
父方と母方、双方のお墓参りに行く。
今年の無事を感謝して、ふと顔をあげると、お線香の煙の向かふに、伯父とよく似た恰幅の良い男性が、こちらへ歩ひて来るのが見へた。
私は伯父かと、一瞬ハッとした。
伯父はすでに、このお墓に眠ってゐる……、はず。
それはもちろん、伯父と体格のよく似た、別の人だった。
家族とお参りを済ませて、駐車場の車へ戻るところのやうだ。
しかし私は確信してゐる。
寿司職人一筋に生きた伯父が、
いまそばに来てゐると。
今年の無事を感謝して、ふと顔をあげると、お線香の煙の向かふに、伯父とよく似た恰幅の良い男性が、こちらへ歩ひて来るのが見へた。
私は伯父かと、一瞬ハッとした。
伯父はすでに、このお墓に眠ってゐる……、はず。
それはもちろん、伯父と体格のよく似た、別の人だった。
家族とお参りを済ませて、駐車場の車へ戻るところのやうだ。
しかし私は確信してゐる。
寿司職人一筋に生きた伯父が、
いまそばに来てゐると。