「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      「千の風になって」 と仏教の危機

2007-05-27 05:46:59 | Weblog
一昨日、菩提寺のお施餓鬼会に参席した。年に春秋の彼岸などしか
墓参しない信仰心のうすい”佛教徒”だが、歳とともに、ここ数年多少
信仰に関心が出てきた。お施餓鬼会での法話は、毎回、僕にとって
仏教にふれる唯一の機会であり興味深い。今年の法話には、最近耳
にする機会の多い「千の風になって」の歌詞のコピーが用意されていた。

      ▽「千の風になって」(冒頭の一部)
            (作詞不詳 作曲新井満 日本語詞新井満)
      
       私のお墓の前で 泣かないでください
       そこに私はいません 眠ってなんかいません
       千の風になって 千の風になって 
       あの大きな空を吹きわたっています

NHKの紅白で秋川雅史が歌って以来、この歌を僕でも知っていた。た
だ難しい歌でなかなか上手に歌えないが、メロディが印象的で、好い
歌と思っていた。まさか、この歌が上人の法話に引用されるとは考えて
もいなかった。
   
上人の法話によると、この歌詞の中の”お墓の中に私はいません。眠っ
ていない”のくだりが仏教にとって問題なのだという。墓の中に仏(先祖)
がいないとなれば、墓参する者がいなくなり、仏教の根源が崩れることに
なるのだという。

最近、墓参代行とかPCによるバーチュアルの墓参もあると聞く。若い
世代が亡くなった霊は”風になって”、大空をかけめぐっている。墓参
しても意味がない、と思うと、本当に、この歌は仏教にとって危機になる
かもしれない。