で、説得力をもって語る」「候補者をはじめ、宣伝戦の先頭に立つ同志は、党の政策や主張を、自分の言葉で、自由闊達に語ってほしい。メモに頼るのでなくて、自分の言葉で語ってこそ、その人の確信が聴衆に伝わっていき、党の主張や政策への信頼がわいてきます。比例代表はもちろん、小選挙区も文字通り1票を争う選挙です。とくに候補者のみなさんには、日々、その点での努力をさらに強めることを、訴えるものであります」(引用ここまで)

 というのは当然ですが、こうした視点が、ここで語られるということは、できていない現状があるのでしょう!。

 こうした事実を克服していくためにも、「草の根」の活動が、日々の活動の中で発揮しているかどうか、それが試されているのだと思います。共産党が国民という大地の中に、毛細血管のような草の「根」を縦横無尽にはっているかどうか、大地である国民から栄養をいただいているかどうか、だと思います。

 そのためには、各地の共産党の活動がどれくらい地域の住民の要求実現に貢献しているか、です。「暮らしに役たつ共産党」となるかどうかです。「提案し、行動する共産党」は「反対ばかりの共産党」に対するアンチテーゼのようですが、どれだけ役に立っているか、その実績を大いに語れるかどうかでしょう。

 その点、今度の選挙政策には、9人でもどれだけの国民要求を実現してきたのか、その実績がありませんでした。9人を倍加すればっもっと要求が実現できると展望を語ることが大切だと思いますが、どうだったでしょうか?

 メディア戦略については、以下の視点が活かされていないような気がします。

ニ、マスメディアのあり方が根本から問われている

http://www.jcp.or.jp/web_jcp/2010/01/01-25th-ketugi.html

 民主党政権の直接の問題ではないが、マスメディアのあり方について、問題点を率直に提起したい。この十数年来続いている財界主導の「二大政党づくり」の動きのなかで、マスメディアの大勢は、いっかんしてこの動きを礼賛・推進する異常な役割を果たしてきた。その根本にはどういう仕組みが働いているのか。

 「21世紀臨調」という財界人、研究者、報道関係者、一部の知事・市町村長などからなる「運動体」がある。この運動は、その前身にあたる「民間政治臨調」(1992年発足)の時代に、小選挙区制導入に重大な役割を果たし、「21世紀臨調」(1999年発足)に衣替えして以降は、「国のあり方の改革と未完の政治改革とを『車の両輪』と位置づけて活動を進める」、国家改造の「運動体」であることを公然と宣言して活動をおこなってきた。小選挙区制の推進、「政権選択選挙」の推進、「首相を中心とする内閣主導体制」の推進――これらがこの「運動体」がとりくんできたことである。

 「21世紀臨調」が発行している「物語で読む21世紀臨調」は、2002年10月に経済同友会が発表した「提言」について、「マニフェストを作成することで政党政治のサイクルを立て直すことを経済界としては初めて明確な形で提言した」ものと高く評価している。強権的国家づくりという点で、両者のめざす方向は同じである。この間、民主党がすすめている「国会改革」にさいしても、「21世紀臨調」の「学者有志」らによる「提言」が、民主党に提示されるなど、この動きのブレーンとしての役割を果たしている。

 重大なことは、「21世紀臨調」の中核をなす155人の運営委員の中に、73人にのぼるマスメディア関係者が参加していることである(2009年11月現在)。「物語で読む21世紀臨調」によると、「21世紀臨調」は「何よりも改革実現のための運動体」であり、「(数々の提言を)公表するにとどまらず、マスメディアを通じて日常的な世論形成を行い.....改革を具体化し、実現していくことに最大の力点が置かれた」と、マスメディアを、自分たちに都合のよい世論を形成する手段として利用することを、あからさまに述べている。こうして「二大政党づくり」の大キャンペーンをすすめる仕組みがつくられているのである。(引用ここまで)

 マスコミはマスメディアを使って、有権者・国民に、日米軍事同盟深化派・大企業優先が正当であることを強調しながら、廃棄派・大企業に「応能負担」派を孤立させ、深化派・擁護派を温存させるための資料として、ドグマを大量に流していることは周知の事実です。北朝鮮の「ミサイル」報道、中国の「尖閣」徘徊などは、まさに共産党を孤立させるための絶好のチャンスです。であるならば、この事実をどうやって逆転させていくか、です。共産党の外交力は政府政権をとった場合、使えるぞと国民に判断してもらう、そうした取り組みが必要でしょう。

 そうした「したたかさ」が、原発ゼロでも、消費税でも、TPPでも、米軍基地でも、すべてにわたって求められているように思います。政党を診る国民の眼は、この間の劣化した政党支持のなかで、共産党を含めて厳しい眼をもっていると思います。共産党を無視しながら、共産党も一緒くたに報道しているからです。そこを見抜いた活動が弱ければ、世論調査の結果どおりになるでしょう。

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不公平・ウソとペテンの「朝日」の「公約を問う」は真の対立軸と負担者を覆い隠し、有権者分断と対立に!

