つづきです。
それでは、以下の文書をご覧ください。18年も前の文書です!
「支部が主役とは」(第20回大会第4回中央委員会総会―95年10月)という文書です
三 支部が主役となる選挙を
つぎに、支部が主役となる選挙戦の問題についてのべます。全党の力を全面的に発揮して選挙戦をたたかうためには、支部が主役となる選挙戦に徹することを、ひきつづき重視しなければなりません。
「政策と計画」と 総選挙戦
党の支部は、職場、地域、学園に責任をおう党の基礎組織であり、長期的には、そこで生活し活動している人びとの多数者を、党と革新の事業に結集するという根本的な任務をもっています。そして、選挙戦はその任務を実現してゆく政治的な節目をなす活動であり、当面、有権者比の得票目標を実現することは、あらゆる選挙をつうじて一貫して追求されるべき課題です。党が「政策と計画」をもった支部活動を重視してきた根本もこの点にあります。……「政策と計画」をもっての活動にあたっては、総選挙での躍進を正面の任務にすえ、必要な具体化や補強をはかりながら、自覚的な活動の発展に力をつくしてゆく必要があります。
そのためにはつぎの点が欠くことができないものとなります。
(1)総選挙戦にむけて、支部のとりくむべき有権者比の得票目標をあらためて明確にすること。
(2)この得票目標の達成のための選挙戦の計画をたてること。このなかでは、数字的な計画だけでなく、(イ)「赤旗」号外や選挙中の法定ビラを確実に配布する段どりや、日本共産党の姿をおしだす政党ポスターをはじめ各種のポスターを機敏に効果的に張りだす段どり、支部主催の演説会や小集会の開催など、全有権者規模での宣伝の計画、(ロ)「赤旗」読者や後援会員に選挙戦への協力をもれなくお願いする段どりをたて、単位後援会がまだできていないところは後援会をつくる具体計画をもつ、(ハ)これまでよりもひとまわりもふたまわりも広い有権者に対話の輪をひろげ、支持をお願いする対話・支持拡大計画、
こういうことを具体的に話しあい、きめてゆくことが大切であります。
(3)有権者比得票目標実現への重要な柱として、機関紙と党員の拡大の計画をたてること。機関紙は、九三年総選挙時比三割増をめざすことを共通の最低目標にしますが、有権者比、労働者比の現状をはっきりとっかみ、この面で得票目標の達成にせまる積極的な拡大目標を意欲的にたてることを重視します。党員では、青年党員の拡大を重視し、支部活動のなかでも、民青同盟員の拡大と民青班の確立を、意識的な目標としてあわせて位置づけるようにします。
(4)支部がどのような大衆要求をとりあげてたたかうか、大衆活動と大衆組織をどう発展させるかの検討をかならずおこない、この面で「政策と計画」を具体化します。安保・沖縄問題などの国民的なたたかいを草の根でどう発展させるか、「消費税をなくす会」をどう拡大するか、こういう問題は全国的にいよいよ重要になっていますし、経営支部では職場革新懇をつくることも検討する必要があります。
「政策と計画」をもつという方針の大事な特徴は、それが「二本足の党活勲」(現在は「車の両輪」と言っている・愛国者の邪論)の支部での具体化だという点にあり、この面にも大きく目をくばった指導と援助が大切であります。
支部活動の本格的な発展のために
選挙戦にすべての支部がたちあかって力をだしてゆくためには、「政策と計画」の指導とともに、体制がくずれている支部への援助をはじめ、支部の組織と活動そのものを本格的な発展の軌道にのせる努力と指導を重視すべきであります。
党中央は、九月に首都圏などの党支部を対象に「すぐれた支部の経験をきく会」をひらき、そこでの教訓をつぎの七つの共通点に整理して、九月の都道府県委員長会議に報告しました。その七つとは、
(1)党の政治単位としての自覚をもち、職場、地域を変える生きた政治目標をもって活動していること、
