外務省の資金援助を受けた非政府組織(NGO)が機材や建物を外国に供与する場合、日本の国旗(日章旗)のシールや標識を付け、日本からの支援であることを明示するよう、外務省から指導されていることが七日、明らかになった。国際貢献をアピールする安倍政権の姿勢を反映しているが、NGOからは戸惑いの声も出ている。 (五味洋治)
この援助は「無償資金協力事業」。日本のNGOが開発途上国などで行う経済や社会開発、緊急人道支援のプロジェクトに対し、外務省が審査のうえ、一千万円から一億円までの範囲で資金協力を行う。
政府開発援助(ODA)の枠を広げるため、二〇〇二年度から開始。計百三十七カ国と一地域に中古の車いすを送ったり、病院施設などを建設したりしている。
外務省はこれまで、現地に送った機材や物資、建築物に、日章旗か、日本独自の「ODAマーク」を付けるよう指導していた。ODAマークは一九九五年に外務省が一般公募して決めたもので、地球儀と日の丸をあしらっている。
外務省は昨年、この方針を変更した。ODAマークをやめ、日章旗マークか銘板を付けるよう要求。無償資金協力事業を受けるNGO向け説明書にも、その方針を明記した。外務省は理由についてNGO側にはっきりした説明をしていない。
ODAを拡大する中国に対抗して日本の貢献を国際社会にアピールする狙いとみられる。
現地の国民感情や特殊事情がある場合は例外とされ、「どのマークを使うかは、NGO側が自主的に決める」(外務省民間援助連携室)と強制ではないとしている。だが、専門家からは「援助を受ける立場のNGOは、要請を断りにくい」との指摘が出ている。
NGO関係者は「日の丸を付けることで、NGOが受けるデメリットはあるが、昨年から急に方針が変わった。NGOを政府と一体化させ、日本の支援をアピールする狙いではないか」と話した。
◆活動に危険の恐れも
<内海愛子・恵泉女学園大学名誉教授の話> NGOの活動は、多国籍で行われていて、国境を越えるものだ。日本国籍の人だけで支えられているわけではない。日本政府によるODAの軍事化が問題とされている時、NGOを通した支援にまで日章旗を付けるように指導することは、NGOの中での分裂を招き、活動を危険にさらすことになりかねない。それが心配だ。(引用ここまで)
日本の援助、軍事転用される懸念も…ODAの方針改定
テレビ朝日 2015/02/10 11:49
http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000044184.html
政府はODA(政府開発援助)の基本方針を約11年半ぶりに改定しました。名称は、「開発援助」から「開発協力」に変わります。政府はこれまで、他国の軍への支援を禁止してきましたが、今後は「非軍事分野」に限って認めます。具体的には、災害救助や軍の病院の改修、海上警備のための巡視艇の供与などが想定されていますが、こうした資金援助が軍事転用される懸念も残されています。
岸田外務大臣:「より戦略的な開発、協力を推進し、国際社会の平和と安定、及び繁栄により一層、貢献していく」
「開発協力大綱」では、安倍政権が掲げる積極的平和主義に基づいてODAを戦略的に活用する方針が明記されました。ODAを軍事や国際紛争の助長には使わないという大原則は維持するものの、相手が軍であっても非軍事目的ならばODAを使った協力が可能になります。大綱では、こうした支援が軍事目的に転用されることを防ぐため、「実質的意義に着目し、個別具体的に検討する」となっています。
外務省やJICA(国際協力機構)などが流用の可能性がないか慎重に検討する方針ですが、本当に流用を防げるかは不透明です。(引用ここまで)
【ダッカ人質事件】
重要な生産拠点… 日系企業に走る動揺
ユニクロやゼネコン
「過激派は多くないと考えていた…」
産経 2016.7.3 07:45更新
http://www.sankei.com/world/news/160702/wor1607020082-n1.html
バングラデシュは安価な労働力や厚みを増す中間層が注目され、日本企業は進出を加速してきた。繊維や建設関連の企業が増えていただけに、邦人が巻き込まれる飲食店襲撃事件に衝撃が広がった。
西日本の繊維メーカーは、中国の人件費高騰などを受け代替生産拠点の「チャイナプラスワン」として首都ダッカ近郊に工場を設けた。親日的でまじめに働き繊維技術の高さも魅力的だったという。同社幹部は「イスラム教国だが過激派は多くないと考えていた」と、思わぬリスクに驚きを隠せない様子だった。
日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、日系企業のバングラデシュへの進出数は2016年2月時点で240社となり約2年で約60社増加した。日本とバングラデシュの貿易は右肩上がりで、日本の主な輸入製品は衣料品や履物だ。
約40年前から進出し政府開発援助(ODA)の架橋工事などを手掛ける清水建設は社員17人の安否確認や情報の収集に追われた。東芝は15年に電力や交通システムの市場調査のために事務所を開設したばかりだった。担当者は「日本のように安全な地域ばかりではない」と再認識した。
カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは小口融資事業を行うグラミン銀行グループと合弁会社をつくり、9店舗を運営する。担当者は「生産拠点としても重要だ」と話し、従業員や委託先工場に影響がないか確認を急いだ。(引用ここまで)
日・バングラデシュ首脳会談 平成28年5月28日
http://www.mofa.go.jp/mofaj/s_sa/sw/bd/page1_000200.html
1.28日午前10時00分から約30分間,安倍晋三内閣総理大臣は,G7伊勢志摩サミットのアウトリーチ会合参加のため訪日中のシェイク・ハシナ・バングラデシュ首相(H. E. Sheikh Hasina, Prime Minister of the People's Republic of Bangladesh)と会談しました(両首脳間で5回目の首脳会談)。先方より、アリ外務大臣ほかが同席。当方より世耕副長官ほかが同席。
2.安倍総理より,SDGs採択後の初のG7伊勢志摩サミット・アウトリーチ会合でのハシナ首相の貢献に謝意を表明しました。また,安倍総理から,本日夕刻にハシナ首相臨席の下で執り行われる駐日バングラデシュ大使館新事務所の落成式に対し祝意を述べた上で,『「包括的パートナーシップ」の下での両国間の協力進展を歓迎。一層強化していきたい。』と述べました。
さらに,安倍総理から,『日本は,バングラデシュの「2021年までの中所得国化」実現に向けて支援を継続していく』と述べた上で,その一環として,ジャムナ鉄道専用橋に関する支援やダッカ都市交通整備計画を含む第37次円借款(合計約1,735億円)の供与を通じたベンガル湾産業成長地帯(BIG-B)構想の推進,両国間の人物交流の拡大や貿易・投資の一層の促進への期待等を表明しました。
3.これに対しハシナ首相より,G7伊勢志摩サミット首脳会合への招待に感謝する,アウトリーチ会合は、途上国であるバングラデシュにとって発展の課題を主要国リーダーに発信する良い機会となった旨述べました。また,バングラデシュの発展に向けた日本からの支援が着実に実施されていることに深甚なる謝意を表明する,マタバリ石炭火力発電所をはじめとするインフラ整備でも進展が見られ,日本経済特区の設置等を通じ,日本からの投資が増加するよう期待する旨、東京で両国ビジネスマンとの意見交換を行い、日本からの投資を拡大したい旨の発言がありました。
4.ハシナ首相から、日本の安保理非常任理事国入りに祝意が示され、安倍総理から国連の場での関係強化に改めて感謝する旨述べ,両首脳は国連安保理改革を含め国際場裏で引き続き緊密に連携していくことで一致しました。(引用ここまで)