以下の記事を読んで考えたことを書いておこう。
一体改革:税制改正の焦点 頼みの綱、消費税 安定財源、社会保障維持に対応
http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2012/02/07/20120207ddm008010037000c.html
社会保障を維持するためには「安定的財源である消費税増税しか選択肢はない」と、国民にウソをつき、恫喝するマスコミ。よくも恥ずかしくないものかと思う今日この頃だ。
野田ドジョウは、慶応大学で、学生に向かって、消費税増税は将来のためにオールジャパンで取り組むべきと語ったが、ウソつけ!だ。
ホントにオールジャパンで行くならば、大儲けしている一握りの富裕層と大企業に応能の負担を求めるべきだろう。彼らの利益をつくり出したのは、他ならぬ、99パーセントの庶民だからだ。
こうしたウソを見て思ったこと、それはかつて「満蒙は生命線」と叫び、満州を占領し、大儲けした輩がいた一方、庶民を泥沼に引き連れていったことを想い出した。
今、まさに同じことをやっている。マスコミに働く労働者が、そこに気付いていないのか、それとも「仕事」として、割り切って記事を書いているのか、全く判らないが、このまま、財界や政府、アメリカの垂れ流す「事実」を国民に垂れ流していったとき、その先にあるのは、国家的、国民的破綻だろう。割り切れないどころか、やりきれないのは庶民だ!
当時の新聞は、軍部・政府の発表を鵜呑みにしてデマを垂れ流し、扇動し、国民を戦争に駆り立てていった。そうしてアジア諸国民をはじめ「欧米人」をも苦しめた、それと同じことをやろうとしているのだ。これだけ情報が「自由」に流されるというのに、だ。
千歩譲って、「当時は軍部の統制があったので、自由に書けなかった」という言い訳を認めたとしても、自由と民主主義の国である今日の日本はどうか?
マスコミは一党独裁の国、中国や北朝鮮のことを批判するから、さぞかし日本は自由の国と自覚しているのだろうけれど。
もう一つ想い出したので、記しておこう。それはスローガンだ。今風に言えばキャッチコピーか?
「欲しがりません、勝つまでは」は「消費税増税で財政が潤うまでは社会保障はガマンします」「改革に痛みは伴う」ということか?
「ABCD包囲網」は「中国・北朝鮮の脅威」か?
「月月火水木金金」は、最近、このCMは下火になったが、少し古いが「滋養強壮、ファイト!一発!」か?
「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」は「備えあれば憂いなし」か?
さて先に紹介した「毎日」の記事を掲載し、問題点を指摘しておこう。
切り詰めにくい出費がかさむ一方、不景気続きで収入は増えず、借金が雪だるま式に膨らむ--。日本の財政状況を一言で表せばこうだ。政府が「税と社会保障の一体改革」に躍起なのは、15年度に消費税率を10%に引き上げて税収を増やし、高齢化で出費が拡大する年金や医療、介護などの社会保障制度を維持しつつ、国の財政を少しでも改善したいからだ。
政府の12年度予算案の国税収入(一般会計分)は42・3兆円。税収はピークの90年度は60・1兆円だったが、今は3分の2の水準しかなく、国の出費である歳出の約4割しか賄えない。3年連続(当初予算段階)で新たな借金(新規国債発行額)が税収を上回る借金漬けの状態だ。
政府が政策に使う「一般歳出」のうち、増加が顕著なのが社会保障費と国債費。高齢化で90年度から12年度にかけて、社会保障費は11・5兆円から26・4兆円と倍以上に増えた。過去の借金の元利払いである国債費もバブル崩壊後の景気対策などに伴う赤字国債増発で12年度は21・9兆円と90年度(14・3兆円)から大きく膨らんだ。
国の税収は所得税▽法人税▽消費税▽個別間接税(ガソリン税や酒税、たばこ税など)▽資産税(相続税など)で構成される。このうち額が大きいのが所得、法人、消費の「基幹3税」。所得税が最も多く、91年度には国税収入の半分近い26・7兆円を稼いだが、12年度は13・5兆円とほぼ半減。デフレや経済の低成長で給与収入が低迷したことに加え、国が減税を進めたことが影響している。
国は消費税を導入した89年度に所得税の最高税率を60%から50%に下げるなど増税への国民の反発抑制や景気対策名目で所得税を軽減してきた。一体改革では高所得者の課税強化も盛り込まれたが、国内で働く人が受け取る収入(名目の雇用者報酬)が97年度の約279兆円をピークに頭打ちとなり、10年度は約244兆円まで落ち込む中、増税しても税収増には限界がある。
法人税も景気低迷で89年度の19兆円をピークに減少基調。近年は新興国の追い上げで日本企業は厳しい国際競争にさらされ、法人税を上げれば、生産拠点の海外移転加速で雇用縮小など弊害が出かねない。世界的な法人税軽減の流れもあり、日本も12年度から国・地方合わせた法人税の実効税率(40・69%)を5%下げる予定だ(東日本大震災復興のための増税で国税分は実質据え置き)。
一方、消費税は、97年度に税率を5%に上げてからは、景気低迷下でも税収が約10兆円(国税分)と大きな増減がない。家計は給料が減っても貯金を崩し生活水準を維持する傾向が強いためだ。国が膨らむ社会保障の財源を消費増税に頼る背景には、こうした事情がある。
ウソ1 国税(所得税・法人税)収入が減った原因は何か。
解答1.財界の賃金抑制政策に迎合し、非正規・派遣労働制度の推進
解答2.法人減税推進と応能負担原則の放棄、法人税納入免除制度
解答3.研究会開発費や外国税額控除、連結納税制度、輸出産業への消費税無税制度など、大企業優遇税制
解答4.証券優遇制度、高額所得者への健康保険、介護保険優遇制度、株の配当・譲渡所得への特別減税
ウソ2 禁止されている赤字国債発行の原因と発行によって大儲けさせたことを語らない。
解答1.大型公共事業に投資してゼネコンを大儲けさせたこと。
解答2.軍事費を聖域として扱い軍需産業を大儲けさせたこと、米軍支援によって米国の双子の赤字を支援したこと。
解答3.大銀行に国債を購入させ、利子(税金)で大儲けさせたこと。
ウソ3.法人税減少は景気低迷が原因ではない。
解答1.賃金抑制政策によって国内消費が低迷して、中小企業の利益減に。
解答2.天井知らずの内部留保と余剰資金を活用させない。
ウソ4.企業の海外進出は高率法人税か。
解答1.経産省の調査でも進出の理由は法人税でないことは常識。
解答2.「現地の製品需要が旺盛又は今後の需要が見込まれる」65.1%。
解答3.「減税しても戻らず」70%。
ウソ5.所得税や法人税は不安定、消費税が安定的とするウソ。
解答1.増税によって消費が冷えることを実証していない。
解答2.大企業には内部留保(貯金)の取り崩しを主張せず、低所得者の庶民には生活水準維持のためとして貯金を崩させる。
解答3.貯金すら持たない庶民には生活保護かホームレスへの自由しかないことを語らず。
解答4.消費税を納税できず、自腹を切らざるを得ない中小企業の存在は語らず。
解答5.消費税を1円も払っていない輸出大企業、この中には原発利益共同体の大企業が多いことも語らず。
ウソ6.膨らむ社会保障の財源を消費増税に頼るというウソ。
解答1.消費税が法人減税の穴埋めのために使われてきたことを語らず。
解答2.社会保険料負担をゼロにする経団連の要求を語らず。
解答3.「社会保障のため」の消費税論はウソだったことを今も語らず。
ウソ7.高齢化と人口減少を口実に消費税増税を合理化するウソ。
解答1.大企業の賃金値上げによる保険料負担の安定化は語らず。
解答2.年金や医療、介護などの社会保障を「公共事業」として捉えず、国内消費と景気向上と位置づけない。
解答3.人口減の原因と対策を抜きに危機のみを煽る。
解答4.人口減の理由を国内経済の循環悪化、財界の政策の結果として位置づけない。
参考事例をあげておこう。たくさんありすぎてキリがないが・・・
法人実効税率のごまかしと法人所得課税 政府税調答申、経団連提言を斬る
http://www.zsk.ne.jp/zeikei552/ronbun.html
10%削減でGDP3兆円減 公務員給与めぐり試算
http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011051901000833.html
日本の企業負担仏独の7~8割 税・社会保険料 経団連は法人減税求めるが…
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-10-08/2007100801_01_0.html
09年分の消費税還付金 輸出大企業10社に8014億円
http://www.zenshoren.or.jp/zeikin/shouhi/101115-01/101115.html
消費税大増税ストップ!社会保障充実、財政危機打開の提言
この「提言」、恐らくメディアはとりあげないだろうな、だからとりあげておこう!