(2)「政策と計画」をもち、「二本足の党活動」の両方を自覚的・系統的にすすめる努力をしていること、
(3)要求活動に活発にとりくみ、地域・職場新聞やハンドマイク宣伝など、「党の姿が見える活動」を重視していること、
(4)対話などの結果を「政治地図」や台帳に日常的に整理・補充して、大衆とのむすびつきをひろげ発展させる生きた力にしていること、
(5)党勢拡大に持続的にとりくみ、有権者比の機関紙拡大目標をもって、毎月減らさず前進する特別の努力をしていること、
(6)さまざまな工夫と努力をこらして、支部会議の週一回の定例化を支部活動の軸にすえていること。会議では多くの時間を学習にあてるようにしていること、
(7)支部指導部をきちんと確立し、連絡連帯網をつくり、一人ひとりの同志の初心を大切にし、「理性と人間性」のみなぎる人間集団として成長する努力をしていること、
であります。
これは、すべての支部がめざす目標になるものですが、ここでとくに強調したいのは、週一回の支部会議の確実な開催が、支部活動を軌道にのせるうえで、とりわけ重要な意義をもつという点であります。「経験をきく会」では、この点についても、多くの経験がだされました。ある経営支部は、「会議は絶対に流さない」ことを原則にし、「職場労働者の利益をまもるうえでも、一週間に一回はみんなで顔を合わせよう」「なんでも話せる支部会議にしよう」など、週一回の会議の意義と必要性そのものをおおいに議論し、全党員がその意味をつかむようにして活動していることが報告されました。また、出席した人が元気になるように、会議の時間の半分は学習にあて、担当者がよく準備して、実際に元気がでるような討論をおこなっている経験、困難な同志の条件を考えて、会議場所や交通の車の問題、昼班と夜班に分けるなど、みんなが参加しやすくすることに注意をはらっている経験、会議できまったことはもちろん、会議にでられなかった党員の活動状況も「支部ニュース」で紹介して、みんなががんばっている様子がいつも支部の全員にわかるようにしている経験など、さまざまな貴重な活動がこもごも報告されました。
支部会議の定例化というのは、それだけの努力をはらう値うちのある重要な課題であります。ここの乱れから支部活動のくずれがおきたということは、全国に多くの苦い経験があります。党機関の側からの支部指導にあたっても、すべての支部が支部会議を軸に生きいきと活動できる状況をつくりだすために、ここに特別の努力をそそぐ必要があります。この問題では、第二十回党大会の規約改正で、「支部会議を原則として週一回定期的に開催する」ことを、規約のうえでの基本問題として明記したことを、あらためて思いおこしたいのであります。(引用ここまで)
もう一つは、「機関」と言われている部署のあり方の問題です。
党規約第36条4項
「支部活動を指導する直接の任務をもつ指導機関として、支部への親身な指導と援助にあたる」(引用ここまで)
日本共産党 第25回大会決議(2010年1月13日~16日)
ヘ、機関の政治力量と態勢、財政活動の強化
「支部が主役」の党活動を発展させる党機関の指導と態勢の問題については、2中総決定、3中総決定、8中総決定などで解明した方針が重要である。とりわけ、地区委員会の確立・強化をはかることは、その要となる重要な課題である。…党機関の指導姿勢として、綱領と党の方針を正確に全党のものにする指導とともに、「聞く力」が重要である。支部と党員の置かれている条件、悩み、要望などに真剣に耳を傾け、心を寄せ、ともに困難を打開していく姿勢が大切である。(引用ここまで)
第25回大会 第4回中央委員会総会 志位委員長の幹部会報告(2011年12月3日)
「党機関は支部へ、支部は国民の中へ」――党機関の指導の改善と刷新の努力を
第五は、党機関の指導の改善と刷新への努力をはかることです。
