迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

生涯浮世學。

2019-09-27 23:20:00 | 浮世見聞記
生涯学習──

それは“生涯現役”であるための、いちばんの秘訣と申せませう。


アタマを使ふことを止めたヒトの末路を、私はこの浮世で何例も目にしてゐるつもりですが、「あのやうにはなるまい……」と自戒することも、またひとつの学習と申せませう。


元号が変はらうがなんだらうが、大きな自然災害の頻発はおさまるところを知らず、近ひところでは今月上旬に関東地方へ上陸した、台風十五号の一件であります。

災害対策の不手際ぶりをみごと天下に曝け出した房州の行政機関などは、学習にといふものにつひて私たちに好材料を提供したと、よく心得るべきであります。



私も都内で遭遇した東日本大震災では、防災対策につひて本気で考へさせられたものですが、今回の台風では改めて自然の脅威に対する心構へを、喚起せられたものであります。



その一方で、わが現代手猿樂の作品づくりのための学習は、樂しいものであります。



観たり、聴ひたり、出掛けたり、その場で調べたり──

稽古といふ創作の場で、それらひとつひとつを組み上げていくとき、私は生涯を通じた樂しみこそが『生涯学習』なのだと、感じ入る次第であります。




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