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2012-02-08/2012020803_01_0.html
日の本に悪魔のサイクル徘徊す貧者同士の反目のなか
九十九の民の力を鎮めんとあの手この手の策を弄して
策あれど九十九の民団結を武器に挑めと知こそ力に
ウソとデマ多く語れば語るほど真実らしきとなるものかは
米軍再編に伴う海兵隊の移転問題が宜野湾市長選挙を目前に突如発表された。沖縄防衛局長の選挙介入問題とあわせて基地問題が国民的関心を呼び起こしている。それは各紙の社説に示されている。そこで、今日の段階で発表された社説を要約し一覧してみた。抜けているものもあるかもしれないが、その場合は時間の都合ということで・・・・
そこで特徴を以下のように把握してみた。
1.今回の海兵隊の移設問題によって普天間基地の固定化を危惧。
2.普天間基地の辺野古移設に否定的。
3.「辺野古以外の道」を提起し移設先を提示できない
4.県外・国外移設を主張。
5.アジア安全保障論・日米関係悪化回避論の枠内で移設問題を論ずる議論。
6.「米軍再編」の狙いを代弁して県民・国民を脅かす。
7.沖縄の負担軽減・辺野古移設反対と日本の安全保障・日米同盟の深化の両立論
8.日本独自・自主外交を提起。
9.沖縄の立場は普天間返還・撤去。
だが日米安保体制を温存したままの普天間基地の「移設」を論じているのが体勢だ。
だから中国・北朝鮮の「脅威」論に対する「抑止力」としての米軍の存在を日本国の施政権に温存する論調となってしまう。
「対話を基礎とする関係国の外交活動強化の契機」論(北海道新聞)多数派にするための探求は、今後の課題だろう。
日米安保条約でさえも、締約国(日米)は、以下の原則にしたがって行動すると約束している。
1.国際連合憲章に定めるところに従い、
2.それぞれが関係することのある国際紛争を平和的手段によつて国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決し、
3.並びにそれぞれの国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎むことを約束する。
4.他の平和愛好国と協同して、国際の平和及び安全を維持する国際連合の任務が一層効果的に遂行されるように国際連合を強化することに努力する。
だが、この「約束」はすっかり忘れて、軍備増強と軍事依存に重点を置くことを「日米同盟の深化」だと勘違いしている。日米政府そのものが、この条約に違反しているのだから大爆笑もんだ!
こういう視点を残した条約は第10条によって廃棄し、1条にもとづく平和条約を締結すべきだろう。
そうすれば沖縄の基地問題は、すべて解決できるだろう。
各紙の社説の要約から
海兵隊移転に合わせ普天間も動かそう 日経 2012/2/6付
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=
現行の沖縄県名護市辺野古への移設案には沖縄の反発が強い。しかし、この案がつぶれれば、長期間、普天間を継続使用するしかなくなる。それは沖縄の人たちにとって最悪の展開だろう。もう一つは、今回の変更が北東アジア地域の抑止力に及ぼす影響だ。海兵隊の行き先はグアムだけでなく、日本から遠い豪州などにも分散する。中国の軍拡が進み北朝鮮問題がくすぶる北東アジアの安定に、米軍の抑止力は欠かせない。海兵隊の分散移転でそれが弱まることがないよう、日本は米国としっかり協議してほしい。
米軍再編見直し 普天間の固定化回避に努めよ 読売
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120206-OYT1T01197.htm
最も懸念されるのは、海兵隊の先行移転によって、普天間移設の機運が低下して、辺野古への移設が進まず、普天間飛行場の危険な現状が固定化することだ。普天間移設は米軍再編の出発点であり、根幹でもある。移設先は今でも辺野古が最善だ。政府と沖縄県は、冷静に話し合い、固定化回避へ全力を挙げるべきだ。グアム移転が進めば、キャンプ瑞慶覧など米軍施設の返還も具体化しよう。普天間問題と、他の施設返還や跡地利用を含む沖縄振興策の包括的合意を目指したい。日本側が最大28億ドルを資金提供するとしたグアム移転協定も見直す必要がある。移転の規模が縮小する以上、日本の財政支出の減額を求めねばなるまい。中国の軍備増強で沖縄周辺の安保環境が不透明な中、戦闘部隊が移転しても即応能力を低下させない、というメッセージを日米両国が発信することが求められる。
海兵隊先行移転 普天間移設し抑止強化を 産経
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120205/plc12020503180000-n1.htm
現行合意でグアム移転とセットとなっていた普天間移設が切り離しによって現状で固定化され、日米同盟の抑止力も損なう結果となりかねないことだ。
移転費用削減と中国軍が進める接近阻止・領域拒否戦略への対応を最低限で果たせる半面、朝鮮半島や尖閣諸島など日本直近の有事の際には、日本の守りが手薄になる恐れもある。日本が憂慮すべき問題の第一はここにある。第二に、グアム移転は普天間移設、嘉手納以南の施設返還などと一体化した合意だ。抑止力の維持強化と基地負担の大幅削減を果たす唯一最良の計画といえる。海兵隊が先行移転し、普天間が現在の宜野湾市に固定化されれば抑止の実効性と基地負担の両面でダメージは計り知れない。宜野湾市長選は5日告示されるが、地元もこの点を深く考えてほしい。玄葉光一郎外相は今後の日米協議を「柔軟性をもって進める」としているが、日米合意を修正する場合でも、速やかに普天間移設を果たすことによって、日本の安全と抑止力を確保するように全力を挙げるべきだ。
海兵隊移転―辺野古を見直す一歩に 朝日
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
普天間が現状のまま放置されることは、断じて許されない。市街地の真ん中にある飛行場の危険性除去こそが、日米合意の原点であることを忘れてはいけない。この考えに立ったうえで、私たちは日米両政府が辺野古移設を計画通りすすめることに異議を唱える。日本政府は、どうか。「日米合意を踏襲する」と繰り返すばかりで、いつも受け身でしかなかった。野田首相はきのうの国会で、普天間を固定化させない決意を語った。そのためには、米国の国内事情を勘案しながら、沖縄も納得させる、日本独自のしたたかな構想が要る。
普天間置き去りは困る 毎日
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20120207k0000m070125000c.html
毎日新聞は普天間移設について、沖縄が反対する「名護市辺野古への県内移設」の見直しを視野に入れて再検討するよう求めてきた。そうでなければ最悪の事態である「普天間の固定化」が現実味を帯びてくるからだ。米側に再検討を提起する勇気を、野田首相に求める。グアムへの移転規模の縮小に伴って、総額102.7億ドルのうち日本側が60.9億ドルを負担するとした日米合意も見直さざるを得ない。日本側の負担減額を要求するのは当然であり、「ローテーション」対策として安易な支出に踏み切るようなことは避けるべきだ。
移転見直し 普天間の固定化避けよ 京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20120205.html
見直すのなら、この際、沖縄県民の理解を得られず行き詰まっている辺野古移設こそ、再考すべきだ。見直し協議では「辺野古は最善」とかたくなにならず、辺野古移設以外の道を探るべきなのだ。
[海兵隊分散移転] 辺野古見直しの好機に 南日本新聞
http://373news.com/_column/syasetu.php
沖縄県の仲井真弘多知事は、辺野古移設は「事実上不可能」と繰り返し述べている。米議会上院軍事委員会の重鎮からも「非現実的」と指摘されている。今回の移転先の分散は、日米合意の大幅修正を米側から提案してきたことを意味しており、合意を根本から見直す好機ではないか。このままでは「世界一危険な基地」とされる普天間の固定化という最悪の結果につながる。野田政権は普天間の早期返還と辺野古移設の見直しに向け、米側と交渉すべきだ。
米海兵隊移転 普天間動かすチャンスに 西日本新聞
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/286017
日米合意の辺野古移設にこだわり、思考停止状態が続く日本政府にとって、海兵隊グアム移転と普天間移設の切り離しは、行き詰まった普天間問題を再考する好機と捉えるべきだろう。
海兵隊移転をめぐる日米の合意見直し協議を、実現困難な辺野古移設に代わる方策を日米で検討する場にしたい。
海兵隊の分散配備は、日本にとってアジアの安定や脅威対処に資するだけでなく、沖縄の負担軽減にもつながる。
