選挙結果について、全部調べていないが、「日経」「読売」を見て、大勝した割には、喜んでいない「日経」と「読売」が可笑しくなってしまいました!
きっと、安倍首相には確信が持てないのだろう!安倍首相の失敗と鳩山・菅・野田の失敗を受けて安倍政権ができるのだが、2000年代は小泉構造改革の負の遺産の対応がとれないまま、「敵失」で政権が交代してきた。政権の枠組みがきしみを露わにしていて、それにメスを入れるどころか、傷を気づかれないように必死になっているマスコミの姿を観る思いでした。
このことを、「日経」も「読売」も肌で感じているのだろう。
日経社説 決して自民が「勝者」とは言えない 2012/12/17付 http://www.nikkei.com/article/DGXDZO49636610X11C12A2PE1000/
自民党が漁夫の利を占めた選挙区が多数あったのも自民党に実力以上の議席を与えた。 制度上の問題として、わずかの得票差が大きな獲得議席差につながる小選挙区選挙の特徴がある。05年の郵政選挙、09年の政権交代選挙と同じ結果で、選挙制度の見直し論議に火がつくのは必至だ。(引用ここまで)
自民圧勝の風、あきらめ半分で「結局は消去法」2012年12月20日08時25分 読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/news/20121219-OYT1T00364.htm
さて、問題は、「朝日」!18日付の以下の記事を読んで、「よく言うよな!散々煽ってきたくせに、小選挙区制の問題点を今頃気づいたふりをしている確信犯!」と言いたくなるような記事でした。
「一強8弱」にしたのは、誰だ!ッって言いたいものです。公選法違反まがいの不公平報道、争点づらし、「政局報道」にどっぷり浸かっていたのは、いや、いるのは「朝日」! この記事を読んでも判ります。判っているのに、知らぬふりをして、終わってみると、言ってじゃないか!というような「したり顔」「上から目線」、まさに国民愚民視!「朝日」と言っておきたいような気分です。
この記事を読むと、「日経」や「読売」と違って、散々煽ってきた「政権交代可能な」二大政党制を維持しようと必死になっていることが判ります。しかも「脅し」ているのです。「危機に陥った」「難題」「2大政党か、第三極を含む多党制か」というスタンスに観ることができます。
そうしておいて安倍総裁の「改憲」を批判をするかのようなそぶりを見せるのです。「朝日」特有の手法です。一見反対であるかのように書きながら、「いまの段階では先走りにすぎよう」というように、推進する側に、自らの筆を振るうのです。
「小選挙区制のもとではもともと不利な中小政党」も、選挙制度を民主主義も問題として捉えるのではなく、党利党略として描いていることも、「朝日」の姑息さが浮き彫りになっています。「あまりに極端、あまりに不安定という批判は的外れではない」も民意を無視した視点です。小選挙区制と比例制のどっちを選択するのか、と「脅し」ているのです。そうしておいて比例制は「多党化」で首相は「政党間の交渉や工作」で決まるが、小選挙区制は国民が決めることが出来ると扇動するのです。この「朝日」の手法、呆れませんか?!
以上、記事に即して述べてみました!明日は、さらに「朝日」「東京」「毎日」「産経」の記事を読んで検討を加えてみたいと思います。
政権再交代 上 「小選挙区制」 「『一強8弱』の危機」 編集委員 根本 清樹
小選挙区制が今回見せつけた恐ろしさは、前々回、前回と比べても格別だった。民主党はおよそ2大政党の一翼とはいいがたい規模まで縮んだ。自民、公明両党を「1強」とすれば、その他「8弱」の筆頭にすぎない。 「2大政党を軸とする政権交代のある政治」。政治改革の目標は前回ひとまず成就したかにみえたが、わずか3年で危機に陥った。 政党政治のかたちを、これからどうしていくのか。また、それを考えるときに欠かせない選挙制度の設計を変えるのか、変えないのか。衆院選後の日本政治が直面する難題である。 衆院での再可決が可能になる3分の2超の議席を得た自公両党は、数のうえでは衆参両院のねじれを克服した。新首相となる安倍晋三総裁は、この強力な足場の使い方が問われる。 1回目の首相の時に臨んだ2007年参院選敗北の悪夢を、安倍氏は忘れていない。しばらくは「安全運転」を心がけるだろう。来夏の参院選に勝って、悲願の憲法改正に展望を見いだすという筋書きである。 改憲勢力の結集を進めるなかで、かつてのような1党優位の半ば永久与党化をもくろむ。そんな道筋も描きうるだろうが、いまの段階では先走りにすぎよう。 一方、民主党は苦い教訓を得たはずだ。2大政党の一翼たるもの、ばらけていては戦えない。党を純化するのはいいが戦力も大きくそがれる。その復活は、懸案の綱領づくりなど、党の原点を踏み固め直すことができるかどうかにかかる。 2大政党か、第三極を含む多党制か。それは自公民3党が来年取り組むとしている選挙制度の「抜本的な見直し」にも左右される。 小選挙区制のもとではもともと不利な中小政党だけでなく、自民党内でも中選挙区制への回帰論が熱心に語られる。あまりに極端、あまりに不安定という批判は的外れではない。 小選挙区制のもとでは、新党が乱立してもいずれは2大政党に収斂する力学が働くが、中選挙区制や比例代表中心の制度に変えれば多党化か促される。 それは単に政党政治のありが変わるだけではない。小選区制は事実上、次の首相を有権者が直接に選ぶ仕組みである。私たちは今回、「安倍首相」を指名したに等しい。 多党制のもとでは、首相選びは政党間の交渉や工作に委ねられる場合が多い。 そのどちらを選ぶのか。政党や政治家だけに任せておける判断ではない。
