迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

相模国の文化を訪ねて。

2018-12-02 19:10:50 | 浮世見聞記
みなとみらいのはまぎんホールで、「二〇一八 きらめくふるさと かながわ民俗芸能祭」を楽しむ。


三人の八岐大蛇の所作に見るべきものがあった、港北神代神楽佐相社中の「八雲神詠~八岐大蛇退治~」、

神社仏閣と密接な関係にあった中世藝能の姿を色濃く傳へる、法雲寺(厚木市)の「双盤念仏」、

江戸時代に地元の青年たちが覚へた歌舞伎の囃子を源流とし、幼い子を含めた若い力が賑やかに溢れた「小田原囃子」、

義太夫節のクドイ世界観がもはや私には受け付けないものになってゐることを再認識させた、前鳥座(平塚市)による「相模人形芝居」、

踊り手が手にした“ささら”に、日常の農耕文化より派生した藝能であることを思はせる、愛甲(厚木市)の「相模のささら踊り」──


その土地を想像しながら観てゐると、みなとみらいにいながらにして、瞬時にそれぞれの土地を旅してゐるやうな、そんな贅沢な気分にさせてくれたひととき。


なによりも進行に決して穴を開けず、また大学教授センセイの解説が長引きさうになると絶妙な間で話しをぶった切り、そしてときには笑ひをとるなど、臨機応変かつ明解な言葉選びで三時間の催しを運んだ司会者に、拍手!




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