2012-12-08 | 日記

昨日の「朝日」の1面と3面の「公約を問う 語られない社会保障 4」の記事を読んで、「やっぱりな」と思いました。共産党をリングにあげず、争点そらし、ウソ・ペテンのオール展開です。それでは、まず、何が問題か、記事の内容に即して、以下のようにまとめていました。「文章」はそのまま使いました。

 1.自民も民主も、看板に掲げる社会保障政策もなく、2大政党の間で鮮明な対立の構図は見られない。

 2.民主、自民、公明の3党は、「社会保障国民会議」を設置し、社会保障を積極的に争点化する機運は薄れた。

 3.2大政党の接近に不満を抱く人の支持獲得を目指す「第三極」(小泉改革を思わせる自助・競争路線を掲げる日本維新の会や、政権交代前の民主と重なる手厚い福祉を主張する日本未来の党)は、夢をふりまく甘い公約に財源や具体策が伴っているとは思えない。

 4.したがって、3年前に比べて、私たちの選択は格段に難しくなっている。

 5.高齢者医療への「仕送り」を続ける現役世代の負担の問題にどう対処するのか。各党の基本姿勢は、以下に大別できる。

(1)自分の暮らしは個人や家族で責任を持つ「自助」を重くみる党

(2)国や自治体の公的支援である「公助」や、地域の助け合いなどの「共助」を重くみる党

(3)だが各党の理念と政策は入り乱れ、必ずしもきれいに対立軸は描けない。

①「公助」に比較的重きをおく公明党

中小企業社員が入る健康保険「協会けんぽ」や国民健康保険へ公費(税金)投入を増やし、保険料上昇を抑えると訴える。

②「自助」を強調する自民党

介護保険や高齢者医療への公費投入を掲げる。

③公助重視の日本未来の党も、自助重視のみんなの党

自営業か会社員か、など職業によって異なる医療保険制度間の負担格差については、ともに「医療保険制度の一元化」を唱える。

民主

「保険者間の負担の公平化」を掲げる

自民

協会けんぽに公務員を加入させる案を示し、「官民格差の是正」を主張

(3)常に争点になってきた年金改革

民自公3党で大きな対立点はない。

②自助重視の日本維新の会みんなの党

現役世代から高齢者に仕送りをする」現行方式から、「自分が積み立てた年金は自分でもらう」方式への「抜本改革」を掲げる。

③公助重視の未来共産社民の各党

民主が掲げていた最低保障年金に近い考え方

 6.問題は、公約の裏付けとなる財源と実現可能性

(1)維新

自助志向が強く、社会保障費を減らす方向をはっきり打ち出している

(2)多くの政党

公約は財源の根拠が乏しい印象がぬぐえない

 7.医療・介護の充実のために使う税金をもっと増やすなら、さらなる増税か、他の予算の削減もセツトで示す必要がある。だが具体的な提案は少ない。

(1)自民

「最後の安全網」である生活保護給付水準の10%削減や、価格の安い後発医薬品の使用促進を挙げる。しかし、生活保護の今年度予算(国費)は約2・8兆円。このうちの生活費にあたる費用(約9700億円)を10%減らしても、約1千億円に過ぎない。後発医薬品の割合を政府目標の30%に引き上げても、それで浮く税金も限られる。

(2)民主

最低保障年金を導入する際に、今はすべての人の基礎年金の半分を税金でまかなっているのを、中堅所得層以上の人から減らすとしている。税金の使い道を低所得層に限定するという点では、自助志向の維新も近い考え方

(3)維新やみんなの党

年金の「積み立て方式」も課題が多い。年金の将来性、世代格差に不信感を抱く若い世代にはアピールしそうだが、積み立て方式に移るとき、自分のために積み立てる保険料と、現行制度で年金を受け取る高齢者への仕送り分の二重の負担が生じる問題がある。一方で、基礎年金の半分を税金でまかなう今の仕組みもなくなるので、いわば負担は増え、年金は減ることになる。

