アベノミクス=マネーゲームで
国民の「財産」を切れ目なく不安定に!
年金運用損5兆円超 株安、5年ぶり赤字
公表は参院選後
2016年7月1日 13時57分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016070190135712.html?ref=rank
国民が拠出する国民年金などの積立金を運用する「GPIF」(年金積立金管理運用独立行政法人)が、二〇一五年度に五兆数千億円の運用損失を出すことが一日、正式に明らかになった。一四年秋以降に運用資産のうち株式に投資する比率を増やしたが、株式の下落で、一〇年度以来五年ぶりの赤字となった。GPIFが同日までに、一五年度の決算で損失を計上することを示した財務諸表を厚生労働省に提出した。
GPIFは例年七月上旬までに前年度の運用結果を公表しているが、今年は三週間ほど遅い参院選後の二十九日に発表する。五兆円程度の損失が出たとの試算をまとめた民進党は「選挙への影響を配慮した日程だ」と批判を強めていた。厚労省は「初めて保有銘柄を発表することにしており、時間がかかる」と説明している。
金融市場は、年明けからは円高株安の傾向にある。英国の欧州連合(EU)離脱問題直後は株価が急落するなど市場の先行きは不透明だ。
GPIFは一四年十月に投資する資産の割合を変更。従来は12%ずつだった国内株式と外国株式を計50%に引き上げた。一五年七~九月期の運用結果は七・九兆円のマイナス、十~十二月期は四・七兆円のプラスになるなど、短期間では株価に連動して評価損益の変動幅が大きくなっている。
野党の批判に対して安倍晋三首相は「政権交代後の三年間で約三十八兆円の運用益が出ている。運用は長期的な視点で行い、短期的な評価はすべきでない」と反論している。
<年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)>
国民年金や厚生年金の保険料収入の余剰分を積み立てた「年金積立金」を、国内外の株式や債券に投資して管理・運用する。厚生労働省の所管で、2006年に設立された。14年10月に資産構成割合を変更し、国内外の株式比率を計50%まで引き上げることを決めた。政府は理事長に権限が集中する組織体制を見直し、資産構成割合などの重要事項は外部有識者らでつくる経営委員会による合議制で決めることなどを盛り込んだ年金関連法案を先の通常国会に提出したが、継続審議となった。(東京新聞)
「消えた年金→消した年金に」
共産・小池氏
朝日 2016年7月1日21時21分
http://www.asahi.com/articles/ASJ716X60J71UTFK012.html
安倍さんのポケットマネーだったら許せる。だが年金資金は安倍さんのポケットマネーではない。皆さん一人ひとりの財産だ。その運用の仕方を自ら変えた以上は結果を国民に示し、選挙で審判をうけるのが民主主義のやり方ではないか。
<有権者発>英ショックで年金不安
積立金の損失必至、株運用拡大の落とし穴
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201606/CK2016062802000121.html
「英国の国民投票でEU離脱派が勝利し、株価が大幅に下落した。年金積立金の損失が莫大(ばくだい)になっているのではないか」 =川崎市川崎区の無職男性(57)
国民が支払った厚生年金や国民年金は独立行政法人「GPIF」が運用しています。
残高は百四十兆円。
近年、株への運用を増やしており、英国の国民投票で離脱派が勝利したことに伴う株価の急落で積立金が目減りしているとの不安が有権者から出ています。
株はもうかる時はもうかるが、債券と異なり元本保証されておらず、市場が荒れれば損をします。
今回の株安でも二十七日の終値は一万五三〇九円と、三月末から一五〇〇円近く下げており、現時点では追加損失が出ていると予想されます。国民の老後を保障する公的年金の運用のあり方として、株式を主体にすることがよかったのか与野党で議論が分かれています。
二十六日の討論番組でも民進党の山尾志桜里政調会長は「損失が二兆円を超えるとの試算がある」と指摘。
自民党の稲田朋美政調会長は「安倍政権下で四十兆円の利益が出たことを見てほしい」と反論しました。
二〇一三年初めから一五年末までに累計三十三兆円の利益が出ています。
ただ、問われているのは安倍政権の方針でGPIFが一四年十月に資産の運用基準を変更したことの是非です。株式への運用比率を24%から50%にほぼ倍増しました。
基準変更後初の年間運用実績となる一五年度について専門家は、五兆円程度の損失が出たと試算しています。昨夏以降、中国などの減速で株価が大幅に下げたためです。英国離脱は追い打ちを掛ける格好です。
国民への情報公開姿勢も問題になっています。GPIFは毎年度の実績を例年七月前半に公表してきたのですが、一五年度分は七月二十九日の予定です。参院選投開票は七月十日なので、野党は「選挙での批判を恐れた先送り」と追及しています。四~六月の実績も二カ月程度後にならないと公表されません。株式専門家からは「もっと早く開示できるはず」との声がでています。年金運用は国民の切実な問題であるだけに、速やかな情報公開が必要です。 (渥美龍太)(引用ここまで)
赤旗 公的年金の運用公表先送り/情報隠ぺい体質 小池氏 [2016.6.14]
赤旗 株式運用拡大の論拠崩す/衆院厚労委 年金積立金で高橋氏 [2015.9.3]