以下の記事を書いたところ、コメントをいただきました。ありがたいことです。小泉氏の発言の変化について、愛国者の邪論は承知してはいましたが、その記憶は、確かなものではありませんでした。その理由については、
すでに過去の政治家であったこと、3.11直後から5月前後は、今後の原発をどうするかよりも東日本大震災の復旧と放射能汚染問題の対策に大きなエネルギーを傾注していたからでした。地域の人々に対して募金活動に専念していました。また小泉氏が発言した頃は、数値的には直後よりは減ってはいたものの、放射線が、まだまだ大量に飛び散っていた頃でした。愛国者の邪論の地域では、線量計機器を使って計測が始まったのは8月後半でした。購入まで時間がかかりました。地域で学習会を開いたのは10月初旬でした。小泉氏の発言が、ファイルに記録されていない理由は、こうした状況を反映していたように思います。
そこで、調べ、確認してみました。ありがとうございました。そこで記事を書くことにしました。
原発ゼロを表明した小泉元首相をもてはやし、共産党を黙殺するマスコミ、政権構想を発表しない共産党!(2013-10-06 12:07:56)
Unknown (tok) 2013-10-08 11:28:33
ご存知ないようですが、小泉元総理は2011年5月の講演で既に脱原発を言い、その際に、過去の自民党の原発推進は誤りがあった、と認めていますよ。それと、共産党の各議員は小泉発言に賛同しているBlogを書いている人が何人もいます。(引用ここまで)
愛国者の邪論の問題意識は、第一に、小泉氏の原発ゼロ発言に注目したことです。脱原発発言ではありませんでした。それは、先の総選挙の際の各党の政策をみると、「即時ゼロ」「原発ゼロ」「脱原発」「卒原発」など、様々の表現・政策がありました。マスコミも、今回の小泉氏の発言を「脱原発」と表現しているものもあります。非常に曖昧な表現です。大谷氏の指摘は、そのことを象徴しています。これでは国民は受け取り方は、混迷するだけではないでしょうか。
脱原発 各党の姿勢は? 反原連ポスター - 日本共産党中央委員会 2012年11月24日
本来は、即時ゼロか、原発容認・再稼動か、この選択しかないのに、「中間的な脱原発」「可能な限り速やかにゼロ」などが入ることで、有権者の意見が分裂したのではないでしょうか。有権者の原発は良くない、しかしエネルギーはどうするのか、という「心配」を反映したものであることは理解できます。しかし、迫り来る巨大地震の脅威と原発の危険性と放射性廃棄物の脅威を考えれば、選択肢は、ハッキリしています。妥協は有り得ません。フクシマはそのことを教えてくれたはずです。しかし、選挙の実際は、二つの道の選択ではなく、「多様な選択祇」を提起し、その結果、容認派・再稼動派が多数の議席を獲得しました。いつものとおりですが・・・。
「脱原発『あなたの選択』キャンペーン」のサイト http://coalitionagainstnukes.jp/?page_id=1855
ちなみに公明党はどうだったでしょうか。非常に曖昧です。姑息な手法と言われても仕方のない日本語が滲み出ています。以下ご覧ください。
朝日新聞デジタル:公明、脱原発を公約化 「可能な限り速やかにゼロに ... 2012年11月17日
以上の状況を反映して、参議院選挙の時は、以下の石破幹事長のような発言が出でくるように、焦点がぼかされてしまっていました。この焦点ボケで、一番喜んでいるのは誰でしょうか。明白です。といいうように、小泉氏の脱原発発言については、注目に値するものではなかったのでした。そのことも付け加えておく必要があるように思います。
自民、原発ゼロに反対=公明·野党は「目標」-幹事長討論会 - 時事通信社 2013年6月29日
原発政策 | リアルタイム 公明党の今を解説 | 公明党 2013年7月5日
愛国者の邪論の問題意識の第二は、謝罪問題です。口では、反省も謝罪もしているからと言って、それを信じることはできないというスタンスです。小泉氏もそうです。自民党の河野氏の場合とは、少しどころか、大変違っていたように思います。何故か。前回の記事でも書きましたが、共産党の追及を黙殺し原発推進をしてきた責任をどのように反省し、謝罪し、教訓化し、政策を改めていくかです。小泉氏は、一国の首相だったのです。具体的に何を反省し謝罪するのか、謝罪したのか、です。
更に言えば、小泉氏の場合は、イラク戦争を支持し、アメリカ軍兵士によるイラク国民殺害に加担した張本人です。更に言えば、自民党をぶっ壊すと称して郵政改革をはじめとした構造改革を行なってきました。その結果がどのような事実をもたらしたか、その責任は、誰にあるか、明瞭です。こうした政治の結果に対して、一国の首相の言葉のもつ重みは、地球の重み以上のものがあることは明らかです。小泉氏の首相在任中にどれだけの国民が自死を余儀なくされたか、明瞭です。
それでは、以下、報道された小泉氏の言葉をみれば、「過ちがあった」ことは認めているものの、「自民党政権時代も原発の安全性を信用して推進してきた」とあるだけだけです。原発の安全性を信用せず、自民党の原発推進政策を批判し、その変更を求めてきた国民もいたのです。しかし、小泉氏は、そのような声に耳を傾けることはしなかったのです。そのことを不問に付しての発言であることを、確認しておく必要があります。
小泉元首相の発言集がまとめられていましたので、ご覧ください。小泉氏は、この発言を見る限りでは、被災者に対して、また原発反対派の問題提起に対して拒否をしてきたことなどに対して、謝罪も反省も、教訓化もしていないのです。特徴的なことは、ここでも、オレが、オレが思想です。こうした問題に対して、マスコミ各社がどのように質していくか、不明です。
小泉純一郎元総理の今までの脱原発に関する発言まとめ - NAVER まとめ
愛国者の邪論は、以上の事実を前提にして記事を書いたのでした。