 8.各党の政策ににじむ考え方を読み取りながら、選択する必要がある。

(1)給付カット、負担増にどこで折り合いをつけるか。

(2)改革の向こう側にどんな社会の姿を描くのか。

 

さてどうだったでしょうか?最大の特徴は、

1.共産党を含めて「各党」は「違いがない」と言っている。これについては、トリックがあります。以下をみると判ります。

 (1)「年金改革」について言えば、大きな対立点のない民自公3党と言いながら、公助重視の未来共産社民の各党は、民主が掲げていた最低保障年金に近い考え方と述べていることが、そのことを証明しています。

(2)「公約の裏付けとなる財源と実現可能性」について、

①自助指向の強い維新は社会保障を減らす

多くの政党は、公約は財源の根拠が乏しい印象がぬぐえない

(3)医療・介護の充実のために使う税金は、

①医療・介護の充実のためには増税

②他の予算の削減

③具体的な提案は少ない。

❶自民=生活保護給付水準の10%削減や、価格の安い後発医薬品の使用促進、浮く税金も限られる

❷民主=税金の使い道を低所得層に限定するという点では、自助志向の維新も近い考え方

❸維新・みんな=年金の「積み立て方式」は「負担は増え、年金は減る」

2.「違い」がないのは、共産党以外の政党であって、共産党は全く逆の政策を出しているのですが、そのことを意図的に隠しているのです。いわば対決点、対立軸の意図的操作、意図的隠しが行われているのです。

 3.では、何が意図的に隠されているのでしょうか?

 (1)「公約の裏付けとなる財源と実現可能性」について、全く語っていません。

①“応能負担”に立った  税制改革――まず富裕層・大企業に応分の負担を求めます。

http://www.jcp.or.jp/web_policy/2012/11/20121126-1.html#_02

ムダの一掃と富裕層・大企業への応分の負担を求める改革で生まれる財源は、同時期に12兆~15兆円

②国民の所得を増やす経済改革

http://www.jcp.or.jp/web_policy/2012/11/20121126-1.html#_01

http://www.jcp.or.jp/web_policy/2012/02/post-141.html

「日本の税収は…消費税を5%に増税した前年の1996年から見ても14兆円も減っています」

「大企業の内部に蓄積された260兆円にもおよぶ内部留保を日本経済に還流させ、国民の所得を増やし、家計を温め、日本経済を内需主導の健全な発展の軌道に乗せること…は、税収増をもたらすとともに、対GDP(国内総生産)比での長期債務を削減」

 (2)「各党の理念と政策は入り乱れ、必ずしもきれいに対立軸は描けない」とありますが、憲法25条を活かすか、殺すかという最も基本的な対立軸を見ないのは「朝日」と言えます。

 ①日本共産党は、社会保障への国の責任を投げ捨て、制度解体をすすめる暴走とたたかいます。

年金削減政策を中止し、段階的に充実をはかります……年金削減の仕組みを撤廃し、年金額が減らない信頼できる制度にします。無年金・低年金の解決に足を踏み出します。 

医療費の窓口負担を引き下げ、医療崩壊を立て直します……窓口負担は、当面、子どもの医療費を国の制度として無料にする、現役世代は2割に引き下げ、高齢者は1割にすえおきます。国保料(税)の軽減、診療報酬の引き上げと医師・看護師の増員をすすめます。

本人も家族も安心して利用できる介護制度をつくります……特別養護老人ホームを増設し、待機者をゼロにします。低所得者の利用料を無料にします。国の制度として保険料の減免制度をつくります。

保育所の待機児童をゼロにします……保育への公的責任を投げ捨てる「子ども子育て新システム」を中止し、公的保育制度を守ります。認可保育所を計画的に整備し、保育所の待機児童をゼロにします。

雇用保険を拡充し、失業者への生活援助と再就職支援を強化します……失業給付期間を、当面、現在の90~330日から180~540日程度まで延長します。生活が困窮している失業者への生活扶助制度を強化・確立します。職業訓練と再就職支援を強化します。

障害者の暮らしと権利を守る新法を制定します……福祉・医療の「応益負担」を撤廃し、障害者福祉・医療は無料にします。自立支援法の実質的な延命を許さず、新しい総合福祉法を実現します。

