愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

憲法を根底から否定する安倍首相に退場勧告もせず何を期待?国民が期待するのは暮らし!否定するのは?

2014-02-15 | 日記

昨日と今日の北海道新聞の社説を読み、日本のマスコミ・言論会の深刻な事態を見る思いがしました!それは、以下のテーマです。

国会憲法論戦 危うさ増す首相の姿勢」(14日)

「解釈改憲論 与野党から『異議あり』」(15日)

です。

それでは、何が問題か、検証してみます。

1.「首相の前のめりな姿勢が目立つ」と言いますが、「前のめり」とは、抽象的・曖昧です。マスコミお得意のはぐらかしです。何故、「憲法改悪論者」であることをはっきりと言わないのか!「改憲」と「改悪」では、その意味するところは、大違いです。ゴマカシは許されません!安倍首相がどっちか、明らかです。

2.「問題点には正面から答えようとしない」安倍氏は、首相としてふさわしいか!このことを曖昧にすることが、安倍首相の身勝手を放任しているのです。違うでしょうか?

3、「なし崩し的に9条の解釈変更に進むことは到底容認できない」ということは当然ですが、そもそも解釈改憲・改悪を容認してきたのは、誰だったのか!憲法9条ができたとき、どのように解釈し、その後、「逆コース」のなかで、どのように解釈が「変更」されてきたか、戦後史を総括する必要があります。内閣法制局がつくられたのも、専守防衛論ができたのも、どのような「変更」があったか、そのことが鋭く問われているのです。

4.「武力行使を厳しく制限することで平和主義を貫くのが憲法の理念だ」というのも、一見するともっとものようですが、そもそも、「厳しく制限する」のではなく、「武力行使」は「永久に放棄」するというのが、「憲法の理念」です。意図的に、言葉をスリカエているのです。情勢にオモネッテいるのでしょうか?北海道新聞たるものが、情けないというほかはありません。

5.「安易な理由づけで骨抜きにしては「立憲主義」が成り立たなくなる」というのも、同じです。そもそもこの国の「立憲主義」という「権力の規制装置」は、安倍氏などに見るように、ズタズタに切り裂かれてきたというのが、今日の実態です。大手術が必要です。さもなければ、さらに、血液が体内から垂れ流されていことでしょう。そのためには、原点に立ち返ることです。なし崩し・形骸化は断固として排除すべきです。

6.さらに、「首相はそのこと(立憲主義)肝に銘じるべき」と言っていますが、安倍氏は「肝に銘ずる」でしょうか?「首相は現憲法の規定にのっとって選ばれた」などと、諭していますが、「従来の議論の積み重ねなど眼中にないかのようである」と書いているのです。「かのようである」などという段階をはるかに通り越しているのです!しかも、「憲法を根底から否定する態度」を明らかにしているのです。「理解に苦しむ」などと、言っていられる状況でしょうか?呑気なもんです!

7.安倍氏の国会を「軽視するような態度に危機感を抱いた」「与野党」から批判の声が上がったことを紹介していますが、「与野党」とは、民主・公明・自民・維新・みんなしかあげていません!この「与野党」だけで、社説の文章が成り立っているとしたら、大問題でしょう。ここにゴマカシがあるのです。北海道新聞にして、この程度なのです!

8.だから、「首相の暴走を止めるのは、与野党を問わず国会の責任だ」などと、自らの責任を棚上げし、さらには、憲法の理念の土台である「主権在民主義」にもとづく国民の責任については、眼中にないのです。国民不在の容認です。国民が意見を言う、参政権を行使することを恐れているのでしょうか?国民は選挙の時だけ、権利を行使すれば、良いとでも考えているのでしょうか?

9.「各党とも党内に課題を抱えているが、議論を深め、立法府としての責任を果たしてもらいたい」「与野党ともに注意すべきなのは、時の政権の判断で憲法解釈の変更が繰り返されれば、最高法規としての憲法の安定性が損なわれることだ」などと、第4の権力としてのマスコミの果たしてきた役割、権力監視のジャーナリズムとしての責任を問うことなく、憲法解釈が自民党によって繰り返されてきたことを不問に付して、「与野党」一般論で、政治不信を煽り、責任を転嫁し、上から目線の評論を書くのです。

10.そして極め付きは、「国際情勢が激変している」とか「脅威は国境を越えてやってくる」との「言葉に惑わされてはならない」とまで述べているのです。全くそのとおりです。しかし、このような「脅威」論を垂れ流してきたのは、誰か、その「脅威」論に対抗するための「抑止力」論、「公共財」論としての日米軍事同盟については、廃棄ではなく、容認してきたのは、誰か?曖昧にすることはできないでしょう。

以上、北海道新聞の2日間にわたって書かれた社説を検証してきました。この安倍発言や武器輸出三原則の否定について、社説を書いたマスコミが少ないなか、アッパレ!かも知れません。しかし、それでも批判しなければならないのは、安倍首相の土俵のなかでの論理展開となっているからです。その奥深いところに何があるか、明瞭です。

安倍首相に対して、上記にあげたような評価をしていながら、北海道新聞は、退場勧告もしないのです。「説諭」で大丈夫だと思っているのでしょうか?

このことは、「自共対決」論を吹聴している日本共産党においても、同じです。皆、「情勢読み」なんでしょうか?もしそうであるとすれば、まさに「日和見主義」と言えます!国民の苦悩の進行と憲法否定の安倍首相の挑発的言動は、非和解的矛盾であることを大宣伝し、国民の要求を根こそぎ拾い上げて、政権交代を求めていくべきです!チャンスを逃す責任は、歴史のなかで、痛打を浴びることになります!

追記:その点で、大阪の共産党の、今回の見解は、そのとおりです!大アッパレ!この視点を、安倍内閣に使うべきです。他党に呼びかけましたよね。対抗馬について。大阪市の政権構想を、「与野党問わず」「思想信条の違いを問わず」打ち出して、市民的議論で、橋下市政に変り得る構想を全市民参加の下でつくるべきです。

ということは、全国各地で、同じことをやるべきです。山口も、そういう意味ではチャンスでしたが、仕方ありません!?もちろん国政においても、です。そうして解散に追い込むべきです。「選挙」を橋下氏も、安倍氏も口に出しているのですから、「選挙」という「レッドカード」を突きつけるべきです。