決して自民が「勝者」とは言えない 2012/12/17付 http://www.nikkei.com/article/DGXDZO49636610X11C12A2PE1000/
第46回衆院選は自民党が公明党とあわせ、総定数の3分の2である320を上回る議席を獲得、地滑り的な勝利を収めた。民主党は解散前勢力を激減させ、歴史的な敗北を喫した。 26日に召集予定の特別国会で安倍晋三自民党総裁が第96代の首相に選出されて再び自公連立政権が発足、3年3カ月に及んだ民主党政権に終止符が打たれる。
民主の失敗に懲罰投票
二大政党下で政権運営に失敗すれば、他党に政権が移る政党政治のかたちが一応できあがった。ただ、投票率が前回(69.28%)よりも大幅に下回ったのは、失敗した政治への有権者の不信のあらわれといえる。 今回の衆院選を一言でいえば、自民党が大勝したというより、民主党が惨敗した選挙だった。有権者が民主党にノーを突きつけた背景には、いくつもの理由がある。 第1は、2009年の前回衆院選のマニフェスト(政権公約)を達成できなかったことだ。
子ども手当をはじめとする目玉政策がことごとく暗礁に乗り上げた。見通しの甘さに加えリーマン・ショック後の税収の落ち込みもあって財源を確保できなかった。 逆に、マニフェストに盛り込んでいなかった消費税引き上げについて民自公3党合意で法案を成立させたが、これに反発する小沢一郎氏らのグループが離党するなど、政策の遂行や党運営をめぐって内紛が絶えなかったのも有権者の民主離れの第2の理由だ。 第3は、統治能力の欠如である。鳩山由紀夫元首相が沖縄の米軍普天間基地の移設で「最低でも県外」と約束、その後、軌道修正するなど発言が迷走し、米側の不信も招いた。菅直人前首相も東日本大震災への対応で官僚組織との関係がギクシャクするなど、政権をうまく運営できなかった。 今回の有権者の投票行動は、民主党政権への業績評価投票だったが、もっと厳しい「懲罰投票」だったといえる。党内の合意形成ができず、政治主導の掛け声倒れで官僚機構を使えず、外交もうまくいかず、未熟さをみせつけ安定性を欠いた民主党政権に不合格点がついたのは当然だ。 前回衆院選での308議席から5分の1以下の勢力になった民主党だが、選挙に向けて離党者が相次ぎ、多くの落選議員を出したことはむしろ再出発への好機だ。選挙のために非自民の一点で集まっていたのを転換、理念を共有する政党に脱皮すべきだ。この失敗を教訓に再起を期してほしい。 それでは、政権に復帰する自民党が有権者から高い評価を得たかというと、決してそうではない。政党乱立の中での消極的な選択で議席を大きく伸ばしたことを自覚すべきだ。 野合批判を招いた日本維新の会と、政党の看板替えとの印象を与えた日本未来の党が、にわか仕立てで、さらに民主党の自滅もあり、行き場に困った有権者が自民党に雨宿りした面があった。 民主党・第三極の候補者がしのぎを削り、自民党が漁夫の利を占めた選挙区が多数あったのも自民党に実力以上の議席を与えた。 制度上の問題として、わずかの得票差が大きな獲得議席差につながる小選挙区選挙の特徴がある。05年の郵政選挙、09年の政権交代選挙と同じ結果で、選挙制度の見直し論議に火がつくのは必至だ。
安定への決戦は参院選
社会的な背景として、尖閣諸島や竹島の領有権をめぐる中国、韓国との対立が保守的な雰囲気をもたらし、それが自民党を利する結果につながった。 内外の課題を速やかに解決していくため、安倍総裁は強力な内閣と党の体制をつくる必要がある。 参院では自公で過半数に届かない中、衆院で3分の2を確保し、参院が法案を否決しても衆院での再可決で成立が可能になるとしても、むずかしい国会運営がつづく。来年4月に任期切れとなる日銀総裁など国会同意人事は衆参両院での承認がそれぞれ必要になる。 自公両党は課題ごとに他党の協力を求めていく方針だが、消費増税でできた自公民の枠組みを生かしながら、案件処理にあたることも求められるだろう。 自民党が政権公約通りに「日本を、取り戻す。」には、決戦となる夏の参院選を経て、どのように衆参両院を通じた多数派を形成するかがカギだ。今の日本に何よりも必要なのは政治の安定である。 「決められない政治」から早く抜け出さないと、政党政治だけでなく国家の将来そのものが危うくなっていることを、新選良たちは肝に銘じるべきだ。(引用ここまで)