生活保護の排除と切り捨てをやめ、生存権を保障します……門前払いや強権的な打ち切りなど排除と切り捨てをやめ、生活保護を必要とするすべての人に受給権を保障します。保護費の切り下げに反対します。児童扶養手当の削減をやめさせ、子どもの貧困対策を強化します。

つぎの段階で「先進水準の社会保障」への抜本的拡充をはかります……つぎの段階で、財源を確保しながら、最低保障年金の創設、医療費の窓口負担の無料化、介護の利用料を無料にするなど、ヨーロッパの多くの諸国で当たり前になっている水準の社会保障への抜本的拡充を行います。

 ②増税を扇動してきた「朝日」は「社会保障のための消費税増税」という偽りの「税制・財政」論の枠内に有権者の目を向けさせています。

「消費税10%への引き上げで13兆円もの大増税になるのにくわえ、年金額の削減などを含めると年間16兆円、さらにすでに決められた制度改悪による年金、医療などの保険料値上げによる負担増をあわせると年間20兆円もの大負担増になります。しかも、日本経済の長期低迷と世界経済危機、これらを「口実」にした大企業の大リストラ、雇用破壊のもとで、国民の所得が大幅に減り、貧困と格差が広がり、多くの中小企業が経営難におちいり、地域経済が深刻な疲弊のもとにあるさなかでの大増税です。それは国民の暮らしにはかり知れない打撃を与え、日本経済をどん底に突き落とし、財政破たんをいっそうひどくする」

 

以上、共産党の政策は、「朝日」の視点と主張とは全く逆の政策を打ち出しているのですが、「朝日」はそのことを覆い隠し、大企業には「痛み」を求めない、大企業応援団の旧い自民党型政治の枠内に有権者の目を向けさせていることが判ります。

そこで、「朝日」特有の「上から目線」で、「「各党の理念と政策は入り乱れ、必ずしもきれいに対立軸は描けない」から、「私たちの選択は格段に難しくなっている」などとウソを浸透させ、有権者を惑わせようとしているのです。

 

参考までに、「朝日」の記事を掲載しておきます。

公約を問う 語られない社会保障 4

 「これから社会保障をどうするのか、具体的な話がほとんどなかった」。公示日の4日、JR上野駅前で野田佳彦首相の演説を聴いていた介護職の男性(29)がつぶやいた。

 社会保障にふれたのは約10分間。中身は税・社会保障一体改革の意義や年金記録問題など過去の実績ばかりだった。同じ日のJR仙台駅前。自民党の安倍晋三総裁は「まっとうな経済を取り戻す」などと熱弁をふるったが、社会保障にはほとんど触れなかった。

 2009年の総選挙。民主党は自公政権下の社会保障費抑制を強く批判し、最低保障年金創設や子ども手当を看板政策に掲げて、政権交代を実現した。

 3年後の今回、社会保障費の増加がバラマキと批判され、自民は生活保護切り下げまで主張。前回マニフェストで生活保護の母子加算復活を掲げた民主も、いまは「引き下げる余地がある」(岡田克也副総理)と同調する。看板に掲げる社会保障政策もなく、2大政党の間で鮮明な対立の構図は見られない。

 野党だった民主が政権を担う経験をしたことも大きい。「負担は求めず給付は充実」という空手形は切れなくなった。民主、自民、公明の3党は、「社会保障国民会議」を設置し、社会保障を積極的に争点化する機運は薄れた。

 こうした2大政党の接近に不満を抱く人の支持獲得を目指す「第三極」。その社会保障政策は歯切れが良い。小泉改革を思わせる自助・競争路線を掲げる日本維新の会や、政権交代前の民主と重なる手厚い福祉を主張する日本未来の党。

 だが、夢をふりまく甘い公約に財源や具体策が伴っているとは思えない。一方で行き過ぎた自助路線は間違いなく弱い立場の人々の暮らしを追い込んでいく。

 3年前に比べて、私たちの選択は格段に難しくなっている。

負担時代 どう支え合う

 「社会保障の維持だけで年1兆円(国の支出が)増える。将来世代にこれ以上、つけを回すわけにはいかないんです」。野田佳彦首相は、消費増税によって社会保障が安定すると繰り返しアピールしている。

 しかし、税・社会保障の一体改革は、借金だのみの社会保障の「応急処置」に過ぎない。

 医療・介護の費用は今後、年金を上回る勢いで増える。65歳以上が払う介護保険料は制度スタート時の約1・5倍(全国平均で月約5千円)に達し、2025年度には6800円になる見通しだ。高齢者医療への「仕送り」を続ける現役世代の負担も増す。