2中総、3中総後の実践は、「党機関は支部へ、支部は国民の中へ」という党機関の指導改善・刷新の取り組みが、全支部、全党員が参加する党活動をつくるうえで、重要なカナメとなっていることを示しています。10月におこなった「地区委員長アンケート」では、改善と前進の教訓とともに、悩みも寄せられました。「機関会議での政治討議の大切さはわかるがうまくいかない」、「地区役員が支部の援助・指導に入れない」――とくにこの二つが悩みとして多く寄せられました。 「党機関の政治討議」という点では、全国的な情勢の特徴が、その県、地区内にどういう形であらわれているのか、国民との接点でよくつかみ、リアルに出しあう。党機関メンバーが「連続教室」を受講し、自由に感想を出し、大所高所から世界のこと、日本の政治を、論じ合う気風をつくる。この両面から政治に強い機関になるよう努力を重ねたいと思います。 「支部に入る」という点では、まず支部に足を運び、話をよく聞き、実情をつかむことからはじめようではありませんか。そして、支部への個別指導を担当の「地区委員まかせ」にせず、集団で検討し、知恵を出し合い、党機関としての指導責任を果たすようにしようではありませんか。(引用ここまで)
地区委員会の指導とは何か
第15回大会決議
(3)個々の党員からだされる意見や訴えによく耳を傾けるとともに、党外の大衆からの依頼、要望、意見についても、できるだけ機敏に対応することはもちろん、党事務所や党機関の日常的マナーとして、親切で謙虚でなくてはならない。反動勢力とその手先にたいしては勇敢に、勤労者、国民大衆にたいしては謙虚に、という二つの態度は、わが党の党風として定着させなければならない。第三に、党の活動における官僚主義を一掃し、党員や党支部の自発性を発揮させるということは、分散主義、自由主義の放任を許すことではけっしてない。党内民主主義を保障して党員と党組織の積極性、創意性をたかめるとともに、党員の自覚と規律にもとづく全党の統一と団結を堅持し、共通の政策と方針、集中的指導のもとに、統一政党として活動することは、わが党の力の最大の源泉をなすものである。(引用ここまで)
第16回党大会中央委員会報告
わが党が、党風確立の第一にあげてきたのは、党外の大衆にたいする態度の問題であります。・・・また、支部の運営や活動についても「つねに党外の大衆の要求に耳を傾け、その要求の解決を支部(当時は細胞)で問題にすること」、全党的な政治的組織的課題についてもその見地からの具体化を重視することなどを、支部生活の合理的積極的建設およびその新鮮化の前提の第一として指摘しました。この党風を堅持することは、日本国民の現在と将来に自主的な責任を負い、大衆との緊密な結びつきをその活力の最大の源泉とする大衆的前衛党として、どんな課題にとりくむ場合にも、けっしてなおざりにしてはならない問題であります。
第二は、真のヒューマニズムと同志愛にみちた党生活を確立する問題であります。・・・もしかりにこの集団が、同志としての信頼もあたたかい友情もなく、ただ実務的、行政的な関係だけで結ばれている集団であったとしたら、このような組織が、前衛党としての活力を十分に発揮しえないことは、あまりにも明瞭であります。・・・党員の活動上思想上の弱点や欠陥、誤りを克服する問題でも、打撃的でなく、真の同志的精神にたった相互批判および相互の啓発と向上、さらに一人ひとりの党員の共産党員らしい率直な自己分析、こういう態度で解決してゆく党風こそを、すべての党組織が確立すべきものです。
また“変革の党”のこの精神を、日々の党活動の具体的な指針として追求することも、党風確立の重要問題であります。・・・変革の精神とは両立しえない各種の保守主義やマンネリズムが、しばしば党活動のなかに生まれ、放置しておくと、それがきわめて重大な欠陥にまで成長しうることを、重視しなければなりません。・・・さらには党活動の従来のやり方をただ無批判に習慣的としてくりかえすだけで、そこにどんな大きな欠陥があっても当然のこととしてかえりみない惰性的な保守主義などは、その典型的なあらわれであります。こうした傾向を、党活動と党生活のすべての分野からなくしてゆき、つねに新鮮で大胆な変革の精神を党組織にみなぎらせてゆくことも、大きな課題であります。(引用ここまで)