その一方で、日本政府が実現困難な辺野古案に固執し、普天間移設が前進しなければ、普天間は米軍基地として固定化される恐れがある。
それだけは避けなければならない。そもそも、日米が合意した米軍再編は、アジア太平洋地域で米軍の抑止力を維持しながら、沖縄の過重な基地負担を軽減することにある。
負担軽減の原点が、住宅が密集する市街地に位置する普天間飛行場の「危険を取り除くための返還」だったことを忘れてはなるまい。その「普天間」が置き去りにされるのでは本末転倒である。沖縄の民意にも反する。
政府は「辺野古移設が最善」との立場をとり続けている。
米上院委員会や太平洋軍司令官が、非現実的な辺野古以外の移設先検討を求めているのに、日本政府からその知恵が出てこない。米国には同盟国としていかにも頼りなく映っているのではないか。
アジアの安全保障と米軍展開の在り方を示した米政権の新戦略を踏まえ、新しい移設案の検討を提案して日米で戦略議論を開始する。野田政権に、そんな気概を求めたい。
在沖縄海兵隊の行方 普天間放置は許されぬ 中国新聞
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh201202050073.html
ここは普天間についても県内移設が本当に必要か、別の選択肢はないのか、あらためて日米協議のテーブルに乗せてもらいたい。この際、日米両政府は辺野古への移設を白紙に戻し、県外や国外も視野に別の道を探るべきだ。グアム移転の見直しは、そのための機会となりうる。
海兵隊先行移駐 国外県外の好機逃すな 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012020702000048.html
日本側も在日米軍基地の約74%が集中する沖縄県民にこれ以上の基地負担を押し付けるのは困難だと伝え、国外・県外移設の検討を堂々と提起すればよい。
世界で一番危険とされる普天間飛行場が固定化され、継続使用される事態を避けるべきなのは当然だが、それが辺野古移設を後押しすることになってはならない。
議論されるべきは普天間か辺野古ではなく、沖縄県民の基地負担軽減だ。野田内閣は普天間返還問題の本質を見誤るべきではない。
県民の負担軽減のためには、キャンプ瑞慶覧、那覇軍港など〇六年の日米合意に盛り込まれた六施設・区域の返還も急務だ。普天間飛行場返還の進展とは関係なく、海兵隊員の分散移駐と並行して返還を進めるべきである。
米海兵隊移転 普天間固定化はだめだ 信濃毎日
http://www.shinmai.co.jp/news/20120207/KT120206ETI090002000.html
基地負担の軽減を沖縄が実感できるよう、県外、国外移設に向けた交渉に本腰を入れなくてはならない。日米が普天間問題で関係を悪化させるのはアジアの安全保障にとっても、日米双方にとってもマイナスでしかない。沖縄が納得する形で普天間問題を解決できれば、新たな展望も開けるはずだ。政府は積極的な姿勢で米側との交渉に臨んでもらいたい。
グアム移転協議 「普天間」をどう動かすか 新潟日報
http://www.niigata-nippo.co.jp/editorial/
私たちはこれまで、繰り返し普天間移設を一から見直すよう求めてきた。今回のグアム移転再検討が、これに合致するなら大歓迎だ。その趣旨は名護市辺野古への移設を断念し、国外・県外に移すことである。普天間移設は日本が主導すべき事柄だ。実際はどうか。常に米国から要求を突き付けられる格好である。日本政府の立場をきちんと主張することなしに「日米同盟の深化」などあり得ない。
グアム移転を含め、在日米軍再編計画を見直すこと自体は必要である。その際のポイントは、沖縄の負担軽減と日本の安全保障をどう両立させるかであろう。海軍力を増強させる中国との向き合い方も問われる。政府がいう普天間の固定化回避とは、辺野古移設の推進である。これでは何も言っていないに等しい。米国は沖縄の海兵隊は減らして、オーストラリアやフィリピンなどにローテーションで駐留させ、一部は岩国基地への移転も検討しているという。日本の出方をうかがう提起といえよう。沖縄の民意を真摯(しんし)に受け止め、粘り強い交渉で米国を説得する。それこそが政府の務めだ。
【グアム移転協議】「普天間」を注視する 高知新聞
http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=284995&nwIW=1&nwVt=knd
両政府は、普天間移設と分離する形で実施することで合意したという。しかし実質協議はこれからだ。普天間の固定化も懸念されるだけに、影響を注視する必要がある。
グアム移転見直しの協議で日本側が留意すべきは、国防予算の圧縮を受けた米側が大胆な海兵隊の削減と配置見直しを迫られていることだ。米議会などに「非現実的」との声さえある現行移設計画に固執することなく、見直しも視野に柔軟に対応すべきだ。
週明けには米ワシントンで、両政府の外務・防衛当局の審議官級協議も行われる。グアム移転見直しに伴う日米の経費負担も含め、米側の一方的な見直しにしてはならない。
沖縄海兵隊 「普天間」置き去り困る 北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/348575.html
米国防費の削減は冷戦終結後の国際情勢に沿う側面もある。各国はさらに軍縮を進め、軍事的緊張を減らすよう努力しなければならない。そうした中で、沖縄の基地負担の軽減も図れる可能性がある。米国防費の削減は冷戦終結後の国際情勢に沿う側面もある。各国はさらに軍縮を進め、軍事的緊張を減らすよう努力しなければならない。そうした中で、沖縄の基地負担の軽減も図れる可能性がある。問題は、米新戦略が中国への対決姿勢を鮮明にしている点だ。海兵隊員をアジア太平洋に配置して体制を強化する狙いを「中国包囲網」と指摘する見方がある。沖縄の米軍基地もその中に組み込まれている。アジア諸国の集まる会議では、「中国問題」が常に議題となっているほどだ。
そうした状況は中国にとっても好ましいものではないだろう。各国が一致した形で中国に懸念を伝え、態度の変化を促していく外交努力が欠かせない。
増強し続けている軍備についても透明性を高めるよう、中国に呼びかけていく必要がある。国防費削減を目指す米新戦略を、対話を基礎とする関係国の外交活動強化の契機としたい。
「普天間」固定化 危険放置は犯罪的だ/閉鎖へ広範な世論結集を 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-187180-storytopic-11.html
県民の大多数が県外・国外移設や無条件返還を望んでいて、県内移設が事実上不可能な状況に立ち至ったにもかかわらず、政府が「辺野古」と言い続けるのは、普天間問題を解決する意思がないからだ。返還が不調に終わったときに、沖縄側に責任を転嫁する狙いが透けて見える。 県内移設という無理な要求を突き付けて、のまない限り危険な状況が続く―と迫るのは恐喝まがいの手法だ。このような理不尽な圧力に屈するわけにはいかない。
今こそ普天間飛行場の閉鎖に向け、県、市町村、政党、団体など県民が心を一つに結束する時だ。
[「普天間」見直し]固定化は責任の放棄だ 沖縄タイムス
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-02-05_29454/
無理に無理を重ねた、つぎはぎだらけの米軍再編計画が瓦解(がかい)し始めた。近く、計画見直しに向けた日米協議が始まる。米国は、台頭する中国をにらんで、新たな国防戦略をうち出した。浮上した計画見直し案は、「国防費の削減」と「台頭する中国」という二つの要素に対応するための措置でもある。普天間飛行場の辺野古移設計画は・・・県や名護市が条件付きで県内移設に合意し・・・た「SACO合意に基づく移設案」で・・・住民の反対にあって頓挫し・・・政府は県への説明もないまま、SACO合意案を一方的に放棄し、新たに「米軍再編に基づく移設案」をまとめた。それが現行の日米合意案で・・・この案も暗礁に乗り上げ、実現が不可能に・・・SACO案から米軍再編案に変わり、そして今度は、米軍再編案が葬り去られようとしている。計画の変更は、沖縄側に重大な影響を与える。にもかかわらず、地元はいつも蚊帳の外。住民とかけ離れたところで見直し協議が進み、そのたびに住民が振り回される。この構図だけは、少しも変わっていない。「2014年」という普天間飛行場の移設期限は撤回され、「できる限り早期に」という表現に変わった。今やそれさえも死文化しつつある。「辺野古案がなくなれば普天間は固定化される」という言い方は、沖縄側から見れば脅し以外の何物でもない。普天間の固定化は日米の責任放棄であり、あってはならないことだ。「普天間の早期返還」と「辺野古移設の断念」は、負担軽減のための車の両輪である。計画見直しで求められているのは、この二つのパッケージだ。
人殺す武器より強き理の寛容対話人の道なり
人の道異なる意見交わすたび 点から線に 面つくるまで
隣国の脅威を煽るマスコミの塩贈る道説くこともなし
国会でわざわざ「集中審議」をしたにもかかわらず、「収束」?
