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迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

平等といふ『複製』。

2018-03-13 17:12:05 | 浮世見聞記
渋谷区神宮前のあちこちで、ロケバスを路肩に停めて、ファッションモデルの写真撮影が行れてゐた。




しばらくすれば、これらモデルの複製(クローン)たちが、猫も杓子もの勢ひでこの界隈に繁茂することだらう。


そんなある一角で、女性モデルが“待ち”のあひだ、ひとり誇らしさうな表情をして立ってゐた。

しかし私は、その傍らで信号待ちをしてゐる一般女性のはうに、「つくりもの」としての仕上がりの良さを見る。


またある一角では、黒のシャツにパンツ姿で甲斐甲斐しく動ひてゐる若い女性スタッフのはうに、女性らしい“輝き”を見る。


そして歩道に目一杯広がって撮影をしてゐるところを、警察官に注意されてゐる開き盲目もゐた。

被写体はと見ると、往来のつまらない風体をした有象無象に紛れてしまってゐて、まるで識別できないのである!


そこに、なんでも横並びにしたがる現代人の思考を見る。








さりながら。



浮世はもとより、平等にできてゐる。


ただ、落差を設けることで均衡を保ってゐることに、人は気が付ひていないだけだ。


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