浜野忠夫『国民に開かれた党へ』(新日本出版社刊)
②党機関の相互関係
党機関の相互関係をどう表現するかについて、いまのべたような点の努力をしました。私たちは、いままで上級・下級という言葉を気軽に使ってきましたが、中央委員会から支部にいたるまでの党機関・党組織の相互関係は、基本的には共通の事業にたずさわるもののあいだでの任務の分担、機能の分担という関係であって、職責によって責任の重さ、広さという点には違いはありますが、その関係は規約に規定された組織上の関係であって、身分的な序列を意味するものではありません。中央委員のほうが都道府県委員よりも偉いんだということではなく、それぞれの任務分担なんだということです。この基本的な見地を適切に表現することで、党機関の呼び方などについても、細かいことのようですが、より厳密に整理をおこない、それぞれの条項の改定をおこないました。新しい規約が、党の民主的な気風を発揮していく点でも心配りしているゝことを見ていただきたいと思います。(引用ここまで)
どうでしょうか。どんな立派な綱領と規約、政策を持っていても、それを実践する人間と集団が、どのように実践しているか、日々問われているのです。これは日本国憲法を活かすか、形骸化させるかという視点も同じです。まさに「不断の努力」は求められているのではないでしょうか。まさに、諸力の総体としての人間の、人間力の問題が鋭く問いただしているのではないでしょうか。
そういう点では、以下の支部の活動は大変共感できました。全国すべての草の根の支部が、このような支部になっているか、どうか、この教訓を赤旗が報せているか、どうかです。またその他の支部が、このような支部から学んで、自分の地域や職場や学園に具体化していこうという気概と実践力があるかどうかです。愛国者の邪論は、全くと言って良いほど情報を持ち合わせていません。
もう一つは、戦前の軍隊組織の致命的欠陥について、です。これについてはすでに放映されています。
日米開戦を語る 海軍はなぜ過ったのか <NHKスペシャル 日本海軍 400 ... 2013年8月25日
著作で言えば、以下が参考になりました。
『日本海軍400時間の証言 軍令部・参謀たちが語った敗戦』(新潮社2011年7月刊)
『日本海軍はなぜ誤ったか 海軍反省会400時間の証言より』(岩波書店2011年12月刊)
『責任なき戦場 インパール』(角川文庫1995年7月)
日本の軍隊組織の在り様が、そのまま継続・継承されているのが、現代日本のあらゆる組織ではないかと思います。霞ヶ関、地方自治体組織、警察・消防・学校もそうですが、あの天下のみずほなどにみる大企業と言われる会社にして然りでしょう。ブラック企業においては、また体罰で問題となった部活動など、まさに軍隊組織そのものです。「倍返し」に共感が寄せられる背景に、こうした実態があるのではないでしょうか。
勿論、真逆の組織があることまで否定はしません。それにしても、日本における組織に汚染されている傾向として軍人勅諭・戦陣訓 思想が随所で散見されているということです。その最大の欠点は官僚主義と民主主義否定と無責任です。「ほうれんそう」という言葉は、その象徴です。
民主主義は、時間がかかるものなのです。「費用対効果」を求める現代日本にあっては、軍隊組織の在り様を使った方が効果が上がるという「神話」があるのです。しかし、これが日本的組織の最大の欠点であり、これは労働組合をはじめとして政党にも汚染されているのです。まさに日本的文化となっているのです。これを一つひとつ変革していくのです。歴史的にみれば、可能でしょう。この営みは・・・。そこに確信をもつかどうか、ではないでしょうか。