本来ならば政権がひっくり返るような、いや「革命」が起こってもおかしくないような体制側の「不祥事」なはずだが、これで一件落着か?
しかし、「春遠からじ」には違いない。矛盾は拡大した。
1、真部局長の進退問題で言えば、下地氏とのやり取りで、彼は以下のように述べている。
(1)選挙に関して職員に徹底することは服務指導の一環であると受け止め、業務時間内でも可と考えた。
(2)講話は私自身が発意、発案し、関係職員に準備を指示し、実施した。アメリカ軍普天間基地の移設問題の観点から非常に重要な選挙だと考え、なるべく多くの市民の考えが反映されるようになればいいのではないかと考えたのが最初だ。
(3)誤解を招く部分があったのは反省しなければならないと感じているが、どちらかの候補者に肩入れするというような認識は全く持っていなかった。
2.では、その「服務指導」とは何か、赤嶺氏とのやり取りで、彼は以下のように述べている。
「宜野湾市長選挙は私どもの業務の観点から重要な選挙」「職員としてきちんとのぞめるようにしたいと考えた」「普天間飛行場の移設問題は、沖縄防衛局の主要な取り組み課題だ」「経緯等をよく勉強してもらって、棄権をさけて、投票に行くことを想起してもらいたかった」
赤嶺氏が「県内移設という局の立場で選挙にのぞむことを、業務である服務指導の一環として徹底・指導したということか」は「講話は業務の一環だ」と認めました。
3.公務員は「上司の職務上の命令」を重視しているのではなかったのか?大阪と沖縄の違いは?同一点は?
(1)今回の「リスト」づくりと「講話」への参加、投票行動への「お願い」は、「わかってるよな」という「命令」だった。このことをごまかしている。
(2)この問題は法に照らしてみるならば、また「誤解を招く部分があったのは反省しなければならないと感じている」と述べているように、この間の「お騒がせ」をみるならば、「信用失墜行為」として「処分は」当然だろう。
(3)大阪では「命令に従わなければ公務員を辞めろ」と橋下市長。沖縄では「服務指導・業務の一環」として「親戚関係者のリストの提出」「講話参加」「勉強して棄権せず投票するように」との「徹底・指導」だった。「命令ではない」と真部防衛局長。自民も民主も両者に同調。
(服務の根本基準)
第九十六条 すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。
○2 前項に規定する根本基準の実施に関し必要な事項は、この法律又は国家公務員倫理法 に定めるものを除いては、人事院規則でこれを定める。
(服務の宣誓)
第九十七条 職員は、政令の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。
(法令及び上司の命令に従う義務並びに争議行為等の禁止)
第九十八条 職員は、その職務を遂行するについて、法令に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。
第九十九条 職員は、その官職の信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
(信用失墜行為の禁止)
第八十二条 職員が、次の各号のいずれかに該当する場合においては、これに対し懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。
一 この法律若しくは国家公務員倫理法 又はこれらの法律に基づく命令(国家公務員倫理法第五条第三項 の規定に基づく訓令及び同条第四項 の規定に基づく規則を含む。)に違反した場合
二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
三 国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合
4.だが、この問題は、今回だけではなく、常態化していたこと、このことこそ、問われなければならない。マスコミも含めてだ。
(1)下地議員はかつて自民党にいたとき、今回のようなことがあったことを自ら認めながら、真部局長に向かって「正直に言いなさい」と発言を促している。
(2)マスコミもかつての事例をあげて、今回の介入があったことを問題にしている。だが、本来は、その時に追及をしていたら、今回の問題は起こらなかった。いや政権の枠組みが変わっていただろう。
(3)前回もそうだったが、先に行われた岩国選挙でも選挙前に利益誘導が行われていたことが報道されている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012020202000035.html
5.自民党は変わった!