 これらの問題にどう対処するのか。各党の基本姿勢は、自分の暮らしは個人や家族で責任を持つ「自助」を重くみる党と、国や自治体の公的支援である「公助」や、地域の助け合いなどの「共助」を重くみる党に大別できる。だが各党の理念と政策は入り乱れ、必ずしもきれいに対立軸は描けない。

 「公助」に比較的重きをおく公明党は、中小企業社員が入る健康保険「協会けんぽ」や国民健康保険へ公費(税金)投入を増やし、保険料上昇を抑えると訴える。「自助」を強調する自民党も、介護保険や高齢者医療への公費投入を掲げる。

 自営業か会社員か、など職業によって異なる医療保険制度間の負担格差については、公助重視の日本未来の党も、自助重視のみんなの党も、ともに「医療保険制度の一元化」を唱える。

 「保険者間の負担の公平化」を掲げる民主も近い。自民は協会けんぽに公務員を加入させる案を示し、「官民格差の是正」を主張する。

一方、常に争点になってきた年金改革。民主は前回の総選挙で掲げた「最低保障年金で月7万円以上を支給」のような具体的な記述を避け、「国民会議を通じて実現を目指す」と公約をトーンダウン。そのため民自公3党で大きな対立点はない。

 対照的なのが、自助重視の日本維新の会みんなの党。「現役世代から高齢者に仕送りをする」現行方式から、「自分が積み立てた年金は自分でもらう」方式への「抜本改革」を掲げる。公助重視の未来や共産、社民の各党は、民主が掲げていた最低保障年金に近い考え方を唱えている。

 問題は、公約の裏付けとなる財源と実現可能性だ。

自助志向が強く、社会保障費を減らす方向をはっきり打ち出している維新を除けば、多くの政党の公約は財源の根拠が乏しい印象がぬぐえない。医療・介護の充実のために使う税金をもっと増やすなら、さらなる増税か、他の予算の削減もセツトで示す必要がある。だが具体的な提案は少ない。

 自民は「最後の安全網」である生活保護給付水準の10%削減や、価格の安い後発医薬品の使用促進を挙げる。しかし、生活保護の今年度予算(国費)は約2・8兆円。このうちの生活費にあたる費用(約9700億円)を10%減らしても、約1千億円に過ぎない。後発医薬品の割合を政府目標の30%に引き上げても、それで浮く税金も限られる。

 一方、民主は最低保障年金を導入する際に、今はすべての人の基礎年金の半分を税金でまかなっているのを、中堅所得層以上の人から減らすとしている。税金の使い道を低所得層に限定するという点では、自助志向の維新も近い考え方だ。

 ただ税金投入を減らす線引きの仕方によっては、もらえる年金額が今より減る人が続出する。ハードルは高い。

 また、維新みんなの党が掲げる年金の「積み立て方式」も課題が多い。年金の将来性、世代格差に不信感を抱く若い世代にはアピールしそうだが、積み立て方式に移るとき、自分のために積み立てる保険料と、現行制度で年金を受け取る高齢者への仕送り分の「二重の負担が生じる問題がある。一方で、基礎年金の半分を税金でまかなう今の仕組みもなくなるので、いわば負担は増え、年金は減ることになる。

 給付カット、負担増にどこで折り合いをつけるか。改革の向こう側にどんな社会の姿を描くのか。各党の政策ににじむ考え方を読み取りながら、選択する必要がある。

(長富由希子、見市紀世子)(各政党の一覧表は省略) 

自助・共助・公助議論を 宮本太郎 北大大学院教授

雇用に守られた男性の働き手が家族を養うことで、社会保障の役割は高齢者への給付に集中できた。だが非正規雇用の増加や急激な少子高齢化で、従来の仕組みが機能しなくなった。現在の課題は、いかに現役世代の支援に軸足を移しながら、持続可能な社会保障を目指していくか。もはや選択肢の幅は広くない。各党が根本から対立する点は少なくなってきている。

 単なる「小さな政府」「大きな政府」という対立ではなく、「自助」を「共助・公助」で支える仕組みに合意した上で、そのバランスを巡る議論が必要なのだ。共助や公助に支えられない自助はないし、共助・公助に依存ばかりでは続かない。

 人々の生活が全体的に厳しくなる中で、生活保護に対する厳しい意見が広がる。「自助」を強調する生活保護たたきを背景に、セーフティーネットの切り下げ合戦だけが選挙で争点化しないか心配だ。

 

 

 

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