迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

すべてはすみよいくにづくりのために。

2014-09-12 22:30:32 | 浮世見聞記
古本市で、150円と値札のついた新書を見つけた。

この値段ならばよかろうと会計へ持っていくと、主人から、

「162円です」

と言われ、一瞬なにを言っているのか、わからなかった。

そんなわたしに主人は苦笑して、

「消費税分です」

と言い足すに及んで、

「あぁ……」

と、ようやく意味を悟りこちらも苦笑い、差額を払った。


古本はたいてい今も、値札通りの金額で並んでいるところが多い。

先日に出掛けたデパートの大古書市でも、そうやって探していた本を手に入れた。


古本市を覗く最大のたのしみは、そのときだけ俗世間を忘れて、“宝探し”に没頭できることにある-



そんな弱小庶民のささやかな楽しみの場にまで、税金を過剰徴収する手が及んでいる現世の事実に、わたしはつくづく、白ける思いがした。
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