自民党の谷垣禎一総裁は2日、党本部で記者団に「防衛省の政策に少しでも有利なように選挙結果を導こうとした疑念がある」と批判。毎日新聞 2012年2月3日 10時58分
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20120203ddm003010123000c.html
6.今回の問題を相対化して、真部問題を曖昧にすることはできない。
(1)産経
宜野湾市職労側も選挙運動 特定候補への協力呼びかけ2012.2.2 14:27
http://blog.goo.ne.jp/first104ring/e/338dd99401facbd0e21c1de7f27d1696
この記事を基にして中谷質問が行われた。
(2)自民党
①小池元防衛大臣の質問も、真部局長の問題を追及すればするほど沖縄の自民党が公明党と一緒に応援している候補にとって不利になる立場を「微妙な問題」と発言。自民党が、真部局長の行為を追及せず、田中防衛大臣を追及する方向に持っていこうとしている「微妙な立場」を吐露している。それを受けて、防衛大学出身の中谷元防衛大臣の質問が行われた。
②中谷元防衛大臣の質問は、宜野湾市の市職労の大会決議を読み上げ、真部局長と同じとして川端総務大臣を質している。しかし、市職労が法的に問題ありとする根拠は引き出せなかった。そして真部局長の行為の経過を無視して真部局長は「問題なし」との論陣をはって、田中防衛相を追及している。田中防衛大臣も答えられていない。茶番だった。集中審議なのに、そのことの質問時間はたった12分、あとは集中審議以外の問題に終始して、田中防衛相追及に時間を取った。政局質問だった。
http://kuso-oyaji.jugem.jp/
③民主党も、自民党政権時代から行われていたこと、この問題では追及できないだろうということを読んで、むしろ自民党の立場を利用しようとして処分問題曖昧にすることできり抜けようしたが、同じ穴のムジナであることが、浮き彫りになった。
(3)「朝日」(2月4日付)も「『お騒がせしたから処分する。トカゲのしっぽ切りではないか。どこが問題で、どういう価値判断で処分しようとしているのか』と追及。参考人として国会に呼び出された真部局長より田中氏に矛先を向けた」と述べるだけに留まって、事実上擁護した。
(4)ドッチもドッチ論で、事の本質を曖昧にしながら、「欺瞞」に楔を打たず憲法違反を温存する論調。以下のブログを見て、思うこと。
防衛局長講話が重大ニュース?012年02月03日 12:51 http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/
確かに、真部氏の行為には重大な問題があるが、こうしたやりとりはどこか白々しい。政治的行為が制限されるはずの公務員による組織ぐるみの選挙活動の“本家本元”は決して防衛省・自衛隊ではない。自治労、日教組など官公労であり、その熱心な支援を受けてきたのが民主党だからだ。
しかも首相は山梨県教職員組合(山教組)元委員長で「日教組のドン」と呼ばれる輿石東幹事長を党のナンバー2に抜擢(ばってき)している。
輿石氏が君臨する山教組は長年にわたり、所属する現職教員らを動員して輿石氏のためにポスター張り、電話作戦、後援会カード集め、選対会議-などを続けてきた。ボーナス時には「選挙闘争資金」として使途も知らせず「校長3万円、教頭2万円、一般教員1万円」の半強制的カンパも募ってきた。これらは当然、公職選挙法のみならず教育公務員特例法などにも抵触する。
選挙支援を受けている官公労の違法・不正常な実態には目をつむり、それ以外で不祥事が表れると深刻な顔を取り繕って役人に責めを負わせる。こんな欺瞞(ぎまん)に国民はもう飽き飽きしている
「確かに、真部氏の行為には重大な問題がある」としながら、「が、・・・公務員による組織ぐるみの選挙活動の“本家本元”は決して防衛省・自衛隊ではない」として真部問題を相対化してしまった。このようにして真鍋問題を薄めてしまうようでは問題の本質を見誤ることになる。強盗殺人者が、泥棒を、指差して、「あいつだって法に違反しているじゃないか」と言っているようなものだ。
7.何が問題か
(1)国家公務員が地位を利用して、国家ぐるみで選挙干渉することが問題だということを曖昧にすることはできない。
(2)公務員の政治活動・選挙活動一般は制限できるという誤解、スリカエ。
①沖縄県宜野湾市の無職男性(76)は「公務員が選挙運動をするのは許されない。事実だとすれば大変なことだ。防衛局は環境影響評価書の提出騒動でただでさえ問題になっているのに、またこういうことをするのか」と憤った。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120131/crm12013114310007-n1.htm
②問題は公務員の「地位利用」と政治活動。選挙活動一般をごちゃごちゃにして、すべての活動を否定する論理。逆に言えば、公務員は一国民として政治活動も、選挙活動もできないのか?そこを批判者は明らかにしなければならない。中谷元防衛大臣の追及は川端総務大臣の発言を論破できなかった。中谷元防衛大臣も、このことは百も承知のうえで、答弁の曖昧さを浮き彫りにするために質問したのだ。政局質問からすれば、当然のことだった。「やらせ」質問だった。そのことはテロップに、実によく出ていた、まさに政治的質問だった。ということは、問題なしということになるのか?
(3)憲法違反の続行が自民党政権を温存してきた。その事例をあげておく。
①組合が特定政党を支持する。組合費を特定政党や政治家に献金する。
②企業が献金をする。労働者の作った利益を政治家や政党に献金する。
③地域の自治会やムラなどが候補者を推薦する。
④政党助成金を受け取って政治活動をしている。
以上の事例は、構成員の思想信条をないがしろにして利益誘導する、反対者を排除するという点で憲法違反だ。こういうことがずっと行われてきたことによって戦後の自民党政権が温存されてきた。自民党出身者が参加する民主党も、その枠内の政党である。その結果、今や第二自民党化した。
(4)何が問われているか! 政党・政治家を支援するのは個人の立場で行えということだ。真部問題も、「公務員として地位を利用した選挙活動をしないように」と訓示しているだけだったら、何も問題はなかっただろう。
(5)次にあげておかなければならないのは、公務員の政治活動と選挙活動と個人の自由・権利のあり方についてだ。具体的事例は示さない。そこで、制限を可能とする「産経」や自民党に、以下の質問をしてみることにする。
①そもそも、国際的には公務員の政治活動や選挙活動はどうだろうか?
②諸外国の公務員労働者のストライキ・デモなどは、日本と比べてどうだろうか?
③「産経」・自民党など公務員の政治活動を制限しようとしている人たちは、日本国憲法がアメリカに押し付けられたというが、政令201号で公務員のストライキ権を否定したアメリカの行為は押し付けられたとは言わないのだろうか?
④公務員の政治活動や選挙活動を否定してしまったら、公務員の国民としての基本的人権はどう説明・保障するのだろうか?
以上の諸点について、国際的な視点から報道がなされないのは、マスコミの問題だろう。このことは「情報の鎖国」化に押し込めておくことで、国民の中には公務員の政治活動や選挙活動の制限が当たり前のものとして写す効果をあげている。まさに「井の中の蛙」国民といえるのではないだろうか?
この点については、佐藤守氏のブログの以下の文章を掲載しておこう。参考になる。
平成5年6月、衆議院が“ウソつき解散”した後の第40回衆議院議員総選挙で、与党の自民党は議席数が過半数を割り、非自民で構成される細川連立政権が誕生、自民党は結党以来初めて野党に転落した時のことである。
日本民間放送連盟の第6回放送番組調査会の会合の場で当時の椿貞良テレビ朝日報道局長は、「小沢一郎氏のけじめをことさらに追及する必要はない。今は自民党政権の存続を絶対に阻止して、なんでもよいから反自民の連立政権を成立させる手助けになるような報道をしようではないか」 「共産党に意見表明の機会を与えることは、かえってフェアネスではない」との方針で局内をまとめた、という趣旨の発言を行った。
この時、メンバーの一人は「梶山静六幹事長、佐藤孝行総務会長のツーショットを報道するだけで視聴者に悪代官の印象を与え自民党のイメージダウンになった」「羽田外相=誠実、細川首相=ノーブル、武村官房長官=ムーミンパパのキャラクター」(なので視聴者に良い印象を与えられた)という趣旨を発言するのを聞いた、と発現している。要するに、メディアのさじ加減でこの国の政治はどうにでもなる!という第4?の権力の傲慢さが当時話題になったことを。
地位使い言葉のアヤを読み取らせヤマトの策を命じる上司
誰がみても裸の王の喜劇なりウチナーの悲劇幕は降りずに
刻々と猫の目のやう政事(まつりごと)多忙なれどもぶれぬ軸足
2週間にわたって週末多忙だった。一日一件の記事掲載が途切れてしまった。ま、いっか!
沖縄防衛局の、いわゆる選挙干渉問題について、全国の新聞社の社説が、以下のように、今日の段階で「ほぼ」出揃ったかな?
