自衛隊最高幹部の学校における憲法尊重擁護の義務教育はどうなっているのか!
自衛隊の幹部を育てる、昔風に言えば陸軍・海軍大学で、言わばエリート層である某大学で不祥事が起こりました。しかし、テレビを観ていると、この問題は全くと言って良いほど、報道されていません。
そこで、何が問題か、少し系統的に記事にしながら検証してみることが大切かなと思いました。今日のところは、記事のみにしておくことにします。これから実家と友人の墓参に参りますので、これにて失礼致します。明日新たに記事をつくります。ご容赦のほど、よろしくお願いします。
東京新聞 「防衛大で上級生が暴力」 2年生、告訴へ 2014年8月4日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014080402000124.html
防衛大学校(神奈川県横須賀市)二年生の男性(19)が、上級生から受けた暴力で抑うつ症状になり、病欠に追い込まれたとして、近く傷害容疑で上級生らを刑事告訴する。男性は「学校に相談しても、解決に動いてくれなかった。もっと人間を大事にする組織に変わってほしい」と訴えている。 (三浦耕喜)
男性によると、暴力を受けるようになったのは、今年五月初旬、届けを忘れて帰省し、大学側から注意を受けたのがきっかけ。寮生活で指導役を務める四年生から殴る蹴るの暴力を受け、同級生の二年生二人からも暴行されたという。
校内のカウンセラーに相談したが、男性は「頑張って耐えるようにと指導するだけで、何も動いてくれなかった」と振り返る。家族が教官に抗議すると、男性は四年生らから謝罪を受けた。その後、他の生徒たちから、一年生に課された掃除を押しつけられるなどの嫌がらせを繰り返し受けるようになった。
抑うつ症状に陥り、五月下旬に福岡県の実家に戻った。大学側から病欠の手続きで必要と求められ、地元の自衛隊病院で受診したが、男性は「医師に暴力を説明しても、診断書はそれには触れず『進退の悩み』と書かれた」と不信感を募らせている。
防衛大総務課は、本紙の書面による取材に「個別案件に答えることは控える。暴力による指導はあってはならないと、日頃より指導教官から各学生に指導している」などと回答し、具体的な説明は避けた。
防衛大は自衛隊幹部を養成する教育機関。自衛隊員の自殺をめぐる過去の訴訟では、上官や先輩隊員からの不当な制裁が自殺の原因だったとする司法判断が相次いで出ている。今年五月には、海上自衛隊「たちかぜ」の乗組員のいじめ自殺について、国などに約七千三百五十万円の支払いを命じる判決が確定した。
男性と家族は、たちかぜの訴訟の原告代理人を務めた岡田尚(ひさし)弁護士に相談しており、告訴対象を絞った上で七日にも警察か検察に告訴する。岡田弁護士は「自衛隊のいじめ体質は、厳しい上下関係の中で固定化している。組織内で問題を抱え込み、外に出さない実態がある」と指摘している。(引用ここまで)
毎日新聞 防衛大:暴力で抑うつ状態に 上級生ら刑事告訴へ 2014年08月04日 11時27分(最終更新 08月04日 13時11分)http://mainichi.jp/select/news/20140804k0000e040135000c.html
防衛大学校の学生寮(神奈川県横須賀市)に入寮していた2年生の男子学生(19)が、上級生らに暴力を受けて抑うつ状態になり病欠に追い込まれたとして、週内にも傷害容疑で刑事告訴することが分かった。男子学生から相談を受けた岡田尚弁護士が4日、明らかにした。男子学生は現在、福岡県の実家で静養中。
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岡田弁護士によると、男子学生への嫌がらせは昨年夏ごろから始まった。今年5月初旬に届け出を忘れて帰省し、大学校に注意されたことがきっかけでエスカレートし、寮生活の指導役を務める4年生と同級生2人の計3人から殴られたり、蹴られたりしたという。
男子学生の家族が教官に抗議し、暴行に関わった学生からは謝罪を受けたが、別の学生から掃除を押しつけられるようになった。
男子学生は耐えきれずに5月下旬、実家に帰省。自衛隊病院で診察を受け、上級生らからの暴力を伝えたが、診断書は「進退の悩み」と書かれた。しかしその後、地元の2病院で再診察を受け、両院で「重度のストレス障害」と診断された。
自衛隊員のいじめを巡っては、東京高裁が海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」の男性乗組員の自殺原因をいじめと認定。国などに約7350万円の支払いを命じる判決が5月に確定している。
岡田弁護士はたちかぜ訴訟の原告代理人。男子学生は「嫌がらせを受け、校内のカウンセラーに相談したが、『頑張って耐えるように』と言うだけで何も動いてくれなかった」と書面で伝え、自衛隊病院に対しても不信感を募らせているという。岡田弁護士は「日常的に暴力が繰り返されていたとすれば問題。幹部候補生たちが無関心でよいのか」と話している。
防衛大学校は自衛隊幹部を養成する教育機関。学生の身分は特別職の国家公務員で全員が学内の寮に居住し、食事や手当、ボーナスなどが支給される。学生数は約2000人。防衛大学校総務課は「事実関係の把握に努めている段階でコメントできない。これから関係当事者を特定し、(暴力行為があったかなど)事情を聴く」としている。【水戸健一、田中義宏、斎藤良太】(引用ここまで)
