太平洋上で特異な動きをする台風十四號のために、一日中のシトシト雨。

梅雨時のやうな連日では気持ちも湿気を帯びてくるが、その時だけならば窓を開けて大きく吸ふ雨日の空気にも、静かな藥を感じる。

梅雨時のやうな連日では気持ちも湿気を帯びてくるが、その時だけならば窓を開けて大きく吸ふ雨日の空気にも、静かな藥を感じる。
今日10月10日は、10を横にすると眉と目に見える得意のこじつけから、「目の日」云々。
目を大切にすることを啓発する意味もあるやうだが、今さら言ふまでもなく浮世は“目に毒”な景色の連續なり。
さりながら、“体に毒”なものこそ美味であるやうに、“目に毒”なものこそ見モノであったりする。
クスリもその正体は毒である。
毒なモノも見て樂しければ、
時と場合によっては神藥ともなる。
それを廣く識るために、
この目はあるのだ。