北海道 沖縄防衛局長 選挙介入なら許されぬ
東奥日報 態勢を立て直し出直せ/沖縄防衛局長処分へ
岩手日報 防衛局長「講話」問題 政官のウミを出し切れ
信濃毎日 沖縄防衛局長 意図や言動を調べ直せ
新潟日報 「防衛局長」講話 市長選目当ては明らかだ
福井新聞 沖縄防衛局長処分 小手先で何も解決しない
京都新聞 沖縄防衛局長 「民意に介入」許されぬ
山陽新聞 沖縄防衛局 徹底調査し事実明らかに
中国新聞 沖縄防衛局長の「講話」 選挙介入否定できまい
高知新聞 【選挙運動疑惑】徹底調査し厳正に対処を
西日本新聞 沖縄防衛局 どっちを向いているのか
宮崎日日新聞 沖縄防衛局長講話 処分すれば済む話ではない
熊本日日新聞 沖縄防衛局長「講話」 態勢の抜本的な立て直しを
沖縄タイムス [宜野湾市長選介入]伏魔殿と化した防衛局 2月2日
沖縄タイムス [防衛局長選挙関与]組織体質にメス入れよ 2月3日
琉球新報 選挙介入疑惑 防衛行政の膿出し尽くせ
産経 沖縄局長「講話」 防衛相以下タガ締め直せ
朝日 沖縄局長講話―組織ぐるみの「背信」だ
毎日 沖縄防衛局長 選挙介入が常態なのか
日経 これで沖縄の信頼得られるか
東京 防衛局長講話 選挙への「介入」許せぬ
ひととおり読んで、思うことを、メモしてみる。
1.基地を抱えている地域の新聞が、この問題を沖縄の問題であると同時に、自分の地域の問題として捉えているかどうか、それが鋭く問われているが、極めて不十分だった。
己の地域の基地問題を左右する選挙があるとき、米軍基地であろうが、自衛隊基地であろうが、その時、各地の防衛局がどのように振舞ってきたか、そのことを追及することなく、ジャーナリズムとしての存在感はないだろう。直近では岩国市長選挙がある。国は選挙に向けて、「補助金」という「アメ」をばら撒いてこなかったか?これは形を変えた「選挙干渉」ではないか?そのことを地元のメディアは追及したか?前回の選挙の時は露骨だったが、今回はどうだったか?或いは全国的にはどうなのか?
2.各社は、一応、自民党政権時代の、
1997年の名護市民投票では現地事務所を構え、ローラー作戦で戸別訪問を展開したこと、
98年の知事選では、自民党の小渕内閣で官房副長官を務めた鈴木宗男衆院議員(当時)が、稲嶺恵一陣営に官房機密費3億円が渡った、と証言したこと、
2006年の知事選の際の「干渉」などの事例や
96年の原発推進派陣営から立候補する元市総務課長への支援を要請した石川県珠洲(すず)市長選の事例など、の「干渉的行為」をあげて批判している。このことそのものは正しい。だが、そのような事実に対して、当時、徹底して追及の矛を高く掲げてやってきたか、そのことが自身に問われていると言わなければならない。この追及が甘かったから、やりたい放題にやられてきたのではないか?別の言い方をすれば、追及が甘かったから、自民党政権を温存してきたのではないか?自民党政権延命に手を貸してきたのだ。
3.その点で、今回、共産党に内部告発があったことの意味を反省すべきだろう。今のマスコミに対して信用がないのだ。告発しても、握りつぶされるという意識があったからこそ、共産党に内部告発があったのだ。このことは、九電のやらせメールにも、現れているのだが、その反省がないから、今回のようなことが起こったのだ。このことを真に反省しなかったら、次の内部告発があるだろう。
4.同時に、国民から離反した民主党政権を批判する「ための」方便として今回の問題を「批判」しているとするならば、メディアの「ご都合主義」は極まったと言える。何故このことを言うか。それは田中防衛大臣を「悪玉」として批判する自民党、特に自衛隊出身の佐藤議員、小池議員、石波議員が、「善玉」のように報道されているが、これもスリカエだろう。就任した田中防衛大臣の責任を追及するのは、天に唾するようなものだ。彼の大臣としての資質を問題にするのは別問題だ。
今回の問題は、自民党政権時代からの「因習」「驕り」なのだ。事実、前防衛局長の辞任によって復活した現防衛局長は、沖縄の保守勢力との重要なパイプ役として起用されている。自民党化した民主党政権からすれば、起死回生の切り札だったのだ。切り札である現局長のやったことは夜陰に紛れて書類を送ることだった。このようなデタラメな行為を行ったのは現知事とのパイプに、それなりの自信があったからだろう。まさに沖縄の「空気を読め」ない、官僚の驕りがあったのだ。
そうした背景を見過ごすマスコミは、今回の問題を一応批判してみせるが、免罪符にはならない。何故、このことを言うか。それほど、沖縄県民をバカにした話だからだ。そのことを自覚すべきなのだ。
5.マスコミがやるべきこと、それはこれまでの選挙における政権政党と企業の干渉を徹底して暴くことだ。例えば、「利益誘導」の名の下に行われていた基地・原発・開発・公共事業の開発がある。
6.今回の問題ではトカゲの尻尾きりはよくないなどとは言うが、ではそうするか。展望は、どこも出していない。
あるのは、以下のような「対処療法」だけだ。これでは「ガン治療」にはならない。進行するガン=日米安保体制に切り込む手術をする「名医」はいないことになる。日本には「神の手」を持つ政党や学者や識者はいないことになる。少なくとも国民の目は、思考は、これでストップしてしまうだろう。だが、本当に「神の手」を持つ「名医」はいないのだろうか?
・国外・県外移設への思い切った方針転換が、在日米軍基地の約74%が集中する沖縄県民の基地負担を軽減する。官僚だけに責任を押し付けるのではなく、政治家が決断しなければ問題は解決しない。
・こうしたお粗末な状況が、現場の気のゆるみや混乱にもつながっているのではないか。野田首相はこれを機に、沖縄政策の体制をしっかり立て直してほしい。
・普天間飛行場の固定化(継続使用)を回避し、周辺住民の危険性を除去するために、政府は今後、正念場を迎える。ここは、野田佳彦首相が前面に立って、普天間問題の解決に全力を尽くすしかない。
・普天間の辺野古移設は、もう実現する見通しはない。政府は今度こそ立ち止まり、他の打開策を探るべきだ。
・本来なら、普天間の移設に指導力を発揮しなければならない立場であるのに、防衛政策の突っ込んだ議論が望めない状況にしているのは、極めて問題だ。
・一方、宜野湾市職員労働組合は市長選をめぐり、組織内候補として推薦を決定した特定の立候補予定者の選挙運動に協力するよう、組合員に対して文書で呼びかけているという。
・選挙運動や政治的行為の制限は公務員全般にあてはまる。勤務時間中に教職員団体の教員が選挙、政治活動に明け暮れている実態も表面化している。政治的中立を逸脱する活動は厳しく是正されなければならない。
・第三者による調査機関を設けて、過去の選挙にさかのぼって、徹底的な検証をすべきだ。それが十分にできなければ、田中氏の責任も問われることになろう。
・政府機関による選挙への介入とも言うべきもので、言語道断である。
・沖縄の信頼関係を傷つける不祥事がこうも相次ぐのか。このままでは米軍普天間基地問題の解決も、遠のくばかりだ。
・政府の政策を押し通すためには選挙への介入も辞さないのは防衛省の体質ではないのか。
こうしたお粗末な状況が、現場の気のゆるみや混乱にもつながっているのではないか。野田首相はこれを機に、沖縄政策の体制をしっかり立て直してほしい。
・普天間飛行場の固定化(継続使用)を回避し、周辺住民の危険性を除去するために、政府は今後、正念場を迎える。ここは、野田佳彦首相が前面に立って、普天間問題の解決に全力を尽くすしかない。
・選挙などへの介入が繰り返し行われていたとすれば、構造的問題である。
・国家公務員は政治的中立性から公職選挙法などで選挙運動や政治的活動を厳格に制限されている。行き過ぎた行為が厳しく処分されるのは当然だ。
・官僚側が問題の矮小(わいしょう)化を企図しているなら、田中直紀防衛相ら政務三役は「沖縄県民、国民の防衛省への信頼を回復するためには膿を出し尽くさねばならない」と毅然と振る舞うべきだ。官僚組織は、自ら国民の離反を招く致命的な過ちをこれ以上犯してはならない。