産経 「防大は人権や命を大切にする人を育てて」上級生ら8人告訴の防大生の母 LINEには裸写真 2014.8.7 22:12 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140807/crm14080722120018-n1.htm
上級生らから暴行を受けてけがを負った上、ストレス障害を発症したとして、防衛大学校(神奈川県横須賀市)2年の男子学生(19)が7日、傷害と強要罪で上級生ら8人を横浜地検に告訴した。告訴状によると、男子学生は平成25年4月から26年6月、暴行を受けてけがを負った上、裸で腕立て伏せをさせられた写真を無料通信アプリLINEで流されるなどし重度ストレス障害を発症したとしている。
母親(49)は「防大は人権や命をもっと大切にできる方を本気で育ててほしい」と話した。(引用ここまで)
産経 遺影のような写真がLINEに…防大生が上級生ら8人告訴「日常的いじめ」「ストレス障害」2014.8.7 19:29 [暴行・傷害] http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140807/trl14080719290003-n1.htm
防衛大学校(神奈川県横須賀市)2年の男子学生(19)が7日、上級生らから暴行を受けてけがをした上、ストレス障害になったとして、傷害と強要の疑いで8人を横浜地検に告訴した。告訴状によると、男子学生は昨年春に入学。寮で暮らし始めた直後から上級生らの「指令」を拒むと下腹部に火を付けられたり、ことし5月上旬に休みの届けを失念したまま福岡県内の実家に帰省すると殴られたりし、やけどや打撲などのけがを負った。また無料通信アプリLINEで遺影のように加工された写真も流され、6月にストレス障害と診断されたとし「自衛隊の幹部候補生を育成する組織で公然と日常的にいじめがあることに非常に驚く」としている。(引用ここまで)
産経 防大暴力問題で防衛相、調査を指示 「あってはならない」 2014.8.5 12:52 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140805/crm14080512520008-n1.htm
防衛大学校(神奈川県横須賀市)2年の男子学生(19)が上級生らから暴行を受けて病欠している問題で、小野寺五典防衛相は5日の記者会見で「いかなる理由があっても暴力などでいじめと解されるようなことがあってはならない」と述べ、事実関係を把握するよう指示を出したことを明らかにした.小野寺氏は「防衛大は自衛隊の将来の幹部を養成する重要な機関。学校側として丁寧に対応し、このようなことがないよう今後も再発防止に努めるよう指示した」と話した。男子学生はストレス障害と診断され、近く傷害容疑で上級生らを刑事告訴する。(引用ここまで)
あってはならないことがたびたび起こるのは何故か!
小野寺防衛大臣の発言もありきたりです。この間の経過、不祥事の内容や回数などを考えれば、責任を問われて然るべきことです。しかし、この国は、天皇が戦争責任を取らなかったことに代表されるように、下々は責任を取らされるのに、上の人間たちは、いろいろな言い訳をしながら、自らの責任は不問に付しているのが、特徴です。こうした考えが、事件の原因や背景を曖昧にして、同じ過ちを繰り返している最大の原因なのです。こうした思想的特徴は、先史から学ばないということにも通じているのですが、このような日本的体質は憲法の人権と民主主義、平和主義、国際協調主義を活かしていくうえで最大の障害となっているのです。それは侵略戦争の反省のうえに制定された憲法をないがしろに、形骸化して否定しようとしている思想と一心同体と言えます。
そうした視点でみると、戦前の皇軍における新兵教育の悪しき伝統を受け継ぐ防衛大学という構図が浮かび上がってくるのですが、そのことは別の機会に検証してみることにします。少なくとも防衛大学において、人権教育がどのように行われていたのか、マスコミは、この事件を契機に検証すべきです。公務員、特に教育界の不祥事が起こるたびに、マスコミは学校におしかけ、中には生徒のインタビューまで報道するという熱の入れようです。大阪では、あの自殺した高校生の事件の時に、徹底して学校と教育委員会がバッシングされました。そのことの影響が子どもにどのように発展していったか、これも別稿で記事にしなければならないところですが、その是非はともかくとして、今回の防衛大学校の不祥事にあたっては、マスコミは、極めて臆病というか、知らぬふりをしているのです。このことがどのような意味をもっているか、明らかにしていかなければなりません。
その最大の弊害は憲法を活かすという視点です。いじめは人権侵害です。高尾人権侵害が恒常的に行われていたとするならば、防衛大学の卒業生は、卒業後に幹部として派遣された部隊において、隊員の人権を尊重できない幹部となることは明らかです。そのような幹部が下す命令がどのような非人間的なものになるか、想像すると、ゾッとします。以上のような視点で、違憲の自衛隊における人権と民主主義はどうなっているのか、検証してみたいと思います。