「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「高野連」の石頭 野球の衰退

2007-05-04 05:23:00 | Weblog
「日本高野蓮」が全国の加盟校773校について特待生制度を調べた
ところ376校が”ある”と申告してきた。半分近くの学校がである。
高野連は特待生制度は野球憲章に反するとして、違反校に春の大会
出場停止、野球部長の交代を命じるそうだ。脇村春夫・高野連会長
は違反校の数の多さに驚いているが、時代遅れの憲章は変える、つ
もりはないとしている。

戦後まだももない、昭和25年に制定された野球憲章13条は"野球
部員はいかなる理由にせよ学費、生活費を貰ってはいけない”と規定
している。が、現実には半分近くの学校が特待生制度を設けていた。
60年もの間、高野連はなぜ今まで放置し、問題にしなかったのだろう
かー。特待生制度は他のスポーツでは認められており、野球でもなか
ば公認されていた。

脇村会長は昭和24年全国優勝した湘南高の三塁手であった。戦後の
あの頃は小倉中学が22,23年と連続優勝したり、地方の公立名門校
が圧倒的に強かった。21年の東京予選で僕の中学は甲子園出場校の
東京高師付属中と当たったが、歯が立たなかった。こちらはユニフォーム
もないのに相手は立派な装具を持っていた。当時の公立校は私立校に
比べて野球環境に恵まれていた。

高野連が特待生制度を問題にしているのは、他地域からの越境留学のよ
うだ。しかし、脇村会長時代と野球は変わってきた。あのころ日本の野球
は米国の2Aのチームにも勝てなかった。脇村氏ほか高野連の幹部は昨年
WBCで日本チームが優勝したときの日本中の湧き立ちを思い出して欲しい。
チームの大半は特待生制度の恩恵に預かっている。時代が変わってきている。
いつまでも石頭では、野球は衰退を招くだけだ。