「原発の安全性過信」原子力政策で小泉純一郎元首相が自戒の弁/横須賀 http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/869.html
投稿者あややの夏 日時 2011 年 5 月 29 日 04:43:54: GkI4VuUIXLRAw
(回答先: 小泉元首相「これから原発を増やすのは無理」 投稿者 あややの夏日時 2011 年 5 月 29 日 04:39:58)
カナロコ 5月28日(土)23時30分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110528-00000037-kana-l14
小泉純一郎元首相は28日、横須賀市内で特別講演し、福島第1原発事故に関連して「自民党政権時代も原発の安全性を信用して推進してきた。過ちがあったと思う」と自戒の弁を述べた。29日まで開催している「日本食育学会・学術大会」で、「日本の進むべき道」と題して特別講演をした。小泉元首相は「原発は安全かといえば必ずしもそうではない」との認識を示し、今後の原子力政策については「これからはもう原発をさらに増やすのは無理。原発への依存度を下げ、自然エネルギーの開発促進をしていくべきだ」と持論を展開した。「日本は終戦後、いろいろな困難を克服してきた」と振り返りながら、「東日本大震災は大ピンチだが、世界は日本の状況を注目している。発想を変えてこのピンチを乗り越えていくんだという姿勢を見せ、チャンスに変えなければならない」と強調した。(引用ここまで)
小泉元首相「これから原発を増やすのは無理」
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/868.html
読売新聞 5月28日(土)20時0分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110528-00000619-yom-pol
小泉元首相は28日、神奈川県横須賀市で講演し、東京電力福島第一原子力発電所の事故に関し、「自民党政権も原発を推進し、過ちもあった。これから原発を増やすのは無理で、大事なのはいかに原発への依存度を下げていくかだ」と述べ、エネルギー政策の転換を求めた。
また麻生元首相は28日、東京・世田谷の国士舘大で講演し、「(菅政権の対応は)極めて稚拙で、原発を作っているすべての国の信頼を失った。(菅政権は)限度を超えた、ということになりつつある」と語った。(引用ここまで)
<小泉元首相>原発事故 自民政権時代の責任に言及
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/870.html
投稿者あややの夏 日時 2011 年 5 月 29 日 04:46:39: GkI4VuUIXLRAw
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/870.html
毎日新聞 5月28日(土)20時18分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110528-00000077-mai-pol
小泉純一郎元首相は28日、神奈川県横須賀市の県立保健福祉大学で行われた「日本食育学会・学術大会」で講演し、東京電力福島第1原発の事故に関連して「自民党政権時代にも原発の安全性を信用して推進してきたが、過ちがあった」と語り、自民党政権時代の責任に言及した。小泉元首相はさらに、「原発を増やすのは無理。原発依存度を下げ、自然エネルギーの開発に力を入れるべきだ」と述べ、「既存の原発に安全対策をし、住民理解を得たものは維持、そうでない危険なものは廃炉を進めなければならない」と語った。【田中義宏】(引用ここまで)
こうした小泉氏の無反省ぶりは、安倍首相にも受け継がれていました。安倍氏の場合も、口では安全神話推進などについて、謝罪を口にしています。反省もしています。しかし、実際にやっていることはどうでしょうか。
政治転換を迫る 志位和夫(日本共産党) 代表質問 - Dailymotion動画 2013年2月1日
志位委員長の代表質問 衆院本会議 - 日本共産党中央委員会2013年2月1日
1月31日 衆議院本会議 代表質問 志位和夫議員·安倍晋三内閣総理大臣 2013年2月4日
11党党首討論会 - 日本記者クラブ - [PDF]
愛国者の邪論の最後の問題意識は、小泉氏の問題意識の不十分さがあったとしても、原発ゼロで、本当に動くのであれば、また国民自身が、ゼロを求めているのであれば、共産党も「一点共闘」論を使うべきでしょう。同時に、この小泉発言を契機にして原発即時ゼロの機運を高めていくべきです。小泉氏に申し入れをして、志位・小泉会談が行なわれれば、画期的です。新しい流れができるのではないでしょうか。各地の共産党議員の方々のブログで紹介されていても、東京の本部が、どういう方針を確立するか、です。だからこそ、強調しているのです。
かつて、宮本顕治・池田大作会談があったことを想起すれば、このことは可能なことです。幕末で言えば薩長同盟から薩長土同盟、さらに薩長土肥同盟へ、こうして多くの諸大名が合流して「倒幕」から「討幕」へ、文字通り「維新」されていった歴史があります。戦前の中国で言えば、抗日民族統一戦線としての国共合作、ベトナムで言えば抗米救国統一戦線としての南ベトナム民族解放戦線、世ヨーロッパで言えば反ファシズム統一戦線などがあります。思想信条を異にする個人団体が一同に会して結成した経験です。最近の大阪で言えば、「反維新統一共闘」論にもとづく選挙闘争があります。これは60年代から70年代の、いわゆる「革新自治体」運動の経験が教訓化されています。
以上の問題意識で、書かれたのが前回の記事でした。つづく