・この流れを止めることはできない。この流れに逆らって、これ以上、無理を押し通そうとすれば、日米関係にも深い亀裂を生むことになるだろう。
・一方では国民に復興増税、消費税増税を求めながら、もう一方では、巨額の税金を投入して負担軽減につながらない辺野古移設を強行する―あまりに理不尽だ。
・沖縄県警には、普天間問題という国策への影響を避けるため捜査に消極的だ、と県民の目に映ることのないよう筋を通してもらいたい。
・真部氏の処分はもちろん、沖縄の信頼を回復するため普天間問題に対処する防衛省側の陣容を抜本的に立て直す必要がある。
・野田首相は過去を「清算」すべく、いち早く現地に足を運ぶべきなのだ。有能な閣僚も据えられないのはリーダーシップの欠如であり、対話の糸口は全く見いだせない。
・このままでは基地が固定化され、複雑に絡まる県民の感情は行き場を失っていく。不幸な閉塞(へいそく)状況を打開するのは一に政府の責任だ。沖縄が抱えている問題を全国民が共有し、一から出直すしかない
・沖縄ともう一度きちんと向き合うために何ができるか、政府は真剣に考えてほしい。一から出直すくらいの気構えで、普天間問題に関する対応を再点検してもらいたい。
・沖縄ときちんと向き合うために何ができるか、政府は真剣に考えるべきだ。
・地元の理解と協力あってこその安保・防衛政策である。
・あいまいな決着では、不信感はさらに深まる。
・普天間の県外・国外移設を強く求める沖縄の民意に、政府は正面から向き合わなければ
ならない。辺野古移設の日米合意に執着するだけでは、信頼を取り戻せるはずがない。
・防衛省は、その体質の抜本改革から出直すべきだ。
・沖縄県側の政府への不信はこれで一層高まった。野田政権は県内移設へのシナリオを見直して、沖縄県民と正面から向き合わなければなるまい。
・県議会や名護市、県民の反対が根強く、手詰まり状態にある普天間移設問題の混迷を解くには、まず沖縄県民の基地負担の痛みと、負担軽減を求める意思を理解するところから始めねばならない。選挙という仕組みで示される市民の意思に正面から向き合ことが大前提だ。
・辺野古移設という「日米合意」に固執し、沖縄の民意を都合のよい方向に誘導するかにも見える姑息な行為は、かえって県民全体の不信感を増幅させるだけだ。
・野田政権に必要なのは、再度のトカゲのしっぽ切りではなく、県民の求めに応じて真正面から「沖縄問題」に向き合うことである。
・普天間飛行場の沖縄県内への移設は絶望的という現実を直視し、米政府と一から見直しの協議を始めることに尽きる。姑息な手段では、アリ地獄から抜けられない。
・防衛省は沖縄への向き合い方とともに、役所の体質そのものが厳しく問われている、と受け止めなくてはならない。信頼回復の道は険しくなるばかりだ。政府を挙げて辺野古移設を抜本的に見直し、目に見える基地負担の軽減を実現するしかない。
・今回の問題をめぐり、与党が2日実施を提案した衆院予算委の集中審議を、野党側が一日先延ばしするよう求めたのは、自らに火の粉が降りかかる事態を敏感に察知した可能性を疑いたくなる。本紙記事は「深掘りしていったらおもしろい方向に行くかもしれない」という民主党幹部の言葉を紹介している。
・官僚の更迭はトカゲの尻尾切り。もはや、それで沖縄県内世論の軟化が期待される状況でもない。普天間問題で、民主党はマニフェスト(政権公約)を転換。事実上、自公政権下の政策を引き継いでいる。この状況では、政権交代の意義はないも同然だ。この際、基地問題を取り巻く政官のウミを出し切るところから仕切り直すべきだろう。
・辺野古案は沖縄県の意向を無視して米国と合意したもので、展望は開けていない。このまま進めるにせよ見直すにせよ、政府は沖縄県と話し合えるよう態勢を整える必要がある。
・野田佳彦首相は施政方針演説で「沖縄の声に真摯(しんし)に耳を傾け、誠実に説明し理解を求める」と語った。県民の目を盗むように移設への地ならしを進めても不信を買うだけだ。
・旧防衛庁ではかつて情報公開請求者の個人情報をまとめたリストを作って庁内で閲覧した問題が発覚した。裏で動く体質は防衛省全体に言えることだ。進めたい政策があるなら開かれた場で主張すればいい。
・県民との対話を一から組み立て直し、信頼を得る努力を重ねるべきだ。
7.日本国民の暮らしを規定している根本原因である日米安保、このことの解明を避けていては、膿は出し尽くすことはできない。根本的治療はできない。沖縄の問題は、そこまで突きつけているのだ。だが、それを曖昧にするイデオロギーが放射線のように、日本国民の頭の上に降り注がれている。このことを自覚しなければならないだろう。だが、このことを自覚した時、展望は切り開かれるだろう。
日米安保条約10条を使って、日米の本来の「絆」を断ち切るときだ。
峠まで息を切らせて登りたりうみの苦しみ明日を信じて
橋下市長が坂本龍馬のマネをして、なにやら船中八策を作るらしい。それから学ぶとすれば、これまでのシステムが旧くなってきたということだ。まさに旧い殻が打ち破られようとしているのだろう。日本の歴史のなかでも、そういう歴史は、これまでもたくさん経験してきた。だが、旧体制派の橋下氏の「維新の会」はできないだろう。では本当の意味で「維新」を実現するためには何が必要か。そういう議論に参加する意味は、決して小さくない。そこで、以下のブログがヒントになった。
大阪市の橋下徹市長が策定する「船中八策」は天下を動かすか?2012年01月31日 00:00
http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken/e/d6a04ca6a9c229ba135fea1203a3e323?fm=rss
このことは、以前にも記事にしたことがある。
「政治主導、官から民へ、国から地方へ、日米同盟重視の路線の旗を掲げよう(中川秀直)」(2012-01-10 00:20:51)を読んで、少しコメントした。
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-11131619105.html
この発想は、中川氏の経歴をみれば、納得できる。以下みてみると、
自民党が政権交代を果たし、自公政権となるのか、というとそうはならない。自民党政権か自民党中心の連立を期待するは25・2%でしかなく、過半数を超えないからである。民意の過半数を超える期待する政権とは、「政界再編した新たな枠組み」である。「政界再編」の意味するところは、政治主導、官から民へ、国から地方へ、日米同盟重視の路線の確立であろう。民主党が、官僚主導、民から官へ、地方から国へ、日米同盟軽視の路線を行くのであれば、反対党は、政治主導、官から民へ、国から地方へ、日米同盟重視の路線をとらなければならない。それではじめて選挙に選択肢がうまれる。
この発想では、巷間言われている現在の日本の諸矛盾は解決できないだろう。
理由は、日米同盟(以前は日米安保体制と言っていた)は日本の戦後の枠組みである。言わば卵の殻だ。それを前提に、あれこれの「政界再編」を「模索」しても、二番、三番、四番煎じとなるだろう。それは70年代以降の歴史が示している。
そこで、板垣英憲氏の以下の問題意識に注目してみた。以下みてみると、
おそらく、橋下徹市長は、現代の坂本龍馬の気分だろう。現代版「船中八策」の策定に当たっては、作家である堺屋太一・元経企庁長官(元通産官僚)の知恵とアイデアを借りることになるに違いない。橋下徹市長が進める「維新」のプロデューサーであり、「維新戦争」総参謀長である。
橋下徹市長が、いかなる現代版「船中八策」を策定するか?3月ごろには発表する予定のようだが、実に楽しみなことである。
橋下氏の「船中八策」は坂本龍馬に苦笑されるだろう。理由は、
一つは、参謀たちの発想が中川氏たちと同じ旧体制温存派だから。
理由は、参謀の「堺屋太一・元経企庁長官(元通産官僚)の知恵とアイデア」というが、彼がやったことは、「1998年、小渕内閣に民間人閣僚として経済企画庁長官に就任。第2次森内閣まで務め、同時に総合交通対策担当大臣、新千年紀記念行事担当大臣、情報通信技術担当大臣なども兼任」し、橋本構造改革推進内閣後の内閣として「日本一の借金王」を支えたことだ。(http://ja.wikipedia.org/wiki/)
二つは、坂本龍馬の考案した頃の時代背景を現代に適用できるか、はなはだ疑問だから。
確かに板垣氏の言うように坂本龍馬が「いかに鋭い先見性を持ち、時代を先取りして、文章化していたかがわかる。つまり経済に強い政治家としての天才ぶりが、よく窺われる」というのは、確かにそのとおりだろう。
だが、19世紀から起こってきた資本主義の芽生えに対応した「都市」民衆と農村の民衆の世均しの動きに坂本龍馬が直接関係した資料があるかどうか、検討が必要だろう。
さらに「幕末・明治維新から今日までの144年の歴史を動かす『原点』とも言うべき新国家体制の基本方針になった」とあるが、「原点のひとつ」と捉える方が適切ではないだろうか。それは維新政府・薩長藩閥政府が民権運動や私擬憲法草案策定運動などに対応して大日本帝国憲法を制定したこと、幕末以来の歴史のなかで日本国憲法制定がどのように準備されていったか、以上のプロセスを踏まえることでこそ、現代版「船中八策」が作られると思うからだ。
因みに、慶喜の側近であった西周は、オランダ留学から帰り、慶喜に改革案を示していた。http://www.ndl.go.jp/modern/cha1/description03.html
当時欧米の制度を読んだものたちは、当時の日本の体制と政権の枠組みをどのように変えていくか、ここに集中していたようだ。突き上げる民衆の「世直し」にも対応して、だ。
板垣氏は、以下のように表現している。
農本主義を基本としてきた封建体制の日本が、いよいよ資本主義経済社会、加えて当時の欧米列強が行動原理としていた帝国主義・植民地主義、つまり弱肉強食社会に仲間入りする息吹と意欲がよく伝わってくる。
この発想に、民衆の動向を加味して現在の政治・経済・外交の枠組みに当てはめて、その枠組みを変えていくのだ。大いに議論する必要があるだろう。
では現代版「船中八策」とは何か。
一つには、現代版薩長同盟とは何かだ。
二つには、現代版「無窮ノ大典」「字内(うだい)万国」法とは何かだ。
三つには、現代版「宜シク従来有名無実ノ、官ヲ除ク」「万機宜シク公議」とは何かだ。
四つには、現代版「外国ト平均ノ法」とは何かだ。
今日、明日は用事あり、ここまでかな?ああ~力量不足かな
新しきことを構へてことをなす卵の殻をやぶるひなあり
昨日の国会中継、共産党ならではの質問だったな。
だが、その後の報道をみていると、多くの問題をスルーしている。そっちの方が、もっと問題だ。そこでいくつかメモをしてみる。では、その問題とは何か。
1、勤務中にメールをつくり、打って、「別添にファイル」に記載して人事係りに提出をお願いしている。これはりっぱな「業務」だ。ということは常態化していたことだ。事実「過去の名護市の市議選で、同じようなことがあったことが報告され」ている。http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4941640.html
2.聴講者に「通知」するよう「お願い」しているのだから、これは正式の文書だ。そもそも公務員は勝手に「業務」をすることはできないはずだ。必ず「起案」「承認」「実行」「復命」という段取りがあるはずだ。
3.前任者の一川前防衛相、田中現防衛相も知らなかったと語っているが、もしそうだとすれば、あまりに規律が弛緩していることになる。これも大問題だ。また承知していたがあまりに「常態化」していたので規律違反という意識がなかったとしたら、それも大問題だ。
4.今回の経過から見えてくるものは、自公政権時代もずっとやっていたということだ。過去に遡って膿を出すつもりがあるかどうかだ。これができれば、ホントに政権というか、自民党もひっくり返るはずだ。特に田中防衛省の素人ぶりを追及して政局化している自民党は、自らの問題として徹底して追及すべきだろう。さもなければ、単なる政局パフォーマンスとして見られるだろう。特に自衛隊出身の佐藤参議は、自分の時はどうだったか、情報を公開すべきだろう。
5.今回のようなことが内部告発として明るみに出たことは、直近で言えば沖縄防衛局が県に提出した環境影響評価(アセスメント)評価書問題など、沖縄防衛局のあまりの酷さに呆れかえり、怒り狂った職員が共産党に「内部告発」をしたのではないか?ということが予想される。防衛局にすれば、そこが最大の「ミス」「思い上がり」だった。こんなメールを送っても「大丈夫だろう」という意識があったのだ。九電のやらせメールがあったが、「ウチは大丈夫」という意識があったのだろう。
6.この問題は国家公務員の「不祥事」だが、防衛省だから、追及の手は薄まるか、及ばないのだろうか。事実、大阪市の組合が勤務時間中に選挙活動をしていたことが橋下市長に取り上げられ、大々的に公務員バッシングの対象としてキャンペーンが貼られた。だが、今回は共産党の「スクープ」ということもあって、別物のように扱われている。
7.防衛省・防衛局の言い分は「公務員として選挙権を行使すべきで、棄権すべきでないこと、公務員の中立性、公正性に疑いを持たれないようにすることなどを述べた」から問題はないということを言いたいのだろう。だが国民に「誤解や批判を受けかねない行為」ということは、実は「国民は誤解している。防政局は間違っていない」ということだろう。だったら、「家族・いとこ・親戚」の名前をリストアップして提出させる必要性はあるのだろうか?全く矛盾している。
防衛相、沖縄防衛局長を処分へ 「誤解や批判受けかねない」2012年2月1日(共同通信)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-186972-storytopic-3.html
田中直紀防衛相は1日午前、米軍普天間飛行場を抱える沖縄県宜野湾市長選に絡み真部朗沖縄防衛局長が部下の職員らに「講話」を行った問題で、「誤解や批判を受けかねない行為だ。引き続き調査し、近日中に政務三役会議を開き防衛省として判断する」と述べ、近く何らかの処分を検討する考えを表明した。国会内で記者団に述べた。
また防衛省の渡辺周副大臣と鎌田昭良官房長は、衆院予算委員会理事会に出席し、同省としての調査結果を説明。沖縄防衛局の職員、親族の調査を指示したメールについて「実在していた」と認めた。職員らへの「講話」は真部氏自ら発意した。
防衛省の報告要旨
防衛省が衆院予算委員会理事会で報告した内容は以下の通り。
一、メールは実在が確認された。
一、講話実施は真部朗沖縄防衛局長が発意し、1月4日にメールで指示した。
一、講話聴講者を選ぶため、沖縄防衛局総務部で宜野湾市在住もしくは親族が同市在住の職員を調べ、同月10日までに80人をリストアップした。実際に講話を聴いた職員は計68人だった。
一、真部局長は講話の内容について「市長選投票日と立候補予定者を紹介し、宜野湾市は米軍普天間飛行場所在地で、市民の民意が重要であること、公務員として選挙権を行使すべきで、棄権すべきでないこと、公務員の中立性、公正性に疑いを持たれないようにすることなどを述べた」と説明した。
一、参加者への聞き取りでは、特定の候補者を支持する内容は確認されなかった。
一、講話は2回行われ、1月23、24日にそれぞれ10分程度、真部局長が口頭で行った。
一、講話の記録の存在は確認されなかった。
ウチナーの叫び伝へる国会のヤマト揺るがす赤嶺の声
民族の悲劇の残滓いまもなほ基地ある限り独立遠し